ホンダが11月17日のF1ブラジルGPで28年ぶりのワンツーフィニッシュを果たした。 レッドブルのマックス・フェルスタッペン(22)=オランダ=が今季3勝目を挙げ、トロロッソのピエール・ガスリー(23)=フランス=が初表彰台の2位に食い込…

 ホンダが11月17日のF1ブラジルGPで28年ぶりのワンツーフィニッシュを果たした。

 レッドブルのマックス・フェルスタッペン(22)=オランダ=が今季3勝目を挙げ、トロロッソのピエール・ガスリー(23)=フランス=が初表彰台の2位に食い込んだ。1991年の日本GPで当時マクラーレンのゲルハルト・ベルガー、アイルトン・セナのコンビで飾って以来の快挙だ。

 

表彰台でワンツーを喜ぶフェルスタッペン(左)とガスリー(ホンダ提供)

 

ホンダ陣営の思惑

 

 ホンダ系2チームによるワンツーはウィリアムズのネルソン・ピケ、ロータスのセナ、ウィリアムズのナイジェル・マンセルで表彰台を独占した1987年のイタリアGPまでさかのぼる。

 前戦アメリカGPでメルセデスのルイス・ハミルトン(英国)が3年連続6度目のチャンピオンを決め、ブラジルGPと最終戦アブダビGP(12月1日決勝)は「消化試合」になってしまった。出場チームの中には来季の車両開発につなげるべく、実戦で先行パーツを試すなど結果を度外視するところもある。

 ところがホンダ陣営にとってはどうしても結果を残さなければならない事態にある。F1の活動を2021年以降も継続するかどうか社内で検討に入っており、今回のレース結果が芳しくなければ、マイナスに働く可能性があったのだ。
ホンダは今年4~9月期(第2四半期累計)の連結決算を発表。インド2輪市場の減速や為替影響などにより売上収益は前年同期比1・8%減の7兆7253億円で3期ぶりの減収となった。

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黄金時代復活なるか

 

ブラジルGPでフェルスタッペン(右)がポールトゥウイン(ホンダ提供)

 

 その余波なのか、二輪の全日本ロードレース選手権では2018年に二輪モータースポーツを統括するホンダレーシング(HRC)の下でワークス活動を再開したが、わずか2年で撤退するとのうわさまで持ち上がっている。F1も岐路に立たされているようだ。

 シーズン3勝は5勝した1992年以来。優勝した11月17日はホンダ創業者で91年に他界した本田宗一郎初代社長の誕生日でもあった。ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも欧州メディアの取材に「この結果がわれわれの未来にプラスに影響することを願っています」と答えており、社内への強いアピールとなったはずだ。

 F1に復帰して5年目。マクラーレンと組んだ3年間は結果を残せなかったが、昨年からレッドブルグループと提携したことでようやくメルセデス、フェラーリを脅かす存在になった。このまま活動を継続すれば、黄金時代が復活する可能性も十分にあり得る。ホンダ上層部の前向きな決断が待たれる。

[文・写真/東京中日スポーツ・鶴田真也]

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