8月16日から18日、23日から25日の合計6日間、小中学生向けの「パ・リーグキッズ」デー、野球好き女子向け「パ・リーグ女子」デー、野球男子向け「パ・リーグおにいさん」デーと、幅広い世代のファンを「パ・リーグデジタルメディアセンター」に招い…

8月16日から18日、23日から25日の合計6日間、小中学生向けの「パ・リーグキッズ」デー、野球好き女子向け「パ・リーグ女子」デー、野球男子向け「パ・リーグおにいさん」デーと、幅広い世代のファンを「パ・リーグデジタルメディアセンター」に招いての職業体験がパシフィックリーグマーケティング株式会社(以下PLM)によって企画、実施された。

■PLMが企画した職業体験、その成果は?

 8月16日から18日、23日から25日の合計6日間、小中学生向けの「パ・リーグキッズ」デー、野球好き女子向け「パ・リーグ女子」デー、野球男子向け「パ・リーグおにいさん」デーと、幅広い世代のファンを「パ・リーグデジタルメディアセンター」に招いての職業体験がパシフィックリーグマーケティング株式会社(以下PLM)によって企画、実施された。

 私もメジャーリーグ球団で2年間インターンを経験した後にキャリアをスタートさせる幸運に恵まれたことから、PLMが実施する職業体験で参加者がどのような経験を得るのかということに大変興味があった。8月17日に実施された「パ・リーグ女子」デーに実際に足を運び、その様子を見学させていただいた。

 この日は女子3名が参加し、この体験のためにはるばる奈良からやってきた参加者もいた。今回の参加者の中では北海道日本ハム・大谷翔平選手に対して3人中2人がファンであると公言し、もう1名は埼玉西武の武隈祥太投手のファンだった。なぜ武隈投手のファンとなったのかについて問いかけてみると、西武プリンスドームの試合観戦に訪れた際にブルペンで準備をする武隈投手とたまたま目が合い、そのことがきっかけで武隈投手のファンになったという。ファンに球場へ足を運んでもらうことの大切さを実感するようなエピソードだ。

 この日パ・リーグは2試合のみの開催だったが、試合開始2時間前の16時に職業体験は開始された。まずはPLMが設立されたきっかけや、パ・リーグTVとは何かという紹介から始まり、実際にメディアセンターで行う業務についての説明がスタートした。

 その後は職業体験へと移り、まずは動画制作担当が指導する動画編集制作の体験が始まった。担当者がどういった意図を持って動画を制作しているか、どのような点で難しさを感じるかについての話を聞いた後、それぞれが好きな選手を選び、自ら手を動かして動画を編集制作する。その楽しさと難しさを同時に肌で感じながら、業務に取り組んでいった。さすがはスマートフォンやパソコンに慣れた世代の女子たちであり、作業の覚えも早かった。

■これまでになかった発想や視点も

 次の「業務体験」は、ソーシャルメディア(SNS)企画・運営担当による、SNS領域。どのような仕組みで素材を手に入れ、加工し、スピード感をもって配信しているかを説明しつつ、実際にツイッターでの投稿も実施された。自分が投稿したものが各々のアカウントのタイムラインに出てくる様子を楽しんでいるようだった。

 ちなみにPLMとしても、女子や次世代ファンを増やすためにソーシャルメディアの取り組みに力を入れてきただけに、この講義は参加者からリアルな反応や意見をもらえる絶好の場でもある。昨今増加傾向にある女性ファンの欲している情報の提供を課題とするSNSスタッフにとっては貴重な機会になった。日頃からツイッターなどのソーシャルメディアを扱っている彼女たちにとっては何が響くのか、どのようなコンテンツに興味を持つのか。生の声を聞けたのは、今後のパ・リーグTVの成長にとっても貴重な機会となったようだ。

 その後、18時開始のパ・リーグ2試合を観戦しながら、参加者全員が選手名鑑を手に持ち、女子視点で魅力ある選手をスタッフとともに話す場へと移り変わっていった。いわば即席の「企画会議」。参加者と主催者側であるPLMのスタッフの意見交換の場では、男性の割合が多くを占めるスタッフからは生まれないであろう発想・視点が次々と飛び交った。スタッフは彼女らの声に耳を傾け、今後の企画の案のアイデアとしてヒントを得たのか真剣にメモを取り始めた。今後「パ・リーグTVの『女子力』が高まった」と読者の皆さまが感じる機会があるとしたら、この職業体験が一つのきっかけとなったと考えて良いかもしれない。

 今回の職業体験は、「現場」を体験してもらうことで、PLMのミッションである「新たな野球ファンを増やす」ことへつなげようと考えた取り組みでもあった。もちろん参加者にとっても有意義な時間になったはずだが、PLMにとってもファンの生の声を聞く貴重な機会となったようだ。「相乗効果」をもって取り組んでいく、パ・リーグTVの今後に期待していきたい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」新川諒●文