デビュー戦から黒星なしの世界王者・井上尚弥。WBAスーパー王者ノニト・ドネアへ世代交代を宣言し挑んだWBSSバンタム級決勝戦に勝利した男は、米大手プロモーターと契約し海外へ羽ばたく。

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12Rの激戦の末、戦いを制した井上尚弥

 

 2019年11月7日、さいたまスーパーアリーナで新たな歴史が刻まれた。WBSSバンダム級決勝戦のリングには、WBA、IBF世界王者の井上尚弥と5階級王者のノニト・ドネア。日本の怪物とキャリア20年のフィリピンのレジェンド、年齢差10歳の2人の試合を大勢の観客が見守った。

これまでの試合で顔面にパンチをうけた経験がない井上選手だが、その右目上をカットする有効打を入れたドネア選手。両者得意の左フックを浴びせ合いながらの激戦を制したのは、井上尚弥だった。3度目のWBA防衛を果たしスーパー王座を獲得した井上選手だが、IBFでは初防衛となる。しかしムハマド・アリ・トロフィーを手にしても、対戦相手のドネア選手の強さを語り「世代交代」はまだ成しえてないと。

ネットには、

「井上尚弥、世界最強。自ら証明してみせた。」
「諦めない気持ちを井上尚弥から教わりました。」

と称賛の声が溢れた。

「5階級制覇は伊達じゃない。ドネア、強い」
「ノニト・ドネアに感謝。井上尚弥がレベルアップした。」

とドネア選手へ感謝する声も。今回の対戦は、会場のファンも、テレビの前のファンも釘付けにした歴史に残る試合だった。

井上尚弥の強さ

自身の試合前に、WBC世界バンタム級暫定王者で弟の拓真選手がノルディーヌ・ウバーリとの戦いで判定負け。周囲に動揺が広がる中でも、井上選手は冷静さを保ち、試合に臨んだ。優勝後のスピーチでは、弟の敵を取りたいとウバーリ選手との統一戦を希望していた。

バンダム級へ転向後の試合では世界王者経験者の対戦相手でも、すべて2回以内のKO勝ちをしてきた井上選手。3階級制覇も国内最速で達成している。

3階級制覇の井上は、更なる階級への挑戦を尋ねられると「最高のパフォーマンスができないならば、無理に階級を変更しない」と。今後も世界最強を示していくだけと宣言している。

アメリカ大手プロモーターと複数年契約へ

日本人初の2つのベルトを同時に防衛した井上尚弥選手は、米大手プロモーター「トップランク社」と複数年契約で合意。アメリカで興行大手であるトップランク社のトッド・デュボフ社長が会場を訪れ、井上選手との契約・合意が発表された。井上選手は、今後の本格的な海外進出へ向けて、日々精進し頑張ることを誓った。

トップランク社には、世界最速3階級制覇のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)や3階級制覇のテレンス・クロフォード(米国)をプロモート。日本人では村田涼太選手(帝拳)のプロモートをしている。

井上尚弥は世界で、どこまで勝ち続けるか

今回の試合後、この後に行われる2試合はアメリカでの開催となることが発表された。アメリカでも人気のドネア選手を倒したことで、評価も上がりビッグマッチも実現しやすくなるだろう。

来年以降の海外で、どんな試合を展開するのか。「覚悟」を決めた井上尚弥に注目したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

井上 尚弥 (いのうえ・なおや)

1993年4月10日、神奈川県座間市出身。
今もコンビを組む父・真吾氏の下、小学1年でボクシングを始める。相模原青陵高校時代に7冠を達成し、2012年に大橋ジムからプロ入り。戦績19戦全勝(16KO)。15年に結婚した高校時代の同級生との間に17年10月、長男が誕生した。