関東1部リーグもついに最終節。後半に桐蔭横浜大に先制点も許すもすぐに明大も取り返し、交互に点を取り合って2-2の引き分けに。閉会式で集まった各大学の選手が見つめる中、王者の強さを体現できず悔いの残る幕引きとなった。 「自分たちのサッカーが…

 関東1部リーグもついに最終節。後半に桐蔭横浜大に先制点も許すもすぐに明大も取り返し、交互に点を取り合って2-2の引き分けに。閉会式で集まった各大学の選手が見つめる中、王者の強さを体現できず悔いの残る幕引きとなった。

 「自分たちのサッカーが出来なかった」(中村健)。桐蔭横浜大の強いプレッシャーに押され、前線にボールがつながらない。前半はテンポを作り出すことに苦心する。

 0-0の均衡が破れたのは後半開始直後。立ち上がりのスキを狙われ先制点を献上。しかしHTから森下を投入し徐々にギアを上げると、7分には中村健のFKを小野寺が頭で合わせ同点に。「素直に健也(小野寺)がすごいなと思った」(中村健)。ゴールからの距離を感じさせない力強いシュートを決めた。

 しかし6分後、そう簡単には退かない桐蔭横浜大は1点を追加し1-2に。対する明大も「勢いを持って仕掛けた」。岡庭の公式戦初ゴールとなる鋭い一弾が決まり、またもや同点となる。その後両者譲らない展開が続き、ドローのまま試合終了となった。

 リーグ戦のMVPに選ばれたのは、明大サッカーを先頭でけん引してきた主将・佐藤亮だ。「MVPはチームの勲章」と、感謝を忘れない。ベストイレブンにも早川、常本、中村帆、森下、安部、瀬古、佐藤亮の7名が選出され、会場を圧倒した。

 各大学から研究され、首位を倒す気迫のこもった相手と対戦することとなった後期。それでも対策を上回る強さで勝ち切る試合がほとんどだった。「ここまでは明大として辿りついたことのある歴史」(瀬古)。リーグ戦で見つかった課題を見つめ直した明大にもはや穴は無い。3冠の新境地へ足を踏み入れる時が来た。

                                                     

[田崎菜津美]

試合後のコメント

栗田監督

――インカレに向けてこれまでと同じ轍を踏まないために大事なことは何ですか。

 「チームそろって練習して、緊張感を持ってやることが大切です。もちろん緊張感は持っていますが、トーナメントということで失点してしまうと負けてしまうので、失点しないことを基軸にしていきたいと思います」

佐藤亮

――勝って終わることができませんでした。

 「優勝こそしましたがロッカールームに戻って喜んでいる選手なんて誰もいなかったし、かといって勝てなかったことに頭を持っていかれている選手もいませんでした。そこが今年良いチームだなと思います。常に自分達に向き合い続けることをやってきたことがうまく出たと思います」

小野寺

――同点ゴールを決めました。

 「中村健人が素晴らしいボールを上げてくれるので自分のストロングを引き出してくれています。自分は彼が素晴らしいと思っています」

森下

――途中出場でしたが指示などはありましたか。

 「前半は均衡していて攻め手に欠けていたので、突破してくれとかかき乱してくれと言われました。いい意味でも悪い意味でも2-2だったので、かき乱してしまいましたけど、それを勝ちに持っていく推進力として力をつけていけたら僕自身もっと成長するなと感じました」

――インカレに向けて意気込みをお願いします。

 「絶対勝って4年生として後輩にいい景色を見せたいと思います」