TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL早大 BIG BEARS7621741東北大 HORNETS 370010 関東秋季大学リーグ戦で2年連続優勝を果たした早大BIG BEARS。甲子園ボウル出場を懸け、東北大との東日本代表校決定戦に挑んだ。…

TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL
早大 BIG BEARS2141
東北大 HORNETS 10

 関東秋季大学リーグ戦で2年連続優勝を果たした早大BIG BEARS。甲子園ボウル出場を懸け、東北大との東日本代表校決定戦に挑んだ。前半は「アジャストするのに時間がかかりました」(高岡勝監督、平4人卒=静岡聖光学園)と、一時同点とされるなど苦しめられる。しかし後半入ると3度の独走ゲインなどで着実に得点を重ね、最終スコア41-10で快勝。『学生日本一』への挑戦権をようやく手に入れた。

 早大のキックで試合開始。DL亀卦川駿(社3=東京・早実)のロスタックルやDL古田泰一(法4=東京・早大学院)のQBサックが飛び出すなどディフェンス陣が奮闘を見せる。続くオフェンスで得点し波に乗りたいところであったが攻めきれず。最初のオフェンスをパントで終える。迎えた早大2度目のオフェンスシリーズ。敵陣40ヤード付近での優位な状況から、リーグ戦でも活躍の光ったRB吉澤祥(スポ2=東京・成蹊)のランで一気にゴール前4ヤードまで持ち込むと、最後も吉澤がエンドゾーンを突破しTD。先制に成功する。これでモメンタムをつかんだかのように思われたが、今シーズンの課題であるキックでロングゲインを許してしまう。DB高橋弘汰(法3=東京・早大学院)の好タックルなどでFGに抑えるも、得点を奪われる。続くキックでは東北大がオンサイドキックを選択するも、これは何とか確保。敵陣からのオフェンスではK/P髙坂將太(基理3=東京・国立)が39ヤードのFGを決め再び点差を広げる。しかし、第2Q中盤に被インターセプトを受けると自陣21ヤードからロングゲインを許し、TDを献上。10-10の同点に。前半最後のプレーで髙坂が2つ目のFGを決め、なんとか勝ち越した状況で試合を折り返すも、不安の残る展開となった。


前半苦しんだディフェンスもLB池田主将を中心に後半修正を図った

 後半は前半と打って変わった試合展開となった。後半最初のオフェンスシリーズでQB吉村優(基理3=東京・早実)がボールをキープし約60ヤードを独走。残った1ヤードを、この試合MVPのRB中野玲士(商4=東京・早大学院)が決め切りTD。ディフェンス陣も、前半苦しめられた東北大オフェンスに対しアジャストし、後半を無失点に抑える修正能力の高さをみせた。後半最初のTDで勢いに乗った早大は、立て続けに得点を重ねていく。RB荒巻俊介(法3=東京・早大学院)が持ち前のスピードを生かし74ヤードの独走TDを決めると、ディフェンスも負けじとパントブロックからのリターンTDを奪う。最後はWR豊田航平(法4=東京・早実)が41ヤードを独走し、後半4つ目のTD。これで試合を決定付けた早大が、2年連続6度目となる甲子園ボウル出場を決めた。(※)


QB吉村がランで見せた

 「前半相手のペースにのまれて、自分たちのフットボールができなかった」(LB池田直人主将、法4=東京・早大学院)と、試合の入りの部分で課題は残ったが、後半は無失点に抑えるなどディフェンス陣は修正力の高さを見せた。オフェンスに関しても、前半は苦戦を強いられたが、「最後はOLがライン戦で勝ってRBを走らせていた」(高岡監督)と、関東王者の名に恥じぬプレーを最後まで見せ、白星を勝ち取った。同時刻に行われた西日本代表校決定戦の結果により、甲子園ボウルの対戦校は関西学院大学に決まった。昨年、同じ舞台で大敗を喫したことは記憶に新しい。甲子園では過去2度対戦しているが、どちらも大差で敗れている。スキルでも、フィジカルでも上回る相手に対し、甲子園ボウルまでの約2週間でどれだけ精度を上げ、課題を潰していけるかが宿敵撃破のカギとなってくるであろう。「85年の歴史を変える」(池田主将)。悲願達成へ、BIG BEARSの挑戦がようやく始まる。


RB中野がMVPを獲得した

(記事 涌井統矢、写真 足立優大、平川茜音)

(※)東西大学王座決定戦時代も含む

得点経過
TEAMPLAYPLAYER(S)PATPLAYERG/NGスコア
早大RUN#25吉澤#96髙坂7-0
東北大FG#22長竹 7―3
早大FG#96髙坂 10-3
東北大PASS#1藤田→#33石尾#22長竹10―10
早大FG#96髙坂13-10
早大RUN#5中野#96髙坂20-10
早大RUN#7荒巻#96髙坂27-10
早大PR#31高岡#96髙坂34-10
早大PASS#12宅和→#86豊田#96髙坂41-10
コメント

高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)

――41-10というスコアをどのように捉えられていますか

点差というよりかは試合内容というところで、前半は東北大さんのよくトレーニングされたフットボールをされてしまったというところですね。なにより勝ててよかったなと思います。


――前半苦しめられた場面もありましたが東北大のオフェンス、ディフェンスそれぞれの印象はいかがでしたか

パスも封じられてオフェンスは非常に苦しめられながらも、最後はOLがライン戦で勝ってRBを走らせてというところでうちの頑張りがあったかなと思います。東北大さんのオフェンスに関しては、QBが昨年と違うQBで、ショートパスやピンポイントのパスを織り交ぜながらというところで色々な準備をされてきたのがよく分かったので、うちもアジャストするのに時間がかかりましたし、アジャストしたと思ったら違うオフェンスをやられたりと、とてもいいオフェンスを展開されたなという感じです。


