「フィギュアスケート グランプリシリーズ 世界一決定戦2019」写真:アフロスポーツ冬季五輪、世界選手権と並び、フィギュアスケート"3大大会"の一つに挙げられるグランプリ(以下、GP)ファイナル。10月20日に開幕したアメリカ大会(第1…


「フィギュアスケート グランプリシリーズ 世界一決定戦2019」写真:アフロスポーツ

冬季五輪、世界選手権と並び、フィギュアスケート"3大大会"の一つに挙げられるグランプリ(以下、GP)ファイナル。10月20日に開幕したアメリカ大会(第1戦)を皮切りに、6ヶ国を転戦するGPシリーズ各試合(NHK杯は除く)とファイナルの模様が、テレ朝チャンネル2にて11月28日(木)から放送開始となる。

前年の成績などから資格を満たしたトップスケーターのみが集結するGPシリーズは、各選手とも最大2大会に出場し、その成績上位6名のみが、GPファイナルへと駒を進めることができるハイレベルな戦いだ。羽生結弦が怪我の影響により出場を辞退した昨年、ファイナルの優勝をさらったのは、男子シングル史上4人目の連覇を達成した王者、ネイサン・チェン(アメリカ)。また、浅田真央以来となるシニアデビューシーズンでのGPファイナル優勝を成し遂げた紀平梨花といったニューヒロインの鮮烈な誕生劇も、記憶に刻まれているのではないだろか。


ネイサン・チェン(C)AP/アフロ

注目の今シーズンといえば、男子ではチェンがすでにアメリカ(第1戦)、フランス(第3戦)の2大会を制して早々とファイナル進出を決め、女子ではともに15歳でシニアデビューしたアレクサンドラ・トゥルソワや、アンナ・シェルバコワをはじめとするロシアの新星たちが、第1戦から第5戦までの金メダルを独占する驚異的な強さを見せている。


羽生結弦写真:長田洋平/アフロスポーツ

そんなGPファイナルへの熾烈な出場権争いで気になるのが日本勢の活躍だ。昨シーズンの雪辱に燃える羽生は、カナダ大会(第2戦)に出場。首位でショートを終えると、フリーでは冒頭の4回転ループこそわずかに着氷が乱れたが、以降はノーミスの演技を披露。合計で322.59点という自己ベストをマークし、チェンが持つ歴代最高得点に0.83と迫る得点で優勝を果たした。加えて、エキシビションを控えたリハーサル中には、女子で優勝したトゥルソワとの"4回転トウループ競演"を披露!見事なまでのシンクロぶりに、世界中のファンが歓喜したことでも注目を集めていた。次なる大会は最終戦のNHK杯となるだけに、日本の大観衆の前で、さらなる記録更新を遂げられるか。


宇野昌磨

2年連続でGPファイナル銀メダルを獲得した実力者の宇野昌磨は、厳しい戦いを繰り広げた。フランス大会(第3戦)に出場すると、ショートで4位と出遅れる形に。巻き返しを図るフリーでは、今季初の4回転サルコウに挑むも回転不足と着氷でバランスを崩し、以降のジャンプでもミスを連発。結果8位と順位を下げシニア5年目にして初めて表彰台を逃すというまさかの結果に。メインコーチ不在で迎えた今季、一人で座った"キス・アンド・クライ"の場で巻き起こった"昌磨コール"に涙を浮かべた場面も見られた。

続いて臨んだロシア大会(第5戦)では、ショート・フリートともにジャンプで転倒したものの、攻めの姿勢を崩さなかった宇野。GPファイナル出場は逃したが、同行したステファン・ランビエールコーチと並んで座った"キス・アンド・クライ"で見せていた笑顔に、復活の兆しを感じた人も多かったのではないだろうか。


紀平梨花写真:長田洋平/アフロスポーツ

一方の女子は、GPファイナル連覇に期待がかかる紀平が、カナダ大会(第2戦)に出場。ショートで首位に立つと、フリーでは序盤のトリプルアクセルでわずかに着氷が乱れたもののほぼノーミスの演技で230.33点という自己ベストに迫る高得点を記録。しかし3本の4回転ジャンプを決めフリーと合計の世界最高得点を叩き出したトゥルソワの圧巻の演技に敗れ、2位となった。好調を維持しているだけに、次のNHK杯での演技にも期待したい。


坂本花織写真:アフロ

宮原知子写真:AP/アフロ

すでに2大会を終えているのが、昨年の全日本選手権の覇者・坂本花織だ。アメリカ大会(第1戦)ではショートで2位につけたものの、フリーの得点が伸びずに惜しくも4位に。フランス大会では、樋口新葉が5位、白岩優奈が9位に留まる中、日本勢では最高位の4位につけるも、表彰台には届かなかった。また、昨季まで4年連続でGPファイナルに進出し、銀メダルを2度獲得している宮原知子も、2位に入った中国大会(第4戦)に続いて、ロシア大会(第5戦)にも連続で出場。特に、表彰台に入ればGPファイナル出場確実だったロシア大会の行方が注目を集めたが、結果は惜しくも4位。それでも、華麗かつしなやかな宮原の演技は、観客の目を最後まで惹きつけていた。

だが、彼女たちの健闘ぶりはともかく、何より特筆すべきは"女子4回転時代"の幕開けを象徴するロシア勢の台頭だ。


アレクサンドラ・トゥルソワ(C)YUTAKA/アフロスポーツ

ほぼノーミスの演技を披露した紀平ですら10点以上の得点差がついた"4回転ジャンプの申し子"トゥルソワや、2度の4回転ルッツを成功させたアンナ・シェルバコワらと相まみえた日本の女子トップ選手たち。皆が一様に"圧倒された"という正直な感想を残している通り、今季のGPシリーズは予測しえない波乱も巻き起こっている。ファイナル出場権の行方はもちろん、男女ともにより難易度の高い"4回転ジャンプ"が求められる新時代の到来をぜひ目撃してほしい!

文=HOMINIS編集部

放送情報

フィギュアスケート グランプリシリーズ 世界一決定戦2019
放送日時:2019年11月28日(木)8:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。