JR東日本カップ2019 第93回関東大学リーグ戦 第22節早大31-02-00専大【得点】(早大)36’加藤拓己、79’栗島健太、84’金田拓海 悪天候の中、ホーム・東伏見にて関東大学リーグ戦(リーグ戦…

JR東日本カップ2019 第93回関東大学リーグ戦 第22節
早大1-0
2-0
専大
【得点】
(早大)36’加藤拓己、79’栗島健太、84’金田拓海

 悪天候の中、ホーム・東伏見にて関東大学リーグ戦(リーグ戦)の最終節が行われ、順位が一つ上の専大と対戦した。前節の明大戦(◯1-0)での勝利により、早大は引き分け以上で自力での1部残留が確定する大事な一戦。36分にはFW加藤拓己(スポ1=山梨学院)がネットを揺らし、1点をリードした状態で試合を折り返した。後半も更に79分、84分にMF栗島健太(社4=千葉・流通経大柏)とMF金田拓海副将(社4=ヴィッセル神戸U18)が立て続けに追加点を挙げ、3-0で快勝。見事『歴史的残留』を果たすことができた。


得点後、喜ぶ選手たち

 ピッチコンディションが予想以上に悪く、ボールが止まってしまう状態に外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)は試合前にメンバーを変更。予定していたMF山下雄大(スポ1=柏レイソルU18)の代わりに栗島、左サイドにはMF梁賢柱(スポ3=東京朝鮮)を入れ、それ以外は前節とは大きくフォーメーションを代えずに試合に臨んだ。試合開始直後から果敢に攻め込み、最初のCKではMF鍬先弥也(スポ3=東福岡)がこぼれ球を勢いよくミドルシュート。専大も氣田亮真(4年)を中心に攻撃を仕掛けてくるが、互いに決定機は訪れない。22分にはMF倉持快(人2=神奈川・桐蔭学園)が逆サイドの梁に展開しシュートを打つも、これは相手GKがセービング。28分にはクリアミスで後ろに流れたボールに走り込まれてしまい、GK上川琢(スポ2=湘南ベルマーレユース)と1対1になってしまう危ない場面に。ペナルティエリア外だったものの、上川が体を張ったスライディングで先に触り何とかピンチを防いだ。その後、梁や加藤が遠い位置からもシュートを打つが得点にまで至らずCKを繰り返す展開に。すると36分、一年を通して取り組んできたセットプレーでの得点が完璧なまでに実現された。攻め続けていてもなかなか得点を奪えず、苦しいシーズンを戦ってきた早大にとっては「ここで決めなければまずい」(大桃)とこのセットプレーに懸ける思いはかなり強かった。梁の高めのキックをDF大桃海斗主将(スポ4=新潟・帝京長岡)がニアでそらし、ファーに走り込んでいた加藤が頭でゴールに叩き込み先制点。攻守共に良い流れで試合運びを展開する早大に対し、前半のうちに得点を振り出しに戻そうと専大は細かいパスをつないでくる。それに対しDF阿部隼人(社3=横浜F・マリノスユース)やDF杉山耕二(スポ3=三菱養和SCユース)らを中心に体を張った守備でシュートを打たせない。シュート数18に対して専大をわずか1に抑え、リードを保ったまま後半へ。


この一年間チームを引っ張ってきた大桃主将

  後半最初のチャンスは早大。杉山から栗島に縦へと抜けるパスを通し、ゴール付近へ近づきセンタリングを上げたものの専大DFがクリア。前半の入り同様、拮抗した展開が続き攻守の切り替えの速さが求められる。62分には裏へ出されたパスを上川が再び前に出てセービングし、広い守備範囲でピンチの芽を摘んだ。攻め込まれる危ないシーンも徐々に増え、ハーフコートゲーム気味に。71分には倉持に代えてMF神山皓亮(商4=栃木・真岡)を投入し、流れを取り戻そうと試みる。直後に神山が加藤に合わせたボールを蹴り込むが、これもGKの正面で得点とはならず。78分にはこぼれ球を拾った鍬先が加藤に、更に梁にパスをつなげ良いかたちで攻撃を組み立てる。直後の79分、阿部がロングキックをインターセプトし、栗島の裏へ縦に長いボールを供給。GKとの1対1を冷静にかわし、待望の追加点を挙げた。更に5分後、ゴール前でのこぼれ球を金田が専大GKが一歩も動けない完璧なミドルシュートを放ち、3点目を奪取。残留を決定付ける得点となったが、それでも早大は攻勢の手を一切緩めない。反撃を受けてもDFラインが確実に対応し、カウンターで追加点を狙う。そして90分。長いホイッスルがピッチに鳴り響き、『歴史的残留』の喜びを噛みしめ抱き合う選手たち。応援席からもULTRASを中心に声援が送られた。