――前半スクリースパスで多くゲインされていましたが、後半は抑えていました。そこに関しては何かお話をされたのでしょうか

直接私が支持することはないんですけども、傾向がだんだんつかめてきたので、その場でアジャストしてスクリーンをケアしていくことができました。


――きょうもキッキングでロングゲインを許してしまいましたが、キッキングはまだ課題でしょうか

そうですね。キッキングは相手が関西学院さんになったということで、昨年も痛い目にあっていますので、どうここを修正していくかというのは考えていきたいと思っています。


――きょうは後半にロングゲインが3度ほどありましたが、後半になっても走りきったというところはいかがですか

きれいにブロックしてくれたので、そこに走路が空いていたというのもありますし、速いランナーたちがそれぞれロングゲインしてくれたので、そこは彼らの頑張りもそうですし、全員で勝ち取ったロングゲインだったなと思います。


――最後に、甲子園ボウルはたくさんの方々がご覧になると思います。応援してくださる方々へのメッセージをお願い致します。

私自身も会社員なので、会社の方々も応援してくれているので、会社の方々も非常に応援してくれているので個人的はそういう方々へのお礼の意味も込めて頑張りたいですし、ボランティアに行かせていただいているいわき市の方々も大雨で被災を受け大変な中でも応援してくださっていますし、大学の監督さんも横のつながりがあって応援してくれますし、それ以上にファンの方々、様々な方々がまだ見ぬ甲子園ボウルでの勝利というのを期待されていますので、その方々のためにもみんなで頑張りたいなと思います。




LB池田直人主将(法4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前半相手のペースにのまれて、自分たちのフットボールができなかったのですが、後半ディフェンスもオフェンスも流れをつかむことができたので、巻き返せて良かったです。やはり、自分たちはスロースターターというのが課題として挙がっているので、そこをしっかり修正したいと思います。


――きょうのディフェンスの数字面での目標がありましたら教えてください

数字面の目標はなかったのですが、自分たちのやるべきことをやればしっかり止まるとは思っていたので、準備してきたものを出しきって、相手に合わせずに勝負しようということでやっていました。


――スクリーンパスで責められる場面が多かった印象なのですが振り返っていかがですか

最初の方はスクリーンに慣れていなくて、スクリーンでゲインされてしまったりしたのですが、スペシャルプレーに関しては元々やられることを想定していたので、やられてもTDを取られずに、一つ一つのプレーに集中して焦らずやろうと話していました。やはり前半は動きに慣れていなかった分止められなかったのですが、後半わかるようになってからしっかりと止めることができたので、そこはよかったと思います。


――東北大のオフェンスの印象はいかがですか

しっかりと自分たちの弱点をついてきていて、いいオフェンスだなと思いました。自分たちが嫌なプレーをしっかりやり通してきていて、プレーの精度に関しても良いものでした。フィジカル面では自分たちの方が勝っていたのですが、そういう面で前半負けていたと思います。


――ロングゲインを許した場面がありましたが、あのドライブを振り返っていかがですか

ドライブされながら自分たちで流れを切ることができなかったのが課題です。ディフェンスは今までも、法政戦でロングゲインを許してしまうとTDされてしまったり、というのがあるので、ドライブされてもそれをきちんと切れるようにしていきたいです。


――甲子園ボウルの相手は関学大になりますが、あと2週間で何を準備されますか

関学は弱点がないというか、隙がないチームなので、ODKすべて完璧にしていかないといけないなと思っています。早稲田はスロースターターで最初の方は結構リードされてしまって、後から追い返していくというかたちだったのですが、同じ流れだと関学にのまれてしまって負けてしまうと思うので、最初から最後まで自分たちのパフォーマンスをするということを意識して取り組んでいきたいと思います。


――甲子園ボウルを見にきてくださる方、早大を応援してくださっている方々に向けてメッセージをお願いします

今まで早稲田大学は学生日本一になったことがないので、自分たちが85年の歴史を変えるという思いでやるので、観客の方々、そして関東で会場に来れない方々も、僕たちは日本一なるので応援よろしくお願いします。




QB吉村優(基理3=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

今までの試合で闘争心をあまり体現できていなくて、戦う気持ちを持ってプレーできていなかったので、きょうの試合では相手と戦うことを意識してプレーしていました。


――きょうの試合では独走する場面がありましたが、その場面を振り返ってみていかがですか

今まで独走するという経験がなく、初めてのことだったのですが、1ヤード残してしまったのは本当に悔しいです。ただ、すごくいい経験になったので、このプレーを2週間練習していければなと思います。


――東北大のディフェンスの印象について教えてください

ヒットが強いとOLの人たちが言っていて、自分は当たられた場面はそんなになかったんですけど、スピードもあってフィジカルもあるなと感じました。


――今シーズンは自身の居場所を見つけられたと思うのですが、これまでを振り返っていかがですか

シーズン前にこうなってればいいなと掲げた目標よりは成長できているという実感はあるんですけど、それでも甲子園ボウルや引退までの時間は迫ってきているので、目標を高く持ってやっていければなと思います。


――甲子園ボウルでも出場の機会があると思うのですが、そこへの意気込みをお願いします

自分はしてもらったことや求められていることを全力でやりきることが自分の仕事だと思っているので、それに見合う準備をして万全の状態で甲子園ボウルを迎えたいです。また、出してもらった時には期待以上のプレーをしていきたいです。