2019年シーズンは、初めて世界ランキングのトップ10入りを果たす選手が何人も出る、エキサイティングな展開となった。「Nitto ATPファイナルズ」で優勝したステファノス・チチパス(ギリシャ…

2019年シーズンは、初めて世界ランキングのトップ10入りを果たす選手が何人も出る、エキサイティングな展開となった。「Nitto ATPファイナルズ」で優勝したステファノス・チチパス(ギリシャ)のような若手から、ファビオ・フォニーニ(イタリア)のような年季の入ったベテランまで、多くの新顔がランキング上位を賑わせた。では、来年躍進するのは誰だろうか。米テニスメディアBaselineが、5人の候補を挙げている。

1.アレックス・デミノー(オーストラリア)

オーストラリア出身のデミノーは、ハードコートで3つのタイトルを獲得して18位でシーズンを終え、まだ短いキャリアながら2019年はこれまでで最高のシーズンとなった。「デビスカップ」のキャプテンでメンターの役割も果たしているレイトン・ヒューイット(オーストラリア)と同じように、デミノーのテニスはフィジカルの強さと負けん気が軸となっている。彼の次の目標は、ATP1000大会、もっと欲を言えばグランドスラムで結果を出すことだろう。

2.デニス・シャポバロフ(カナダ)

ツアーでラファエル・ナダル(スペイン)に勝利すれば、いやがうえにも注目が集まる。2017年にその功績を挙げたカナダの若手シャポバロフは、その過剰なほどの期待にだいたい応えてきたが、この2年間シングルスの決勝に進出することができなかった。しかし、今年の「ATP250 ストックホルム」でついにその壁を破りタイトルを獲得。その数週間後には「ATP1000 パリ」で初めてマスターズ1000の決勝に進出した。プレッシャーから解放された今、そのショットの腕前でさらなる高みへ上っていくことが期待される。

3.クリスチャン・ガリン(チリ)

ジュニア時代に傑出していたチリ出身のガリンは、シニアでの立場を確立するのには少し時間がかかったが、2019年の大ブレイクを見れば、ようやく本来の実力を発揮しだしたと言って良さそうだ。23歳のガリンはクレーコートで2度の優勝と1度の準優勝を果たし、世界33位でシーズンを終えた。更に室内ハードコートでも、「ATP1000 パリ」で初めてマスターズ1000の準々決勝に進出。今の堅調ぶりであればさらなるランキング上昇が見込め、来年の「全仏オープン」ではダークホースとなるかもしれない。

4.ブノワ・ペール(フランス)

個性的なプレーをするベテランのペールは、キャリアを通して8度シングルスの決勝に進出しているが、そのうち3度を2019年に果たした。3月にはモロッコで行われた「ATP250 マラケシュ」で実に4年ぶりの優勝を飾り、その1ヶ月後には「ATP250 リヨン」でも優勝。どちらもクレーコートだったが、残る1度の決勝進出はハードコートの「ATP250 ウィンストンセーラム」でのことだった。2020年も今年と同じように試合に専心すれば、30歳のペールは、トップ10入りを果たす次のフランス人選手となりえるだろう。

5.ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)

現在アルゼンチンのトップ選手であるシュワルツマンは、トップ10入りに向けて上昇を続けている。昨年6月にキャリア最高の11位に到達した後、今年は14位でシーズンを終えた。8月に「ATP250 ロスカボス」でキャリア初のハードコートでのタイトルを獲得、「全米オープン」では準々決勝に進出した。「ATP1000 ローマ」では初めてマスターズ1000大会でベスト4入り。27歳のシュワルツマンがこの調子で成長を続ければ、2020年にはキャリア最高位を記録することもありえる。

(テニスデイリー編集部)

※写真はシャポバロフ(左上)、ペール(左下)、デミノー(中央)、シュワルツマン(右上)、ガリン(右下)

(Getty Images)