野球の名門・岩手県の花巻東高校で、2020年度より女子硬式野球部が創設されることが、11月7日に明らかになった。岩手県…

 野球の名門・岩手県の花巻東高校で、2020年度より女子硬式野球部が創設されることが、11月7日に明らかになった。岩手県内では初の女子硬式野球部創部、東北でも宮城県のクラーク記念国際仙台校に次ぐ2校目となり、その活躍に早くも期待の声が集まっている。

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すでに練習を始めている1期生予備軍も


 現在1年生で、軟式野球部に所属する河野瑠生さんと田口雛乃さんの2名は、来年度の硬式野球部入部に備えて、すでに硬式球を使用した練習を始めているそうだ。

河野さんは中学でも軟式野球部、田口さんは中学ではソフトボール部に所属。2人とも、軟式と硬式の球の違いに戸惑いつつも、将来を見据えて楽しく練習に励んでいる様子だ。

2020年4月には、新1年生の入部希望者を主軸に、チームが結成される。

同校の女子硬式野球部創設のニュースについては、ネットでも「男子とともに日本一を目指してほしい」「女子野球が盛り上がりそうで楽しみ」などと、期待の声があがっている。

東北の野球の名門・花巻東高校

花巻東高校と言えば、言わずと知れた高校野球の名門校。過去に春3回、夏10回の甲子園出場経験がある。シアトル・マリナーズの菊池雄星選手、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手など、日本の野球界を代表する選手を輩出したことで有名だ。

同校の特色は、県外出身の選手がほとんどいないということ。全国から強い選手を探すのではなく、岩手県内の有望な選手を集め、育てているのだ。

これには、同校硬式野球部を率いる佐々木洋監督の力も大きいだろう。以前、佐々木監督はインタビューで「野球の実力も日本一、取り組み方も日本一」を目指していると語っている。

女子硬式野球部の監督やコーチなど、詳細はまだ明らかになっていないものの、この理念に基づいて活動していけば、いつかは女子高校野球界の頂点に立つことも、決して夢ではないだろう。

女子野球界の現状と課題

女子の高校硬式野球は、徐々に認知度も向上し、活動を始める高校も増加中。3月の「全国高校女子硬式野球選抜大会」、7月の「全国高校女子硬式野球選手権」、8月の「全国女子硬式野球ユース大会」の3つの全国大会が行われている。

しかし、まだまだ連盟加盟校は少なく、各県で予選を行う規模には至っていない。花巻東高校の女子硬式野球部創設で、規模の拡大を狙っていきたいところだ。

また、高校卒業後の進路の1つとして考えられる女子プロ野球界でも、課題は山積み。11月1日は、「美しすぎる野球選手」として一躍有名になった加藤優選手をはじめとした36人が、退団する意向を明らかにした。これは、リーグ所属選手の半数を上回る数だ。

女子プロ野球は、総動員数に伸び悩み、大幅な赤字経営となっている。リーグを存続させるためには、女子プロ野球の認知度を上げ、多くの人に試合を観戦してもらうこと、参入企業を増やすことが不可欠だ。

花巻東高校の女子硬式野球部創設が、高校女子野球界に新風を巻き起こし、ひいては女子野球界全体を盛り上げてくれることに期待したい。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]