 シーズン当初、変化し続けて『本物』になるということを口にしていた早大。しかし43年間繰り返されてきた1部優勝の翌年の降格、という事実は選手たちに大きなプレッシャーを与えていた。その中でも自分たちの課題に取り組み、1試合1試合と謙虚に向き合いオール早稲田で戦ってきたこの一年。結果が出なくても決して下を向かず、ひたむきに勝利を目指す姿は多くの人に勇気や希望をもたらした。試合に出る選手だけでなく、けがで長期離脱を余儀なくされた選手、思い通りの結果が残せず試合に出ることができない選手、チームをサポートするスタッフ、全員で勝ち取ったこの『歴史的残留』。フットサル早慶戦やアルフの登場、サッカー以外でも様々な新しいことに取り組み、変化することに恐れない早大は確実に歴史を変えた。今節で4年生は引退となったが『日本をリードする存在』はア式蹴球部内だけでなく、社会でも『本物』として生きていくだろう。


スターティングイレブン

 

(記事 大山遼佳 写真 堤春嘉、土生諒子)


早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK31上川 琢スポ2湘南ベルマーレユース
DF牧野 潤スポ4JFAアカデミー福島
DF◎3大桃 海斗スポ4新潟・帝京長岡
DF杉山 耕二スポ3三菱養和SCユース
DF阿部 隼人社3横浜F・マリノスユース
→86分12大里 優斗スポ4鹿島アントラーズユース
MF10金田 拓海社4ヴィッセル神戸U18
MF鍬先 祐弥スポ3東福岡
MF25倉持 快スポ2神奈川・桐蔭学園
→71分11神山 皓亮商4栃木・真岡
MF栗島 健太スポ4千葉・流通経大柏
MF35梁 賢柱スポ3東京朝鮮
FW加藤 拓巳スポ2山梨学院
→86分14藤沢 和也商4東京・早実
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――この一週間どのように準備してきましたか

前節の明治戦で皆が大きく成長している手応えを感じる試合ができました。それは明治さんのおかげでもありますし、4年早慶戦をしてくれた慶應さんのおかげです。新たな気づきがあって、自分たちも大きく変化し、その上で残留を自分たちで決められる最後の集大成となる試合を東伏見でできるというのは一年間苦しんだきた我々にとって一つの大舞台であるということを皆で共有していました。熱く強い気持ちでこの試合を我々の手でものにして、苦しんだけれども一つ自分たちで成果を表現できればいいなと思っていました。ピッチに出ていた4年生を中心に応援、運営含めて勝利に向かうことができていたと思います。僕は4年生と喧嘩したり、特にももや金田とはずっと話し合ってきていました。最後になってかもしれないですけれど、キャプテン、副キャプテンらしくピッチに立つという責任を果たしてくれたのは彼らが気付いて感じてくれていたんだなと嬉しいです。僕としては主体性を引き出すことが自分の指名だと感じていたので、自分たちのアイデアやオリジナリティを発揮してくれたのはなによりも嬉しいですね。

――試合内容を振り返っていかがでしたか

ホームで試合ができ、我々の手で残留を決めることができるのはただの残留ではなくて、過去の先輩たちでも成し遂げることができなかった部分を決められることが大きなモチベーションになったと思います。それに苦しめられてきた部分もありましたが、それの意味を皆がようやく分かった時なのかもしれないですね。シュートで終われたり、セットプレーを何度も取ることができたという点ではかなり相手を押し込めることができました。今回、賢柱が出たのも攻撃に効果が出ましたね。元々は山下が出る予定だったのが、このピッチ状況だったので急遽栗島に代えてボールをつなぐことよりも前に運ぶことをやれる選手にしました。それは正解だったかなと思います。更にこういうピッチ状況でしたし、いい意味で通常通りにはいかないのでしっかり割り切ってやり切るところ、前にボールを早めに入れて押し上げる、サポートをするなどかなりよかったですね。

