文=鈴木健一郎 写真=FIBA.comプレーの幅の広さを見せ、相手の堅守をこじ開けるマレーシアで行われている『東京オリンピック プレクオリファイングトーナメント』は大会2日目。5人制バスケットボールの女子日本代表は11月16日、チャイニーズ…

文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

プレーの幅の広さを見せ、相手の堅守をこじ開ける

マレーシアで行われている『東京オリンピック プレクオリファイングトーナメント』は大会2日目。5人制バスケットボールの女子日本代表は11月16日、チャイニーズ・タイペイと対戦した。

日本のFIBAランキング10位に対し、チャイニーズ・タイペイは33位。それでも初日にオーストラリアに大敗を喫しており、後がない状況で立ち上がりからアグレッシブなプレーを見せる。全員が足を動かしてプレッシャーを掛け、連携も取れており隙を見せない。そんなディフェンスを崩せずに良いチャンスを作れない日本は、本橋菜子から早々に吉田亜沙美にポイントガードを変える。リズムを変える期待に吉田はすぐさま応えて、速いテンポから林咲希の3ポイントシュートをお膳立てするも、その後は速いテンポを意識しすぎて周囲と呼吸が合わずターンオーバーに。それでも第1クォーターの最後は吉田から渡嘉敷来夢のホットラインからゴール下での得点が生まれ、重い展開の中でも13-7とリードを奪った。

第2クォーターに違いを見せたのは、再びコートに戻った本橋だった。パスを回してもズレが作れないと見た本橋は、得意のスピードで自分のマークを振り切ることでズレを作り出す。日本のパッシングバスケットへの対応に集中していた相手ディフェンスはこれに対応できず、その本橋を起点に日本のオフェンスが回り始めた。

こうして攻めでは苦しみながらも打開していったが、守備は立ち上がりから盤石。渡嘉敷がベンチに下がっている時間帯も、オコエ桃仁花がインサイドを締めてイージーな得点機会を相手に与えなかった。

ディフェンスでの我慢比べ、相手が先に力尽きる

こうして前半を33-18で折り返すと、第3クォーターにはオフェンスも爆発。きっかけは3ポイントシュートに当たりの来なかった宮澤夕貴が、外に固執せずインサイドへのドライブでオフェンスに変化を生み出したこと。また赤穂ひまわりもベースライン沿いのアタックを繰り返して相手ディフェンスを揺さぶった。自らリズムを作って立ち直った宮澤が、チェックが来ている難しい3ポイントシュートを沈めたところで49-24と大差を付けた。

こうなるとチャイニーズ・タイペイは、立ち上がりから飛ばしてきた消耗と、激しく当たることでファウルがかさんだことで、ディフェンスの強度を維持できなくなる。これに対して日本の運動量は落ちず、この時点で勝利は確実なものとなった。第3クォーター終了時点で64-30。アシストが18-6、リバウンドが39-25と差を付け、また相手のフィールドゴール成功率20.4%とディフェンスで呼び込んだ勝利だった。

プレータイムの少ない選手をコートに送り出した第4クォーターに少し差を詰められたものの、最終スコア83-57で危なげなく勝利した。渡嘉敷来夢は17得点、9リバウンドといずれもゲームハイの数字を記録した。

大会最終日の今日、日本時間19時からオーストラリアと対戦が待っている。