今年最後のグランドスラム「全米オープン」が8月29日(月)にアメリカ・ニューヨークで開幕する。 世界1位のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は昨年の全米オープン準決勝でロベルタ・ビンチ(イタリア)に「まさか」の敗戦を喫したあと、打ちひしが…
今年最後のグランドスラム「全米オープン」が8月29日(月)にアメリカ・ニューヨークで開幕する。 世界1位のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は昨年の全米オープン準決勝でロベルタ・ビンチ(イタリア)に「まさか」の敗戦を喫したあと、打ちひしがれていた。その敗戦は、全豪、全仏、ウィンブルドンを制したセレナにとって、年間グランドスラム達成のかかった大きな試合であり、プレッシャーと世界中の注目を集めた試合だった。
セレナはその後、絶え間なく自己評価を行っていることを認めている。 「それが普通だとは思っていないけど、明らかに行っている。負けたときは自分について、一般の評価ほどいい感じを覚えることはできないのよ」とセレナは言う。
「でもそれから、自分にこう思い出させなければならなくなる。『あなたはセレナ・ウイリアムズなのよ、冗談じゃないわ』って」とセレナは笑いながら言った。
「そういう躓いたときこそ、『セレナ、自分がここまで何をやってきたかわかっている? 自分が誰だか知ってるでしょう? 自分がテニスにおいてだけでなく、オフコートでもやり続けていることを含めて、あなたはすごいのよ』と、自分に言ってあげないといけない。私も人間なの。ロボットじゃない」 彼女はラケットを握るたび、何かしらの記録を塗り替え得るキャリアの時期にいる。今年の彼女はこれから始まる全米オープンで、2015年のときと状況は違うが、またも重要な戦いをすることになる。 ウィンブルドンでシュテフィ・グラフ(ドイツ)が持つグランドスラム・タイトル「22」の記録に並んだセレナは、今回の全米で23番目のタイトル獲得を目指す。もしも達成したときは、そのタイ記録を破って(オープン化後の)単独首位になるのだ。彼女の上には「24」のタイトルを持つマーガレット・スミス コート(オーストラリア)がいるが、コートはその半数以上をオープン化前に獲得している。
「昨年の出来事から学んだのは、その瞬間を楽しむということなの」とセレナは言った。「私は間違いなく、この瞬間を楽しむわ」。 それはいいことだろう。なぜなら最近の彼女にとって、事はスムーズに進んでいるわけではないからだ。右肩を痛め、力が制限されており、リオ五輪でのセレナはシングルス3回戦敗退、姉ビーナスと組んだダブルスは1回戦で敗退した----セレナは2012年ロンドン五輪で単複金メダルを獲得している----その後、ハードコートの全米オープン前哨戦を棄権した。 セレナが全米オープンの終わりまでナンバーワンの座に留まることは確実で、おかげで連続1位の期間は、やはりグラフの記録である186週に至る。しかし、その翌週の順位は全米オープンの結果次第で、2位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ/彼女は1月の全豪決勝でセレナを倒している)、3位のガルビネ・ムグルッサ(スペイン/彼女は全仏決勝でセレナを倒している)、4位のアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)に追い抜かれかねないのだ。 「間違いなく、非常に興味をそそることだね」と女子の世界1位を巡る競争について、ロジャー・フェデラー(スイス)はこう言っている。
「こういうレースを目にできるっていうのは、いいことだよ」。(C)AP