――後半にも追加点を挙げることができました

後半は中盤ぐらいから相手に押し込まられたりリズムを与えてしまう時間帯がありましたね。でもあれを乗り越えるだけの力が出てきたなと試合を見ながら頼もしかったです。そこを乗り越えた先にゴールへの姿勢を示すことができていたので。後半のゴールを決めたのが栗島と金田だったというのは僕の中ではとても嬉しかったです。時間はかかりましたけど、皆にとって苦しかったことがかたちになったと思います。今年だけではなく、早稲田として苦しんできた43年間をこう乗り越えることができました。来年以降も引き継がれていく4年生のプロセスは非常に意味があったと感じています。去年優勝して今年は苦しんだけれども残留したという事実は、3年生以下には大きなものになります。新しいア式の時代を切り開いたのではないですかね。

――プレッシャーを感じる一年間だったと思います

自分が大学4年生の時に優勝して、次の代が2部に落としてしまったので僕にとっても人生においての大きな宿題になっていました。そこは彼らだけではなくて僕にとっても大きな意味のある一年になると思っていました。優勝した次の年に降格してしまうのは本質的に何か問題があると思いますし、それと向き合うことが大事になってきていました。シーズン当初から歴史を刻むというワードを使ってそれに向き合おうとしていました。ここまでシーズンの最初から最後までこうなるとは思ってはいませんでしたけど、意味のある1週間1週間を繰り返して積み重ねてここに到達したなという実感を感じます。

――シーズン当初『本物』になるとおっしゃっていました

本当に優勝は素晴らしいものだと思いますが、苦しんだ中で早稲田のア式蹴球部という伝統と歴史がある部において43年間成し遂げられなかったことを勝ち取ることができたのは『本物』になるには必要なことだと思います。これから社会で生きていく上で良いことばかりではないし、自分を成長させてくれたりする苦しいときの方が多いと思います。その中でどう成長を生み出して絆をつくったり、結束するかが大事です。その両輪を回すのが『本物』だと思いますし、取り組みとして示すことができたと思います。

――きょうで4年生は引退となりました

当然サッカーにチャレンジすることも大事だし、何よりも生きていくことが大事ですね。社会でたくましくしなやかに生きていってほしいなと思いますし、その上で皆にとってこのア式でのサッカーを通して過ごした時間は今後人生のヒントになりはずです。そういう意味では共に苦しんだ同士としてはこれで最後になってしまうのは寂しいですけれども、本当皆良い顔していたので去年の4年生たちよりも大きな武器を携えて社会に出ていくのではないかと期待しています。

DF大桃海斗主将(スポ4=新潟・帝京長岡)

――最後の1週間、どのように過ごしましたか

大学生活最後の試合を東伏見でできるという非常に幸せな環境の中で、試合を見にきてくださる方々に自分たちは何ができるか、何を与えられるか、感じてもらえられるかということを全員が意識して、この1週間に入れたと思います。

――断続的な雨の影響で難しいピッチコンディションとなりましたが、逆にホームアドバンテージを強めてくれた印象を受けました

昨日の夕方の練習時には、雨は止むだろうという予報だったのですが、練習の終わり際には「明日まで雨が続く」という予報になっていて。外池監督から「明日の試合でも今(試合前日の夕方)のピッチコンディションのようになるから、そういうところも意識してやろう」という話もありました。グラウンドがいい感じにスリッピーになるだけならよかったのですが、アップ前からグチャグチャ(のピッチコンディション)でボールも走らなかったので、メンバーを少しいじりましたし、戦い方も背後に起点を置いて走ってというシンプルなものにしました。それを90分間徹底できたからこそ、今日の結果になったのかなと思います。

