イギリス・ロンドンのO2アリーナで、11年連続で開催された「Nitto ATP ファイナルズ」は、2019年のATPツアーシーズンの感動的なフィナーレを見せてくれた。この最終戦を合わせ、今シー…

イギリス・ロンドンのO2アリーナで、11年連続で開催された「Nitto ATP ファイナルズ」は、2019年のATPツアーシーズンの感動的なフィナーレを見せてくれた。この最終戦を合わせ、今シーズン開催された63のATPツアー大会の総観客動員数は新記録となる482万人、さらにオンラインでの視聴数も前例のない記録となった。

忘れられない試合となったシングルス決勝戦では、ステファノス・チチパス(ギリシャ)がドミニク・ティーム(オーストリア)を6-7(6)、 6-2、7-6(4)で破り優勝した。シングルス決勝戦が最終セットのタイブレークまでもつれ込んだのは、1970年以降のトーナメントの歴史を通して、1988年のボリス・ベッカー(ドイツ)対イワン・レンドル(チェコスロバキア)、2005年のダビド・ナルバンディアン(アルゼンチン)対ロジャー・フェデラー(スイス)以来、今回で3回目だった。

昨年、イタリア・ミラノで行われた「Next Gen ATP ファイナルズ」を制したばかりのチチパスは、キャリア最大のタイトルと、ATPランキングポイント1300点、そして大会賞金265万6,000ドル(約2億9115万円)を手に入れた。21歳のチチパスは、2001年に20歳で優勝したレイトン ・ヒューイット(オーストラリア)以来の最年少チャンピオンとなり、トーナメント史上6番目に若い優勝者となった。

ダブルスでは、ピエール ユーグ・エルベール(フランス)とニコラ・マウ(フランス)のペアが、レイブン・クラーセン(南アフリカ)とマイケル・ビーナス(ニュージーランド)を6-3、6-4で破り、初めて「Nitto ATP ファイナルズ」のタイトルを手にした。

最終戦では、O2アリーナに8日間で24万2,883人の観客があり、2009年以降の累積観客数を280万3,967人とした。また、今年のO2アリーナの観客数は2019年のATPツアー63大会すべて合わせた観客数を、歴代最高記録となる482万人以上にまで引き上げた。それまでの最高記録は2017年の457万人だった。

2019年の「Nitto ATPファイナルズ」は記録的なオンライン視聴者も惹きつけ、SNSやデジタルメディアプラットフォームを介し、かつてない数が視聴された。最終戦関連のコンテンツでは、2018年の97%増となる約4億インプレッションを記録。ATPとTennis TV(ATPの公式ライブ配信サービス)のソーシャルメディアプラットフォームでの、1,240万ものインタラクション数も相まって、2019年の大会はオンライン上で最も成功したATPのイベントとなった(前年比145%増)。Tennis TVはトーナメント中にソーシャルメディア上の再生回数を4,124万回まで伸ばし、このプラットフォームにおける2019年のソーシャルメディア上の全再生回数は10億回を超えた。

試合以外でも、新しいATP Tourアプリの始動も成功し、さらにエミレーツ航空との5年間のプレミアパートナーシップの更新も発表された。

ATPツアーの目玉でもあるこの大会は、2020年もO2アリーナにて開催されるが、その後、2021年からはイタリア・トリノに場所を移す。

数字で見るATPツアー

・399,112,369―「Nitto ATPファイナルズ」中、ATPのデジタルプラットフォームすべて(ATPTour.com、NittoATPFinals.com、ライブ速報アプリ、ソーシャルメディアプラットフォーム、Tennis TV)にて獲得したインプレッション数。前年比97%増。

・69,110,871―ATPのデジタルメディアプラットフォーム(ATPTour.com、NittoATPFinals.com、ATP&Tennis TVソーシャルメディアプラットフォーム)でのビデオ再生数。前年比88%増。

・41,240,000―Tennis TVソーシャルメディアビデオ再生回数。このプラットフォームにおける2019年のソーシャルメディア上の年間再生回数を10億以上とした。

・12,397,163―「Nitto ATPファイナルズ」中のATPとTennis TVのソーシャルメディアプラットフォームでのインタラクション数(いいね、コメント、リツイート、返信など)。前年比145%増。

・9,000,000―2019シーズン最終戦で提供された賞金額(米ドル、約9億8,658万円)。

・6,200,000―テレビ番組「BBC Breakfast」の英国での視聴者数。最終戦を前にシングルス8選手全員との独占インタビューを放送。その動画はソーシャルメディアで25万回以上再生された。

・4,823,370―2019年のATPツアー全63大会の総観客動員数。歴代最高記録。

・2,803,964―2009年にロンドンに移って以降、開催されたシーズン最終戦の累積観客数。

・2,656,000―ステファノス・チチパスが優勝し獲得した賞金額(米ドル、約2億9115万円)。

・1,570,000―ATPの公式ライブ配信サービスであるTennis TVでのライブ配信再生回数。各視聴者は1人あたり平均475分視聴。

・242,880―8日間にO2アリーナ内で観戦した観客数。

・60,000―使い捨てカップの代わりにトーナメント公式持ち帰り用カップを使用することで、廃棄物にならなかった使い捨てプラスチックカップの数。

・3,410―「Nitto ATPファイナルズ」の公式ストリンガー、テクニファイバーによりトーナメント中に使用されたストリングの長さ(m)。

・1,300―ステファノス・チチパスが獲得したATPランキングポイント。

・310―大会中にテクニファイバーによりストリングが張られたラケットの数。選手に届けられた張替え済みラケットにプラスチック袋は使用されなかった。

・11―ロンドンのO2アリーナで本大会が開催された年数。これより長くシーズン最終戦を開催したのはニューヨークのみで、1977〜1989年の13年間。

・8―シングルスに出場した選手の国の数。8ヶ国となるのは4年連続。

・5―ナダル、ジョコビッチ、フェデラーがそれぞれ年末1位をとった回数。

・4―シングルス参加選手のうち23歳以下の選手の数(チチパス、ズベレフ、ベレッティーニ、メドベージェフ)。2009年以来最多。

・1―シングルス競技において選手が代表する大陸の数(ヨーロッパ)。1大陸となるのは本大会50年の歴史上初めて。

※為替レートは2019年12月2日現在

※写真は「ATP1000上海」最終日の様子

(Photo by Alex Pantling/Getty Images)

翻訳ニュース/ATPTour.com