2大会ぶり5度目の優勝を目指す日本が誇るのは、ファーストラウンドを3戦すべて零封した投手力だ。■韓国と中国の「偵察がすごいんですよね」と指揮官 藤平&高橋は“隠し球” 台湾・台中市で開催中の「第11回BFA U-18アジア選手権」は、2日か…

2大会ぶり5度目の優勝を目指す日本が誇るのは、ファーストラウンドを3戦すべて零封した投手力だ。

■韓国と中国の「偵察がすごいんですよね」と指揮官 藤平&高橋は“隠し球”

 台湾・台中市で開催中の「第11回BFA U-18アジア選手権」は、2日からセミファイナルラウンドが始まる。ファーストラウンドを戦ったグループAで3戦連続完封勝利を飾り、1位通過を決めた日本は、2日にグループB2位の中国、3日にグループB1位の韓国と対戦。グループA2位のチャイニーズ・タイペイを合わせた4チームのうち、ファーストラウンドとセミファイナルラウンドの合計勝敗数で上位2チームが4日に行われる決勝戦、残り2チームが3位決定戦にコマを進める。

 2大会ぶり5度目の優勝を目指す日本が誇るのは、ファーストラウンドを3戦すべて零封した投手力だ。初戦の香港戦は左腕・寺島成輝(履正社)、2戦目の台湾戦は右腕・今井達也(作新学院)、3戦目のインドネシア戦は右腕・藤嶋健人(東邦)が、それぞれきっちり仕事を果たした。リリーフ登板を含め、今大会でまだマウンドに上がっていないのが、寺島とともに「高校BIG3」と呼ばれる右腕・藤平尚真(横浜)と左腕・高橋昂也(花咲徳栄)の2人だ。日本代表を率いる小枝守監督は、どうやら“秘密兵器”として藤平、高橋の両腕を温存しているようだ。

 ファーストラウンド3戦目のインドネシア戦終了後、藤平と高橋の起用、ならびにセミファイナルラウンドでの先発起用について質問された指揮官は「偵察がすごいんですよね」と言うと、ニヤリと笑った。大会初日から日本の試合には、必ず中国と韓国の偵察隊が姿を見せた。ビデオ撮影はもちろん球速や走力、クイックモーションの速さなど事細かにチェック。ブルペンで投球練習をする投手も、真剣な眼差しで観察していた。

■納&鈴木が核となる攻撃陣も調子が上向き、5連勝で決勝へ望み

 ベンチから選手に指示を送りながらも、客席に現れた偵察隊の姿に気付いていた小枝監督は「だったら、用意ドン!でぶつけてもいいかな、と思ってます」と、藤平と高橋の2人を“隠し球”として、中国、韓国との対戦で起用する可能性を示唆した。高橋に関しては、2戦目の台湾戦で3番手として登板する予定もあったが、2番手の堀瑞輝(広島新庄)が好投したためにキャンセル。指揮官は「(負けたら敗退で)途中で帰る大会ではないので、相手がどこというより、これから総力戦でいきます」と話しており、高橋の抑えやリリーフでの起用も十分あり得る。

 また、台湾戦では4回1/3を無失点に抑えたが、甲子園から続く疲れなのか本調子ではなかった今井についても「どこかで調整させたい」と登板させる方針で、状態次第では、4日に行われる決勝もしくは3位決定戦で先発起用もありそうだ。

 指揮官自ら「あまり期待していなかった」という打線だが、リードオフマンを任されている納大地(智辯学園)、3番・鈴木将平(静岡)が好調で、攻撃の核になっている。その2人に刺激されたのか、甲子園で3s年連続本塁打した入江大生(作新学院)も3戦目のインドネシア戦でホームラン、主将の小池航貴(木更津総合)は同じく第3戦に初先発し、5安打6得点4打点と大爆発。こちらも調子を上げている。

 大会前の準備期間は短かったが、試合を重ねるごとにチームとしてのまとまりを高めている日本代表。セミファイナルラウンドも連勝し、5戦連勝で決勝戦へコマを進めたい。