――準備段階でかなり差をつけられた面もありそうですね

そうですね、専修大さんは残留が決まっているチームでしたし、気持ちの面もすごく大事だとは思っていたので。もちろん戦略や戦術なども準備はしていましたが、今日に関しては気持ちの部分がすごく表れて得点につながったので、よく表現できたと思います。

――良い時間帯に先制点を奪えました、大桃選手も絡んだあのシーンを振り返って

前半ずっと押し込んでいてチャンスも多かったですし、セットプレーも取れていたのですけれど、なかなか決めきれていなかったので「ここで決めなければまずいな」という焦りみたいなものも少しありました。なので、「誰か触ってくれ!」という思いで自分の頭に当てて、結果ファーから加藤が詰めてくれました。よくあそこにいてくれたなという感じです。

――ダメ押しの2、3点目を決めたのは栗島健太(社4=千葉・流通経大柏)選手と金田拓海(社4=ヴィッセル神戸U18)選手でした。苦しいチーム状況で中心を担い続けてきた二人が得点して終われたというのは、チームとしても良い終わり方になったのかなと思いましたが、いかがですか

そうですね。ドラマじゃないですけれど、最後に4年生が点をとって終われたのは僕もすごくうれしかったです。自分自身も点を取りたくてセットプレーの時は攻撃参加をしましたけれど、やっぱり拓海(金田)やクリ(栗島)が点をとってくれた時は自分が取った時くらいうれしかったですし、残留をかけた最終戦に東伏見で4年生が点を取ってくれたのは…。うれしいという言葉じゃ片付けられないほどの気持ちでした。

――そして見事に歴史的残留を成し遂げました、率直にいかがですか

3年生以下に1部の舞台を残してあげられたという安心感が一つあります。それと今年は本当に苦しくて。こんなに勝てないシーズンは初めてでしたし、多くの人に応援してもらい支えてもらったので、色んな感情が巡っていて…。難しいですね、本当に色々な感情がああります。早稲田に来て良かったと心から思うし、素晴らしい先輩と後輩に出会えたなと純粋に思っています。素晴らしい四年間を過ごせました。

――大桃選手自身、色々なことを経験した四年間だったと思います

1年生の時は全く試合に出られず、自分に何ができるのかという悩みやサッカー観の違いなどいろんなものに向き合い、初めて公式戦に出場した2年生の時には、試合に出る者としての責任、言動や振る舞いといったものに気をつけるようになりました。これは自分だけじゃなくてみんなに言えることだと思いますが、先輩や指導者の方々に自分の弱さを指摘してもらったことで、サッカー選手としてはもちろん、人としての部分で多くのものを吸収して成長できたので、自分と関わってくれた色んな人に感謝したいです。あとはこの四年間で得たことを次のステージで自分自身が生かせるかというだけだと思うので、3年生以下には本当に頑張って欲しいし、自分も次のステージで頑張ります。

――最後に、同期のみなさんと後輩たちに一言ずつお願いします

同期とは四年間一緒にいましたが、本当にいろんなことがありました。特に今年はいろんな苦しいことがあったし、自分たちの弱さと向き合わさせてくれる外池さんという存在もあった中で、結果として残留を成し遂げられました。みんなが支えてくれたから自分はキャプテンをやりきることができたので、同期にはすごく感謝しています。これでみんなと本気でサッカーすることはないですけれど、またどこかで、違うかたちでも関われたらいいなと思いますし、自分たちのビジョンである『日本をリードする存在』でもありますけれど、自分が社会に出て何ができるか楽しみですし、みんながどういう活躍をしていくかも楽しみですね。本当に素晴らしい仲間に出会えたなと思います。3年生以下には、今季に関しては本当に苦しんだシーズンでしたし、とにかく感謝が一番大きいです。(今季の経験で)1部でやることの厳しさ、幸福さ、難しさを感じてくれたと思います。昨年優勝したことでなんとなくシーズンに入ってしまった感も否めないので。1部に残ることですらこんなに苦しいのだから、勝ち続けることは並大抵のことじゃないと思うので、3年生以下が自分たち4年生から何を受け取って吸収してくれるかというのは気になると思いますし、何かできることがあれば後輩たちに還元していきたいと思います。

GK上川琢(スポ2=湘南ベルマーレユース)

