全日本学生選手権(インカレ)は2日目を迎えた。行われたのは男子サーブル個人と女子エペ個人。女子エペは駒場みなみ(スポ3=富山西)がベスト16進出も、一本勝負での敗北しベスト8入りならず。悔しさが残る敗退になった。男子サーブルは青木貴雅(ス…

 全日本学生選手権(インカレ)は2日目を迎えた。行われたのは男子サーブル個人と女子エペ個人。女子エペは駒場みなみ(スポ3=富山西)がベスト16進出も、一本勝負での敗北しベスト8入りならず。悔しさが残る敗退になった。男子サーブルは青木貴雅(スポ2=静岡・沼津西)のベスト16が最高の結果に。ただ全体的に見れば早々に敗北した選手が多く、納得のいく結果を残すことはできなかった。両種目とも団体戦で巻き返しを狙う。

★鬼門の一本勝負を乗り越えられず…(女子エペ個人)

 駒場はトーナメント初戦で村上夏希(スポ3=三重・津東)との早大対決に挑んだ。序盤に主導権を握ると、そのままリードを守り抜き2回戦に進出する。続く相手はプール戦で敗北した選手だったが、後半になるにつれギアを上げていった駒場。接戦を抜け出し、ここでも白星を収める。続く3回戦はお互いに取りつ取られつのシーソーゲームに。終盤に作った2点のリードも追い付かれ、勝負の行方は一本勝負にもつれる。優先権を手にした駒場は、後ろに下がりつつチャンスをうかがう。だが「慎重になりすぎた」(駒場)と、相手にじりじりと詰め寄られる。そして残り10秒を切ったところで相手に決められ、勝負あり。全日本選手権(全日本)個人戦に続き、またも一本勝負での敗北となってしまった。


一本勝負で敗北し、うなだれる駒場(右)

 関東学生選手権(関カレ)では2位に入賞し、インカレでの活躍にも期待されてたが、入賞を果たすことはかなわなかった。試合後、駒場は「自分から動いて攻めていたら」と課題を口にする。強敵と当たるたびに一点の重要性が高まることを痛感した1年だった。それはこの後に控える団体戦も同じ。関東学生リーグ戦(リーグ戦)から一本勝負に泣かされ続けている。「一本勝負まで持ち込ませる前にポイントを取りきって勝つことが1番いい」(駒場)と隙を見せることなく戦う覚悟だ。団体は連覇がかかっている。気持ちを新たに、決戦に挑む。

★青木が個人戦初のベスト16入り、奏功した「頭を使う」フェンシング(男子サーブル個人)

 2度目のインカレに挑んだ青木。関カレ以前から腰を怪我しており、コンディション調整に不安を残していたが「心の準備はしっかりできていた」(青木)。それは「内容を見れば自分のやることをきっちりやれた」とプール戦を振り返ったように、手応えにつながる。いいイメージを持って挑んだトーナメント戦も、1回戦を危なげなく勝ちきる。その後の2回戦も序盤から得点を重ね、試合の主導権を握る。その後も攻撃の手を緩めず、早大入学後では初となる個人戦ベスト16入りを果たした。3回戦は関カレで敗れた相手との再戦。途中で5連続ポイントを許すなど思うように攻撃できず、リベンジとはならなかった。
青木は結果を残せた要因として、「自分が考えていた組み立て通りに試合を進めることができた」と話した。これまでの青木はフィジカルを生かし、相手の動きに運動神経で対応するフェンシングスタイル。だが腰を痛めたことで、頭を使い、戦術を組み立てる戦い方を取り入れたのだ。万全でない中、強いられたスタイルチェンジ。だが、「自分を成長させてくれるきっかけになった」(青木)とレベルアップのためのヒントをつかんだ様子だ。次の個人戦はベスト8が目標と話した青木。1つずつ目標を乗り越えていきたい。


2回戦終了後の青木(左)

 早大サーブル陣が挑んだ個人戦は苦戦続きだった。小山桂史(スポ3=東京・クラーク)は2回戦で第1シードと対戦し、敗退。森多諒(社1=山口・柳井)は1回戦を接戦の末に落としている。各々実力を出し切れていない不本意な結果となった。それでも「団体のメンバー全員が全員優勝を目指している」(青木)気持ちは変わらない。個人戦の悔しさをぶつけるつもりだ。

(記事 小原央、写真 柴田侑佳)

※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。