11月2日、いよいよ東京六大学野球は最終週を迎える。対戦カードは早大ー慶大。“華の早慶戦”だ。 慶大は今季開幕から負けなしの8連勝中。同率首位で法大と並ぶが、法大は既に全日程を消化しているため1勝でもすれば優勝となる。しかし、油断はならな…

11月2日、いよいよ東京六大学野球は最終週を迎える。対戦カードは早大ー慶大。“華の早慶戦”だ。

慶大は今季開幕から負けなしの8連勝中。同率首位で法大と並ぶが、法大は既に全日程を消化しているため1勝でもすれば優勝となる。しかし、油断はならない。相手は1903(明治36)年より数々の死闘を繰り広げてきた“宿敵”だ。

記憶に新しいのは昨秋シーズン。慶大は勝ち点を取れば優勝という条件で早慶戦を迎え、1勝し王手をかけながら3回戦で早大に逆転負け。あと一歩のところで法大に賜杯を奪われた。その悔しさを胸に、郡司主将(中日ドラゴンズ4位指名)、柳町選手(福岡ソフトバンクホークス5位指名)、津留﨑投手(東北楽天ゴールデンイーグルス3位指名)ら選手たちは厳しい練習を積み重ねてきた。

しかし、対する早大にも意地がある。現在の部員たちは誰も優勝を知らず、早慶戦に敗れ慶大の胴上げを目の当たりにするという屈辱も味わった。加藤主将は春季リーグの早慶戦を前に「早慶戦は、早稲田大学が慶應義塾大学に挑戦状を送って始まった。自分たちが始めた以上、絶対に負けられない」と語ってくれた。たとえ優勝はできなくとも、覇者のプライドにかけて勝ち点を奪われるわけにはいかない。

明治、大正、昭和、平成、そして令和へと続く宿命の対決。特に両校の4年生部員にとっては最後の早慶戦だ。意地と意地のぶつかり合い、その先に待つのは陸の王者の完全優勝か、それともー。永遠のライバルにして盟友である早稲田大学と慶應義塾大学、その戦いは新しい時代へと紡がれていく。