私たちの食生活に身近なチーズ。実はチーズにも野菜のように旬があります。今回はそんなチーズの歴史と冬のチーズの楽しみ方に…
私たちの食生活に身近なチーズ。実はチーズにも野菜のように旬があります。
今回はそんなチーズの歴史と冬のチーズの楽しみ方についてご紹介します。
チーズの歴史
チーズ作りは、人類が野生動物を家畜として飼うところから始まりました。山羊や羊を飼い、チーズらしきものが登場したのはおそらく今から4000~6000年前くらいで、誕生の場所は中近東と推測されています。
最初はミルクが自然放置されたものが発酵してヨーグルトのようなものになり、ここから水分をこして保存性を高めたものがチーズへ発展したと考えられています。
チーズは栄養価と保存性に優れた食べ物として権力者から重宝され、古代ギリシアにおいてはチーズが美の源として珍重されるとともに、オリンポスの神々へのお供え物にもされていました。
・合わせて読みたい→
骨粗鬆症対策やダイエットにも!チーズがもつ栄養効果(https://cocokara-next.com/food_and_diet/nutrition-effect-of-cheese-has/)
ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いは?
チーズの製造工程では、ミルク全体がプリン状に固まった後、これを砕いて水分を放ちさらに余分な水分を排出させながら形を整えます。カビや塩を混ぜ込んで熟成、この期間と管理条件でさらにチーズは味の深みを増していきます。
ここまでがナチュラルチーズの作り方。
プロセスチーズと呼ばれるものは、ここである程度まで出来上がったチーズを砕き、加熱・溶解することで熟成を止めると同時に、求める形状に固め直すという工程を踏んだものを指します。
つまり、ナチュラルチーズには状態が刻々と変わる面白さがありますが、プロセスチーズにはそれがない分保存性が高いという違いがあります。
ナチュラルチーズの分類
スーパーやコンビニでよく見かけるチーズですが、ナチュラルチーズと一言にいってもその特徴は多様です。ここではわかりやすく6つのタイプに整理しました。
①フレッシュタイプ
文字通り「新鮮な」、つまり熟成されていない「非熟成」タイプとも言われます。
多くは、原料乳を固めて水分を抜くという本来のチーズ作りの初期段階で出来上がりとなるチーズのことです。
フレッシュタイプには、初期の段階で固まらず水分として残されたホエー(乳清)のほうを使って作られるチーズや、乳酸発酵をもとに作られるクリームチーズ、熱湯の中で練って固めるモッツァレラチーズも含まれます。水分が多く、ほのかな酸味ややさしい甘み、さわやかな風味などが特徴です。
※水分が多く、柔らかいものを「ソフト」とくくり、表皮の様子から以下3種類に分けています。
②ソフト・白カビタイプ
「白カビタイプ」はカマンベールのように製造過程で表皮に植え付けて繁殖させるものから、自然繁殖させるものまであります。
伝統的な白カビチーズは、芯(中心部)から外側へとたえず熟成が進行するため、匂いも味も個性的になっていきます。しかし、最近では、製造段階で芯を作らず完熟した状態にすることができるようになり、品質の変化を防ぎ(熟成が進むのをとめる)、食べやすい期間はより長い傾向にあります。
③ソフト・ウォッシュタイプ
熟成過程で表皮を地酒や塩の入った水で洗ったり、こすったりして仕上げるチーズを「ウォッシュタイプ」と呼んでいます。この工程は、各種の雑菌からチーズを守ったり、独特の風味や褐色の色合いを呈していくリネンス菌(納豆菌)を程よく繁殖させたり、塩分をしみ込ませる効果があるとして中世に開発されました。
④ソフト・ナチュラル+その他
柔らかい組織で、白カビの表皮も、洗った表皮も持たないタイプを「ソフト・ナチュラル+その他」としました。
この中には、熟成していくうちに表面が固くなって、自然な皮を形成するサン・マルセランやサン・フェリシアンのようなものを含みます。
⑤青カビタイプ
一般にブルーチーズと呼ばれるとおり、その青から青緑色をしたカビの存在感が最大の特徴です。
青カビは独特の風味と刺激的な味わいが身上です。塩分が強めなため、甘いワインやドライフルーツのように凝縮された甘みとの相性は抜群です。
⑥セミハード&ハードタイプ
水分量が少なく、硬いタイプです。このタイプには、パルミジャーノ・レッジャーノのように、大型で保存性が良いものが多く、うまく長期間熟成させたものはいっそううまみが増し、熟成味が堪能できます。
これからの冬に旬を迎えるチーズ
クリスマスや新年会と人が集うことが多い冬。
そんな冬に旬を迎える代表的なチーズを3つご紹介します。
①マスカルポーネ/クリームチーズ
マスカルポーネは、イタリアを原産地とするフレッシュタイプのチーズで、風味は弱いと言われています。
もったりとしたクリーム状であるため、ベーグルをスライスし、スモークサーモンとともにはさむ食べ方が有名です。
クリームチーズは、デンマークやフランス、オーストラリアを原産地とするフレッシュタイプのチーズです。こちらもマスカルポーネと同様に風味の弱いものと言われています。
きめが細かく目が詰まっていることが特徴です。
両者ともより甘くするのであれば、はちみつやチョコレートと。野菜やハーブ、香辛料を混ぜてディップなどにするならクリームチーズが最適です。
②エメンタール
スイスを原産地とするハードタイプのチーズで、風味はやや弱いとされています。
表皮は淡黄色から黄色で硬く、中身は引き締まって弾力があり、クルミ大の孔があるという特徴があります。
塩分が控えめなことでも知られており、味わいもマイルドでかすかな甘みとナッティな風味があるため、そのままカットしてサラダなどで食べることもおすすめです。エメンタールは溶かすとよく伸びて風味も増すことから、チーズフォンデュとして楽しむこともできますよ。
③ゴーダ
オランダを原産地とするハードタイプのチーズです。
表皮はワックスを塗った黄色(黒も存在します)で、中身は淡い黄色で引き締まっており小さな不定形の気孔が散在しているとく特徴を持ちます。
最近では熟成が1000日以上と長いものに人気が集まっていますが、熟成のものは力強い日本酒やウイスキーとの組み合わせが最適な食べ方と言われています。
数多く存在するチーズ。チーズの特徴を生かし、この冬は旬なチーズをメニューに活用してみてはいかがでしょうか。
(参考文献)
・本間るみ子(著者)『旬をおいしく楽しむチーズの事典』,ナツメ社,2010年1月10日
・足立香代子(著者)『栄養学の基本がまるごとわかる事典』,西東社,2015年8月10日
・チーズプロフェッショナル教本
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません
[文/構成:ココカラネクスト編集部]