11月 7日にさいたまスーパーアリーナで行われた、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝。現WBA・IBF世界バンタム級統一王者で世界3階級制覇した井上尚弥選手が、WBA世界バンタム級スーパー王者で世界5階級制覇の実績を持つノニト・ドネア選手を3-0の判定で破り、同級の初代王者に輝いた。

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「ドネア選手が2人に見えていた」

 

 WBSS初戦のファン・カルロス・パヤノ戦では1ラウンド1分10秒でKO勝利。準決勝では、エマヌエル・ロドリゲスに2ラウンド1分19秒でTKO勝ちを収めていた井上選手。あまりの瞬殺さに、ファンからは「もっと尚弥の試合を見たい」と言う声も上がっていたが、決勝ではフルラウンドの死闘を繰り広げた。

2ラウンドにはドネアの左フックを受け、右目上をキャリア初のカット。出血し、「ドネア選手が2人に見えていた」というトラブルのなか、お互い打ち合いのガチンコ対決。11ラウンドには井上選手の左ボディが炸裂し、ドネア選手は膝をついてダウン。レフェリーの10カウントギリギリのところで立ち上がり、試合が再開された。一進一退の攻防を繰り返し、結果は3-0の判定勝利。

幻の10カウント

試合後の記者会見で井上選手は、「試合前から言っていた世代交代は結果的にはできたとは思うけれど、皆さんの期待通りの試合はできてはいなかった。これがボクシングということで、甘い世界じゃない。今日の経験を生かしてまた精進して頑張っていきたい。ドネア選手とWBSS決勝を戦えたことはキャリアで1番の経験」と語り、頂点に慢心することなく更なる高みを目指す。

また、所属ジムの大橋秀行会長は、「今回調子が良すぎて、気を引き締めなければという感じでやってきた。苦しい試合展開になりましたし、パンチが効いたシーンもあった。尚弥と知り合って初めて見たシーンだった。そこからダウンをとって、素晴らしい試合内容だったと思います。皆さんが心配していた、尚弥のタフネスは問題ないと証明できた一戦。とてつもなく大きな価値のある試合だった。強いて挙げれば、11ラウンドの10カウント。僕が数えたら20くらい(笑)。それはまぁいいとして、12ラウンドを通して尚弥が大きく成長できた」と勝利を絶賛するとともに、幻の10カウントに苦笑した。

ネット上では井上選手の死闘と偉業を称えるとともに、この「幻の10カウント」が話題に。ダウンタウンの松本人志さんは自身のSNSで「11ラウンド。ボディが効いてダウンしてないのにレフェリーがなぜ止めた? しかも10カウントやったと思うけど…」と疑問を呈している。ファンとしては幻となったKO勝ちだが、お互いがリスペクトし、全身全霊で戦いきった歴史的名勝負。今後はアメリカ大手プロモーターの下、アメリカでの試合が予定されている。この一戦を糧に、さらにパワーアップした「モンスター」が文句なしのボクシングで魅せる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

井上 尚弥 (いのうえ・なおや)

1993年4月10日、神奈川県座間市出身。
今もコンビを組む父・真吾氏の下、小学1年でボクシングを始める。相模原青陵高校時代に7冠を達成し、2012年に大橋ジムからプロ入り。戦績19戦全勝(16KO)。15年に結婚した高校時代の同級生との間に17年10月、長男が誕生した。