「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月10日~17日/室内ハードコート)の大会3日目、男子シングルスのグループ「ビヨン・ボルグ」第2戦で、世界3位のロジャー・フェデラー…

「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月10日~17日/室内ハードコート)の大会3日目、男子シングルスのグループ「ビヨン・ボルグ」第2戦で、世界3位のロジャー・フェデラー(スイス)が世界8位のマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)と対戦、7-6(2)、6-3で勝利した。試合後の記者会見の全容は以下の通り。(前編)

Q:次は相当きびしい試練が待ち受けております。ウィンブルドン以降、ジョコビッチと対戦がありません。あの決勝戦を思い出したり、何をしなければならないのかなどを考えますか?

「そうだね。インドアコートではとにかく、自分ができることをやるだけだよね。僕の場合はウィンブルドンの決勝での出来事は早ければ翌日から、数日から数週間にかけて気にしないようになるようにしている。結果はどうあれ、最終的には良い試合をした、いい大会だったと思えるようになった。途中でラファエル・ナダル(スペイン)も倒せたからね。だから、またジョコビッチと対戦できるのはうれしいよ。彼がどう戦うかも見ておきたい。他の対戦も見ることで僕として何を準備したらいいかもわかってくるからね。それ以外は自分のテニスを見つめるよ。何が今、いいのか?とにかく、いい試合がしたいね」

Q:マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)とウィンブルドンで対戦した後、本人からレッスンをしてくれてありがとうと言われました。でも、その後、彼があの試合を経て自分が何をしなければならないのか、何を上達しなければならないのかが掴めたと言われました。あなたとの再戦が待ち遠しいと。今日対戦して何か違いは感じられましたか?

「テニスは場所によって、詳細が変わってくるところがある。ここは少し、ボールがきっちりコートに跳ねる感覚がある。多分、バウンドが高いと思う。よって、自然的にリターンの状況と対応が変わってくる。今日の彼はそうやっていくつかのポイントを取っている。特に第1セットはね。ウィンブルドンでは遅さすら感じた。彼が最初のエースを決めたのはたしか第3セットの途中で、それまではほぼ毎回ラリーに持ち込み、彼の有利点をなくし、プレーで出し抜けたと思う。もちろん、あの試合が彼のベストな状態ではなかったと思っている。彼に当時迷いがあったのかな。僕は知っていたけどね。(笑)とにかく、このファイナルへの舞台に立つまで長い道のりだったと思う。全米の準決勝進出とかも素晴らしかったよね。彼がどれだけすごいか見えたんじゃないかな。スライス一つでも色々と多用出来ている。フォアハンドとサーブも強烈だしね。これからまだまだ出てくる感じだよ。僕から見ると、彼はネット上で安定していると思う。もっと出てきてもいいとは思うけどね。でも、ここからは上達しかない。多くの人は彼がここに立つと予想しただろうか?シーズン始まり50位にいなかったからね。だから彼との再戦は楽しみだけど、毎回どんどん辛くなるんだろうね」

Q:先日、日本人のジュニア選手と練習されていました。名前は望月慎太郎です。彼は今年ウィンブルドンのジュニア部門で優勝しています。練習されて感想をお聞かせ下さい。ポテンシャルとか印象とか宜しくお願いします。

「そう。彼とは昨日2回、その前の日も1回練習した。クリーンにボールを打つよね。それと速い。ウィンブルドンでも見ていたけど、彼の準決勝戦でDamm選手との対戦だったかな。誰か忘れたけど、そのお父さんと対戦したと思う。(笑)それはどうでもいいか」

「とにかく、すごい試合だったよね。決勝は安定したプレーをしていた。間違いなく、これから色々と魅せてくれるだろう。パワーで勝ちにいくタイプじゃないと、他の方法で勝たなければならない。それは強い精神力、脚力、競争力などが絡んでくる。彼にそれらすべてが備わっていると願いたいね」

「でも、今日誰があがってくるかを予想するのは非常に難しい。僕はメドベージェフがここまですごい1年にするとは予想できなかった。ベレッティーニもそう。でも、予想できなくて驚かされることは楽しみのひとつでもある。もう分からない。昔は技術が大事だと思っていたけれど、今は全く違うと思う。とにかく、望月はすごくいい子で素晴らしいプレーをした」

Q:ファンから愛されてるという状況はどう思われますか?私はギリシャから来ています。多くがステファノス・チチパスを応援していますが、あなたも相当根強いファンベースがあります。あなたとチチパスの為にギリシャから来た人たちが多いです。長年ツアー参加されていますが、どう思われますか?

「素晴らしいよね。すごくうれしいです。ツアーでやる気を維持するのはすごく大事で、コートに出るときに夢をかなえた気分だったり、多くのファンと再会できるという気持ちはすごく大事だよね。きっと多くの人たちが僕をみる時最後かもしれないと思うかもしれないけど、僕はそこについてはよく分からない。ここ何年かそういう感じもある。僕としては続けること、ファンがいることを感謝し続けることしかない。とにかくすべての選手に対してフェアであってほしいとは思う。ファンはそうだと思うけどね。SNSだけではコントロールできるものじゃない。そこでも人々がいやなことをするんじゃなくてみんなにやさしいといいけどね。でもこういったサポートを得られるのは本当に運がいいと思う」

(テニスデイリー編集部)

※写真はATPファイナルズでのベレッティーニ(左)とフェデラー(右)