プロ野球界で唯一無二にして史上最高のエンターテイナーが、グラウンドに帰ってくるかもしれない。 阪神、日本ハム、米大リー…

 プロ野球界で唯一無二にして史上最高のエンターテイナーが、グラウンドに帰ってくるかもしれない。

 阪神、日本ハム、米大リーグのメッツ、ジャイアンツでプレーした新庄剛志氏(47)が自身のインスタグラム(インスタ)で現役復帰宣言し、注目を集めている。「もう1回、プロ野球選手になろうと思います」と1年後のトライアウトに向け、本格始動した様子も公開している。

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「新庄激場」の数々

 

 2006年の現役引退から13年。インドネシア・バリ島で悠々自適な生活を送っていた新庄氏が動画で決意表明した。

「みんな夢はあるかい?」と呼びかけ、「今日の朝、起きて2秒後、プロ野球選手になろ、なっちゃおうって思ったのよ」と思いつきだったことを告白。「99%無理」としながら「1%の可能性があれば、必ずできる」と現役時代と変わらぬ引き締まった体つきで語っている。

 本気かどうかは二の次で、ファンは大喜びだ。プロ野球の固定概念をくつがえし、奇抜なファンサービスを次々と実行に移してきた「新庄劇場」を、また見ることができるかもしれない期待感。無謀とも思える挑戦も、新庄氏だったら驚かない。もはや伝説ともいわれる仰天パフォーマンス、言動の数々がよみがえってくる。

◆元祖二刀流

 99年、阪神監督に就任した野村克也氏が「うちの投手の誰より速い」と外野手と投手の二刀流を命じた。

オープン戦にも登板し、3者凡退に抑えたが、足をケガして二刀流を断念。

だが後日談として「足が痛いって嘘ついたんです。やっぱりピッチャーって面白くないなと思って。簡単に抑えられるから」と明かした。

◆敬遠球サヨナラ打

 99年6月巨人戦。延長12回裏、1死一、三塁の場面で、バッテリーが勝負を避け、敬遠策をとった。捕手が立ち、巨人の投手・槙原寛己が投球を大きく外した2球目、思いきり踏み込んだ新庄が左前打を放ち、サヨナラ勝ち。

事前に敬遠球を打つ練習をしていたという。

◆メジャー挑戦

00年オフにFA宣言。阪神の5年総額12億円の好条件を蹴って、年俸20万ドル(当時2200万円)の米大リーグ・メッツ移籍を決断。日本人メジャー初の4番、ジャイアンツ移籍後はワールドシリーズも経験。目立つ場所ほど力を発揮し、年俸が上がって日本に帰国するとスーパースター扱いに。

CM出演など副収入も合わせて年間数十億を稼ぐようになり「野球がバイトみたいな感覚だった」という。

◆なまら北海道だべさ

メジャーから4年ぶり日本球界復帰で選んだのはBクラス常連の不人気球団だった日本ハム。札幌移転の話を聞き「オレ一人の力でどれだけ人気が出る球団にできるか」と決断。入団会見では「なまら北海道だべさ」と方言を交えてあいさつし、「なまら」が全国的に知れ渡るように。

移籍3年目の開幕10試合目、突然の引退宣言。一丸となったチームは25年ぶりのリーグ優勝、日本一も達成して、人気絶頂のままユニホームを脱いだ。

◆変装

 04年から、かぶりもの(仮面、顔面マスク)着用を流行らせた。「カエル」にはじまり、「スパイダーマン」、「秘密戦隊ゴレンジャー」。05年には特殊メークの「5面相」。9月には新庄そっくりの特殊メークのマスクを5人(森本稀哲、稲葉篤紀、小谷野栄一、石本努)でかぶり「SHINJO5」と命名してシートノックを受けた。

映画スター・ウォーズの「ダース・ベイダー」に扮して始球式の投手を務めたことも。

◆ホームスチール

 04年オールスターゲーム第2戦で、史上初の単独ホームスチールを決めた。打者が空振りし、キャッチャーがピッチャーに返球したその瞬間、三塁からホームに全力疾走。

伝説の走塁でMVPを獲得し、ヒーローインタビューでは、その年に起こったプロ野球再編問題を受け「これからは、パ・リーグです」と宣言した。

◆サヨナラ満弾取り消し

04年9月ダイエー戦で、9回裏2死満塁からサヨナラ満塁本塁打を放った。だがベース周回中に前を走っている走者と抱き合った拍子に、くるっと反転。走者を追い越したと見なされ、ホームランは取り消され、サヨナラ安打となった。

◆打法命名

 プロ野球界では本塁打を放った際、広報を通じて選手コメントが発表される慣例があり、新庄は04年から本塁打に打法命名を開始。 「こんなオレが200号!?うっそ~ん打法!」「寒くて手が痛いから芯に当てちゃおう打法!」など計37本。

「28年間思う存分野球を楽しんだぜ。今年でユニホームを脱ぎます打法!」と現役引退を発表したのが最後の命名となった。

◆ハーレーで入場

 06年、本拠地移転後初の札幌ドーム開幕戦で「ファイターズ超満員大作戦」と銘打ち、試合前に大型バイクのハーレー・ダビッドソンの三輪タイプを運転してグラウンドを周回。

他の先発メンバーもそれぞれサイドカーの助手席に乗車して守備位置へ向かった。

◆地上50メートルから降下

06年6月の本拠地試合で「死をかけて危険なことをする」と予告。場内照明を消し、地上50メートルの位置にある札幌ドームの屋根裏からゴンドラに乗って登場。ユニホーム姿でサングラスをかけ、立ったまま笑顔で「1番」ポーズをして降下した。

のちに高所恐怖症だったため、サングラスの下で目をつぶっていたエピソードを披露。

◆変身ベルト

06年のオールスターゲームで、腰に電光掲示板つきベルトを装着。画面には「NEVER MIND WHATEVER I DO FAN IS MY TREASURE(ほっとけオレの人生だ。ファンはオレの宝物)」というメッセージを流した。

ヘリコプターで登場してグラウンドへ降下するというアイデアは許可がおりず、幻に終わった。

◆発言が宇宙人

・「王貞治ではなく、長嶋茂雄を目指せ」と言われるも「長嶋って誰?」
・バッティングの極意は「白い球を、強く打つ」
・「ホームランを打つときはほとんど目をつぶってる、あんな速い球は見えない」
・ニュースステーションで久米宏のことを「くめっち」と呼び捨て
・「ジーンズが似合わなくなるのがいやだから、下半身は鍛えたくない」

◆メールで離婚

現役生活を終えてCM撮影でインドネシアのバリ島に行ったとき、誰も自分のことを知らない環境が心地よく、バリに住むことにした。自由になりたいと、結婚していたモデル大河内志保と別れることも決意。

「今日からバリに住むので離婚します」とメールで伝えたという。

◆しくじり先生

17年に人気テレビ番組「しくじり先生」に出演し、横領詐欺被害にあったことを告白。20億円あった預金残高が2200万円になっていた。お金の管理を任せていた知人の使い込みが発覚。

裁判を起こしたが、知人が自己破産したため、8000万円しか戻ってこなかった。

常人離れした集まりのプロ野球選手のなかでも、新庄氏の仰天行動は突きぬけている。

引退後も「歯を全て抜いてインプラントにして2000万かかった」「目を整形して糸が入ってます」と発言するなど、ぶっとび具合は少しも色あせない。カムバック宣言で、新庄劇場第2弾の幕開けを期待せずにはいられない。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]