ラファエル・ナダル(スペイン)のような偉大な選手にとって、トレーニングと栄養管理はその成功を支える基本中の基本。それと持って生まれた才能とが相まって「クレーキング」とも称されるナダルは19回ものグランドスラム優勝を重ね、ロジャー・フェデラー(スイス)の持つ世界最多記録まであと1勝と迫っている。彼のゲームは、バラエティに富んだ食事プランと、厳しいトレーニングプログラムに支えられているのだと、豪ウェブメディアMan of Manyが伝えている。前編ではナダルの食事プランを、後編では彼のトレーニングプランを紹介。

トレーニングに関して、ナダルは効果が実証されているルーティーンだけを継続して行っているようだ。オフシーズンにはウエイトを使ったトレーニング、シーズンが始まるとテニス関連のエクササイズに集中し、一年を通してストレッチをしっかりと行う。

ナダルがジムで行うトレーニングプログラムの詳細は公表されていないが、もれ聞こえてくる情報からでも、普段行っているトレーニングについてかなりのことが分かる。怪我などの状況によりトレーニング方法はいくらか変わるかもしれないが、毎年それほど変更はしないようだ。

コートでの練習

シーズン中は1日4時間ぐらいコートでの練習をする。朝食後から午後早い時間まで、短距離ダッシュ、フットワークのドリル、ラケットの振り方、ボールを使ったドリルなどを含む、テニス関連のあらゆるエクササイズを行う。

ジムでのトレーニング

その後は、4時間のコートでの練習では足りないかのようにジムに向かう。シーズン前はウエイトを使ったトレーニングをしっかり行うが、シーズン中は体幹を強化するトレーニングに取り組んでいる。

パワープレート:ウォームアップのルーティーンとしてパワープレートを使う。プレートの速い振動を筋肉に伝えることで、血液の循環を良くし、筋肉を強化し、可動域を広げると同時に、痛みを和らげリカバリーを助けると言われている。全身をカバーするために様々な姿勢で使い、トレーニング中に何度も戻って使用している。

レジスタンスバンド:おそらく他のどのスポーツよりも、テニスでは瞬発的なスピードやパワーが求められる。瞬発力を最大限に鍛えるために、ナダルを始め多くの選手たちが様々なレジスタンスバンドのエクササイズを取り入れている。筋肉や関節に重量や圧をかけてトレーニングすることで、試合中のパワーや敏捷性を向上させるのだ。

コア・エクササイズ:体幹を鍛えることはバランス感覚、安定性、スタミナを向上させ、テニス選手の総合的な強さの基盤となる。体幹を鍛えるためにナダルは、レジスタンスバンドを使用して立ったまま行う腹筋運動や、腕立て伏せ、懸垂、メディシンボールのエクササイズなどをしている。さらに、エクササイズボール上で行うバランス運動や腹筋運動も取り入れている。

ストレッチ:ほとんどすべての運動の前にはストレッチをする必要がある。プロテニス選手は毎朝1時間近くストレッチをし、さらに練習の前と後にもストレッチ、ジムのトレーニングの前と後にもストレッチをするようだ。それが、あらゆることに対応できる筋力や瞬発力を維持する唯一の方法なのだ。

テニスは全身運動で、脚、肩、腕、背中、体幹のすべてを使う。テニスをする時に必要とされる瞬発性の動きは筋肉を鍛え、長時間の試合は素晴らしい有酸素運動になる。鍛え抜かれたプロ選手たちのあり得ないプレーに嘆息するのも一興だが、健康で美しいプロ選手たちのような身体作りを目指してより良い食事、トレーニング、そしてテニスに興じるのもまた一興ではないだろうか。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「全米オープン」でトレーニング中のナダル

(Photo by TPN/Getty Images)