――リーグ最終節でした

残留に向けてという中で勝ちたい気持ちというのは全員が持っていましたし、その中でも自分は全面にその気持ちを出しつつ冷静に戦おうと思っていました。ピッチコンディションもあってはっきりプレーしようというのは試合前から話していて、試合を通してできました。ただ個人的にはキックのところで安心感はなかったと思いますが、加藤を中心にフィールドの選手が助けてくれました。それに応えられるように自分もセットプレーはキャッチしたり、前に出てはじいてフィールドがやりやすいプレーをすることができたのではないかと思います。あとは無失点で勝てたのは本当に良かったです。

――無失点での2連勝になりました

前期の2連勝では自分がまだまだなところがあって両試合共に失点してしまっていました。前節の明大戦で自分が一本止めたところが全体的な流れにつながったのかなとも思います。去年の小島くんみたいに、自分が目標としているチームを勝たせることができるGKというのをこの2試合で体現できたのではないかと思います。

――きょうも前に飛び出すシーンが多かったです

アップのタイミングでピッチコンディションを確認して頭の中に入れていました。前半はペナルティエリアに水溜りがありましたが、その他はそうでもなくボールがのびる程度だと判断していたので、思い切ってエリア外にも飛び出していきました。判断通りのプレーでしたね。要所要所で流れを寄せられたと思います。あの場面も攻めている中でセットプレーがあって危ないシーンでしたが、自分が判断することで失点を防ぐことができました。後半も自分が一本止めたことで相手に流れを渡さずに自分たちのサッカーができたのは大きいですね。中大戦の時に股抜きで決められてしまったことがあったので、我慢して相手のシュートに対応できたのは自分も勢いに乗ることができました。慢心せずに謙虚に、DFラインともしっかりコミュニケーションが取れて、失点0でいくぞと言っていて、試合中も話し合うことができたのが良かったです。

――後期は特に出場機会が多かったですが、後ろからチームを見ていていかがでしたか

元々高校生の時は試合に出れる選手ではなくて。前期から少しずつ出させていただいて、結果が出ずにプレッシャーを感じることはありました。その中でもキャプテンのももくん(大桃)を中心に体を張った守備でやっぱり助けられていました。自分もやらないといけないな、と特にピッチで戦っている4年生の姿を見て感じていました。球際だったり、一つのプレーに対する気持ちで自分が未熟だった部分を周りにいる高いレベルの選手たちが引き出してくれました。

――4年生の存在はやはり大きかったですか

サッカーで語る選手が多いので、背中で示してくれました。ももくんが明大戦、今節も空中戦では全く負けないで、試合中にぼそっとすごい、と言ってしまうぐらいでした(笑)。歴史的残留に向けて4年生を中心に全員でつながることができました。

――来年の目標はありますか

開幕戦から試合に出たいですね。来年4年生になるGKは4人もいますし、1年生も良い選手が入ってきて今年以上にGK争いが厳しくなると思います。その中で、まずGKチーム全体で成長して底上げをすることで、一人一人がより良いGKになって試合に出ている選手だけでなくて全員で頑張りたいです。今年は自分が試合に出ている時期に千田くんや山田くんが練習中に活躍していて、そこで危機感を感じてもっと頑張ろうと思えました。そういう好循環でお互いを刺激し合える関係をつくって、更に来シーズンは自分が試合に出続けられるような選手になりたいです。

FW加藤拓己(スポ2=山梨学院)

――前節の明治大戦(○1−0)を終えてから今日までの一週間、どのような気持ちで過ごし、準備されてきましたか

今だから言いますけど、ちょうど一ヶ月前ぐらいの立正大戦(○2−1)の前日に寝坊をしてしまって、チームに対してすごい迷惑をかけてしまって。自分はこのチームのために何ができるかを考えたら、やっぱり得点すること、それだけでしたし、実際自分から監督だったりに活動自粛という話もすごいして。でも外池さん(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実)は「点数を取ることがお前がこのチームのためにやらなければいけないことだ」ということを言ってくれたので、自分は本当にそこを信じて点数を取ることだけを考えてやってきたので、先週もそうですけどきょうも自分の先制点がチームに勢いをもたらしたという部分では自分の仕事ができたのかなと思います。

