全日本インカレ前哨戦で勝利を収めた

伝統ある定期戦で慶大と関学大が火花を散らした。第1セットを先取した慶大だったが、第2、3セットは大事な場面でスパイクが決めきれず失速。後がない第4セットからは要所で慶大の『高さ』が相手を圧倒する。樫村大仁(環3・茨城高専)を始め、多くの選手がブロックを決めて、試合の主導権を徐々につかみ直した。フルセットの激闘の末、勝利を収めた慶大が、全日本インカレに向けて弾みをつける結果となった。

2019年11月24日(日)

第74回慶関バレーボール定期戦

慶大×関学大

@慶應義塾大学日吉キャンパス蝮谷体育館

得点
慶大セット関学大
2523
1825
2225
2517
15
出場選手(サーブ順)
ポジション背番号名前(学部学年・出身校)
29高倉真古都(商1・慶應)
WSマルキナシム(総4・川越東)
MB降小雨(商1・慶應)
OP21富澤太凱(経4・慶應)
WS吉田祝太郎(政3・慶應)
MB19樫村大仁(環3・茨城高専)
Li23小出捺暉(環2・駿台学園)
途中出場宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)
17加藤真(商3・慶應)
15加藤靖丈(商2・慶應)

全日本インカレを控えた慶大は、その前哨戦として関学大との定期戦に臨んだ。『定期戦』とは言っても、全日本インカレ前の最後の大事な対外試合。慶大だけでなく、関学大にとってもこの試合の持つ意味は重く、互いが公式戦の緊張感に包まれた中試合が始まった。慶大はこの試合、セッターに1年の高倉真古都(商1・慶應)が入った。


スタメンとして初出場した高倉

第1セットは慶大が優位に試合を進める。試合の入りは相手のサーブに苦戦を強いられたものの、徐々に立て直す。富澤太凱副将(経4・慶應)のサービスエースで初めてのブレイクを奪うと、その後も降小雨(商1・慶應)のブロックなどで着実にブレイクを重ねる。終盤にサーブレシーブに乱れが生じ同点に追いつかれるも、落ち着いていた慶大。最後は、吉田祝太郎(政3・慶應)が放った強烈なジャンプサーブが返ってきたところをマルキナシム主将(総4・川越東)が決め切り、第1セットを先取した。

しかし、第2セット以降は雲行きが怪しくなる。第2セットは終盤までは接戦となるも、セットカウント17-18から相手が投入したピンチサーバーに慶大は苦戦を強いられる。「自分たちが思っていなかった展開になったときに、あたふたする時間が長い」と、宗雲健司監督が話したように、相手の勢いをなかなか止められず痛恨の6連続失点。第2セットを落とすと、その嫌な流れは第3セットでも続いてしまう。終盤まで追う展開が続き、何とか同点に追いついたが、そのあとの1点が取り切れない。最後までリードを奪うことなく第3セットも落としてしまう。


スパイクを打つ富澤副将

後がなくなった第4セット。勢いに乗る相手を止めたのは慶大の『高さ』だった。富澤と樫村の2枚で相手のスパイクを封じ込め、ブレイクを奪う。そこから勢いづいた慶大はマルキのブロックなどで得点を重ね、『高さ』で相手を圧倒する。第2セットで苦戦したピンチサーバーのサーブもしっかり1本で切り、修正力も見せた慶大がこのセットをものにし、勝負は最終セットへ。


マルキ主将が意地を見せた

最終セットは樫村のクイックで幸先よく先制すると、今度は樫村が相手のスパイクをブロックで封じ込め、ブレイクを奪う。そこからは慶大ペースとなる。このセットも光ったのは慶大の『高さ』だった。このセットだけで4つのブロックポイントを奪い、相手に一度もブレイクを許さない。15-9で最終セットをものにし、慶大が勝利を収めた。

セッターに急遽1年の高倉が入るなど、決して万全とは言えない慶大。フルセットまで試合はもつれ、インカレに向けて準備万端とはいかなかった。しかし、それでも勝ち切ったことは大きな収穫だろう。「僕たちの良いところも悪いところも出て、収穫が多い試合だった」と、富澤は今日の試合を前向きに捉え、短い時間の中で修正する必要をにじませた。ここからもう一皮むけるか、チーム力が試される。


高倉(写真中央)も健闘を見せた

「今チームに波があるので、それをどう、いい波をつかめるか」(宗雲監督)。トーナメントは一度負けたら終わりだが、一度大きな波に乗れれば今の慶大はどこまでも突き進む、そんな予感を感じさせる試合だった。ここまで苦汁をなめてきただけに、全日本インカレでは慶大の大躍進に期待したい。

(記事:菊池輝 写真:竹内大志)

以下、コメント

宗雲健司監督

――試合を振り返って

慶應の課題が出ました。今年だけの話ではありませんが、自分たちが思っていなかった展開になったときに、あたふたする時間が長いです。それが今日も出ましたが、今日は途中からなんとか修正して3つセットを取りました。押されてもまた押し返す能力があったので、そこは良かったかなと思います。ミーティングで「こうしましょう」と考えていても、実際にマッチアップしたら「強いな」となったときにあたふたしてしまう。それが慶應の課題かなと感じました。

――第1セットを先取しました

最初、速いサーブで相手の意表を突かれましたがそこから立ち直って、ラリーをしてみたら慶應のブロックの高さに相手の選手がひるんだと思うので、そこじゃないかな。

――第2、3セットを落としました

ひとつにはサーブレシーブですね。2枚でいくサーブレシーブがだめだった。それでも追いついたとき、離さなきゃいけないときのスパイクミスが多かった。いつも決めてくれなきゃいけない(吉田)祝太郎の決定率が悪いし、「ここ」というポイント、大事なときにマルキがふかしているし。そういうところですね。

――第4セットを取りました。状況をどのように改善しましたか

ジャンプサーブの選手たちに、エースは打たなくていいのでトータルディフェンスで点を取ろうと。サーブは7割くらいの力でいいので、自分たちのブロックでワンタッチをとって点数を取ろうと。仲間を信じましょうということと、自分たちの高さを生かしましょうということです。だから4、5セット目はサーブミスが少なかったと思います。

――高倉選手については

心の準備もないままAチームに入って、スパイクが決まらないのは自分のせいくらいのプレッシャーを感じながら練習をしているんですけどね。トスのばらつきは多少あったしクイックが合わないこともあるけど、なかなか根性のあるやつで、一生懸命バレーしていたので、気持ちの波もなかったし、良かったです。

――インカレに向けて

今チームに波があるので、それをどう、いい波をつかめるか。それでトーナメントを勝ち進んでいくかだと思います。いい波を出せるように、こちらからも後押ししたいなと思います。

富澤太凱副将(経4・慶應)

――今日の試合を振り返って

インカレ前の大事な試合だったので、その中で僕たちの良いところも悪いところも出て、収穫が多い試合だったと思います。

――高倉選手とのコンビはどうでしたか

僕個人としてはそこまで違和感はなかったです。1週間しっかり練習してきたので自信はあったんですけど、勝負どころになると量に裏打ちされたものが出ないのでそこは残り少ないですが、出ている全員が完ぺきになるように練習していきたいです。

――ご自身のプレーを振り返って

ミスは少なかったのでそこまで悪くはなかった印象です。もう一つチームを上向かせるために僕の調子ももっと上げていかないといけないなと思いました。

――いよいよ2日後に迫った全日本インカレに向けて意気込みを

本当に最後の大会なので、一戦一戦全力で向かっていきたいと思います。