ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝は7日、さいたまアリーナで行われ、WBA&IBF王者・井上尚弥(大橋)がWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)を3-0の判定勝ちでWBSSバンタム級の頂点…

ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝は7日、さいたまアリーナで行われ、WBA&IBF王者・井上尚弥(大橋)がWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)を3-0の判定勝ちでWBSSバンタム級の頂点に立った。

入場券は前売りで完売。超満員の中で行われた一戦は第2ラウンド、井上の左フックがドネアをとらえ始める。一瞬、ドネアがバランスを崩す場面も。

しかし2分過ぎ、井上をロープ際に追い込んだドネアの左フックが井上の顔面をとらえ、井上は右目上から出血。アマチュア時代から顔にキズをつけられたことがないという井上の流血に場内がどよめく。

第5ラウンド、ここまでドネアのプレッシャーに押されていた井上のパンチが相手をとらえ始める。2分30秒すぎ、井上の右ストレートがドネアの顎をとらえるとドネアは一瞬腰が落ちる。ラッシュを仕掛けるもダウンとはならなかった。

その後は両者互角の展開が続き迎えた第9ラウンドだった。1分15秒、ドネアの右ストレートが井上を捉え、バランスを崩す。この試合最大のピンチを迎えるもクリンチで回避。攻勢を強めるドネアの連打で井上の出血が再び増した。

そして迎えた第11ラウンド。井上が強攻を仕掛ける。1分45秒、井上のアッパーから左ボディーのコンビネーションがドネアをとらえ、悶絶。ついにこの試合初めてのダウンを奪う。一気に仕掛ける井上。耐えるドネア。

最終12ラウンド、ボディーを中心に攻める井上だったが、ダウンは奪えず。決着は判定へと持ち込まれた。

優勝した井上は、世界で4人目となる階級最強を証明する「アリ・トロフィー」を獲得した。優勝賞金は軽量級では破格の総額100万ドル(約1億1000万円)超となる見込み。“モンスター”井上が5階級制覇王者・ドネアを撃破し歴史に名を刻んだ。

また、井上尚弥の弟・拓真は、WBC世界バンタム級王座統一戦でN.ウバーリ(フランス)に0-3の判定負けを喫し、兄弟そろっての勝利とはならなかった。