――試合前に選手やスタッフの方々、観客みんなで円陣を組んでいたのが印象的でした

外池さんがよく言いますけど、ONE TEAM、スタンドも一体となってきょうこういった雰囲気が作られたと思うし、この雰囲気じゃなければ俺たちは勝つことができなかったと思いますし、本当にああいう円陣で自分たちの背負うべきものを再確認できたし、試合前にいい刺激というかやってやるぞ、という気持ちになりましたね。

――昨日から雨が降っていてピッチコンディションは良くなかったと思うのですが、ホームだからこそのアドバンテージはあったのでしょうか

昨日も状況が悪い中でセットプレーの確認などもして、実際にきょうもピッチの状況で直前で山下(MF山下雄大、スポ1=柏レイソルU18)がサブになって、栗くん(MF栗島健太、社4=千葉・流通経大柏)がトップ下に入るという変更もありましたけど、やっぱり僕たちはホームで有利でしたし、そういう部分も想定して昨日は練習しようという話になっていたので、思い通りになったのかなと思います。

――前半のいい時間帯にご自身のゴールがありましたが、振り返っていただけますか

あのコーナーの直前に杉山(DF杉山耕二、スポ3=三菱養和SCユース)が「本当にこの一本やらないと結構厳しくなる」と話していて、コーナーはずっとニアを狙っていて、桃くん(DF大桃海斗主将、スポ4=新潟・帝京長岡)だったりスギ(杉山)が絶対あそこで触ってくれると信じていたので。実際に桃くんが触ってくれて自分のところに流れてきたのを触ろうというのはあったので、あそこに走り込んで正解だったなと思います。

――今季は苦しい時期が長かった中で、チームの中心として活躍をされていましたが、最終節にこうして点を取ったことに対していかがですか

そうですね、点数を取ったから良しとかではなくて、まずチームとして残留ができたということが一番ですし、やっぱり今年のシーズン途中から優勝の可能性がだんだん無くなってきた中で、残留を一つの目標としてやってきて、結果的にこうやって最後勝って残留できたというのは一番評価できるというか、このチームでやるべきことはやったのかなと思います。

――今回の歴史的残留に関して、どのように感じていますか

自信だとかではないですし、最後金田くん(MF金田拓海副将、社4=ヴィッセル神戸U18)からもありましたけど、早稲田はこういう戦いをしているべきチームではないと思うし、去年のように優勝争いに食い付いていかないといけない、けれどこういうふうに勝負強さを見せるという部分も大事だと思うので。本当に今回残留できたことというのはチームとして3年生以下に関してはすごく大きいと思いますし、また来年もこの舞台で戦えるというのは俺たちの成長にもつながるので、残留だとかそういうことではなくて、チームとして勝たなければいけないところで勝ち切るとか、そういうものを最後4年生が示してくれたと思います。

――4年生はこの試合をもって引退となりますが、4年生へ一言聞かせていただけますか

4年生は未熟者だと自分たちで言いますけど、実際に未熟だったのは俺たちだし、最後まで切らさずに俺たちのことを引っ張っていってくれたのは4年生だったので。先週の早慶戦だったり、そういう部分で最後まで示し続けてくれたのは俺らじゃなくて、全部4年生だし、今日の勝利も結局最後栗くんと金田くんがあそこで決めて、桃くんが守って。もちろんスギだったり琢(GK上川琢、スポ2=湘南ベルマーレユース)、キング(DF阿部隼人、社3=横浜F・マリノスユース)だったりが守っていたけど、桃くんや牧野くん(DF牧野潤、スポ4=JFAアカデミー福島)といった出ている選手たち、途中から出てきた神くん(MF神山皓亮、商4=栃木・真岡)、和也くん(FW藤沢和也、商4=東京・早実)もそうですけど、そういう人たちが俺たちにやるべきことだったり、中で常に喋って指示を与えたりといった部分で本当にやってくれてたので、俺たちは早稲田としてのあるべき姿を見たし、本当にありがたいというか、それを継承していくのが俺たちの使命だと思うので。しっかり継承して来年もやっていけるように頑張るので、本当にお疲れ様でしたと言いたいです。