文=丸山素行 写真=バスケット・カウント編集部「1対1のオフェンスに関しては手応えありました」3人制バスケ『3x3』の男子日本代表は開催国枠での東京オリンピック出場が決定し、大舞台で結果を残すための強化が始まっている。先日行われた第3次強化…

文=丸山素行 写真=バスケット・カウント編集部

「1対1のオフェンスに関しては手応えありました」

3人制バスケ『3x3』の男子日本代表は開催国枠での東京オリンピック出場が決定し、大舞台で結果を残すための強化が始まっている。

先日行われた第3次強化合宿には10名の候補選手が招集されたが、ディレクターコーチのトーステン・ロイブルは「この10名がコアメンバー」と語り、今後の選考は彼らが中心になりそうだ。3x3を主戦場とする選手や現役大学生もいたが、Bリーガーがメンバーの多くを占めた。そして、その中には橋本拓哉の姿もあった。

3x3プレミアに出場したことがあるとはいえ、本格的に3人制をプレーするのは今回が初めてとなるだけに、橋本は「正直びっくりした」と驚きを隠せなかったと言う。

それでも、個の打開力が求められる3人制において、橋本の突破力やシュート力は5人制よりも効果が増す。ロイブルコーチも橋本のドライブについて「アンストッパブル」と称し、橋本自身も「1対1のオフェンスに関しては手応えはありました」と語った。

だが一方で、3人制は体格の不利が慮実に表れやすく、188cmの橋本はディフェンス面でターゲットにされる可能性もある。橋本も「僕は身体が小さいので、ミスマッチを突かれた時の弱点を修整しないといけない」と語った。

橋本が日の丸を背負う限り、昨年8月のアジア競技大会で起こした不祥事の話は避けては通れない。謹慎期間を経て、再び代表活動を行うナショナルトレーニングセンターに足を踏み入れた時には、申し訳なさと恐怖が入り混じった感情を覚えたという。

しかし「責任を持った行動をしないといけない。日の丸を背負うことは誰しもがうれしいことなので、本当にチャレンジしたい」と、3人制での日本代表定着へ意欲を燃やした。

「いかにゲームライクでシューティングできるか」

5人制を主戦場とするすべての選手が通る道だが、まずボールの大きさの違いにフィットする必要がある。「7号球でさえ質とかを見てシューティングするくらい繊細なので、最初は全然入らなかったです」と橋本も苦労した。

それでも「外のシュートがもともと得意なので、慣れたらこっちのものです」と、すでにアジャストしたようだ。また、「7号球だったら外れたなって思う時も、小さいのでコロンって入ったりするんですよね」と、ボールが小さいことでの恩恵も感じられている。

すでにボールの違いに慣れた橋本は5カ所から3ポイントシュートを放つシュートアウトでも高確率でシュートを決めていた。「フリーで何十本もずっと打っていたら、誰でも入りますよ」と言う橋本は、シューティングの持論をこう語る。

「身体が冷えた状況だったり、動きながら打つシュートを決めるかどうかが大事だと思っていて、同じスポットで何十本も打ってもそんなに意味がないと思ってます。できるだけ試合を意識して、1回スリーを打ったら次はミドルを打ったり、一回感覚を変えてもう一回スリーを打ったりします。いかにゲームライクでシューティングできるか。その方が上手くなります」

独自のシューティング理論で磨き上げたシュート力と、指揮官からも絶賛されるドライブがあれば、橋本が日の丸を背負う可能性は十分にある。「どう思われるか分からないですけど、応援してくれる人は応援してくれるので。僕が戻った時に温かい声援をくれた人にもう一度、橋本拓哉は変わったなって思われるような選手になりたいです」