アメリカ・ニューヨークで開催されている「全米オープン」(8月29日~9月11日/ハードコート)の女子シングルス2回戦。 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を倒して全仏オープンのタイトルを獲ってから、ここ数ヵ月の間に、若きガルビネ・ムグルッ…

 アメリカ・ニューヨークで開催されている「全米オープン」(8月29日~9月11日/ハードコート)の女子シングルス2回戦。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を倒して全仏オープンのタイトルを獲ってから、ここ数ヵ月の間に、若きガルビネ・ムグルッサ(スペイン)にはあまりに多くのことが起きた。続くグランドスラムで2大会連続の2回戦負けを喫した今でも、ムグルッサは、自分は何かを変えたり、リセットしたりする必要はない、と言い張っている。

 「ただプレーを続けること」と、彼女は言う。そして「試合と大会に勝つチャンスを持ち続けること」だと。

 ムグルッサは、世界ランク48位で26歳のアナスタシア・セバストワ(ラトビア)に5-7 4-6のストレート負けを喫した。セバストワは、ほぼ2年間の引退のあと、昨シーズンに復帰を果たした選手である。2013年5月に一連の故障のためプレーを止め、休止とともに訪れた様々な機会を楽しんでいる、と発言していた。

 彼女はオンコート・インタビューで、最大の舞台でプレーするこのような瞬間のためにカムバックしたのだ、と言った。テニス界最大の会場、アーサー・アッシュ・スタジアムのナイトマッチで、全仏チャンピオンを破り、彼女は願っていた通りのことをやってのけたのである。

 「アーサー・アッシュ・スタジアムのナイトマッチで! 本当に素晴らしいわ。これ以上に大きな舞台があるかしら?」とセバストワは言った。

 22歳のムグルッサは全仏で優勝を遂げたとき、大舞台で目を眩ませられた。そして次のグランドスラム大会だったウィンブルドンは2回戦で、世界124位のヤナ・セペロバ(スロバキア)に敗れた。その次が、水曜日に起きた、全米2回戦でのセバストワに対する5-7 4-6のストレート負けだ。ウィンブルドンでもそうだったように、第3シードをつけたムグルッサは、敗戦は全仏優勝の影響や、大成功を収めたあとのバーンアウトなどとは何の関係もないと主張した。

 「全仏のことなど一瞬も考えたりはしないわ。それはもう過去のことよ」とムグルッサ。「誰もが次の出来事、次の大会を楽しみにしているものでしょう」。

 ムグルッサはフラッシング・メドウで、一度も2回戦より先に進出したことがない。彼女は敗因について、セバストワのショットのうまさを挙げた。

 「彼女がやっていたすべてが、うまく機能していたわ」とムグルッサは言った。

 少なくとも、セバストワが第2セット5-1から試合を終わらせようと、自分のサービスゲームに入っていくときまではそうだった。

 セバストワが2つのマッチポイントをものにし損ねたあと、ムグルッサはそのゲームでまずワンブレークを果たし、それからまた、次の相手のサービスをブレークした。

 2011年に全豪オープンで4回戦に進出したことのあるセバストワは、試合の終わりには、やや崩れかかっていたと認めた。

 「自分の頭の問題を解決しなければならなかった。迷いや邪念が生じてしまった」とセバストワは言う。彼女は、まだ5-4でリードしているのだということを自分に思い出させ、それからムグルッサのサービスをブレークして、勝利をもぎ取った。

 この試合の前、セバストワとボーイフレンドは、昨年の1月に復帰を果たしたあと、久々にフラッシング・メドウにやってきたときの思い出話をしていたのだという。彼女は、ただ予選をプレーすることに興奮し、燃えていた。

 そのときは結局、最初の試合で敗れることになる。そしてその一年後、セバストワは全米の本戦の2回戦で、アーサー・アッシュ・スタジアムでのナイトマッチをプレーしたのだ。彼女はここまでトップ5に対し2戦2敗だったが、ムグルッサを破り、全米で初の3回戦進出を果たした。

 「人生って、ときに奇妙よね」とセバストワ。

 ラトビアで英語教師をしているセバストワの母は、彼女とともにニューヨークにやって来た。母がグランドスラム大会に足を運ぶのは、これが初めて。

 母は木曜日に帰国する予定だったそうだが、娘が勝ち残った今、もう少しニューヨークに留まりたがっているのだという。また、セバストワの親友もニューヨークを訪れている。この勝利のお祝いについて尋ねられたセバストワは、「皆でどこかに出かけるかもね」と答えた。

 「母や友達は祝杯をあげて、私はそれを見ているだけになるけど」(C)AP