14年目を迎えたジャパンラグビートップリーグが8月26日に開幕。 史上初の4連覇を狙うパナソニック ワイルドナイツだが、2016-2017シーズンの初戦はヤマハ発動機ジュビロに主役の座を奪われた。9243人が詰めかけた東京・秩父宮ラグビー…

 14年目を迎えたジャパンラグビートップリーグが8月26日に開幕。
 史上初の4連覇を狙うパナソニック ワイルドナイツだが、2016-2017シーズンの初戦はヤマハ発動機ジュビロに主役の座を奪われた。9243人が詰めかけた東京・秩父宮ラグビー場で熱闘を繰り広げ、初優勝を目指すヤマハ発動機が24-21でパナソニックを下した。
 大阪ではヤンマースタジアム長居で1試合がおこなわれ、沢木敬介新監督のもと再建を図るサントリーサンゴリアスが坪井章新監督が指揮する近鉄ライナーズに14-13で逆転勝ちした。

 東京でおこなわれたビッグゲーム。
 ヤマハは得意のスクラムで王者を圧倒した。序盤の1本目から優勢となり、流れを引き寄せた。
 先制したのはヤマハだった。前半14分、ハーフウェイ付近のスクラムからショートサイドを攻め、NO8堀江恭佑からWTB中園真司につないでゴールに迫る。攻撃を重ね、15分、SO大田尾竜彦がディフェンス裏にボールを蹴り、CTBマレ・サウがインゴールで押さえた。

 パナソニックは過去2季連続ベストキッカーのCTBベリック・バーンズが4分、17分と連続でPGを失敗したのは誤算だったか。

 するとヤマハは24分、ブレイクダウンでこぼれたボールを確保して辛抱強くつなぎ、WTB中園がトライを挙げリードを広げた。フランスのトゥーロンに移籍した五郎丸歩に替わってキッカーを務めたFBゲラード・ファンデンヒーファーがコンバージョンを確実に決め、14-0とする。

 パナソニックがようやくスコアボードを動かしたのは28分で、敵陣でのマイボールスクラムで苦しんだがなんとかボールを出し、切り込んだCTBバーンズからオフロードパスを受けたルーキーのCTB森谷圭介が抜け、得点。

 しかし、ヤマハは前半終了前にスクラムでPGチャンスを得、17-7として折り返した。

 後半も強力なFWパックを擁するヤマハのペースは変わらず、48分(後半8分)、ランアウトからモールで押し込むもグラウンディングは確認されなかったが、直後のスクラムで圧倒してペナルティトライを獲得。24-7となった。

 パナソニックは57分と61分にWTB山田章仁が連続トライを挙げ3点差に詰めたが、72分にもスクラムで粉砕されて途中出場PR川俣直樹にイエローカードが出る苦しい展開となり、結局、打倒・パナソニックに燃えたヤマハ発動機が歓喜の瞬間を迎えた。

 なお、初の学生トップリーガーとなったパナソニックのSO山沢拓也はこの開幕戦に先発し、52分間のプレーでデビュー戦を終えている。

 大阪も東京と同じく残暑厳しい夏の夜。サントリー、近鉄とも汗でハンドリングに苦労した。
 互いにPGで得点を重ね、6-6で迎えた49分(後半9分)、近鉄のWTB田中優介がサントリーのNO8ツイ ヘンドリックにプレッシャーをかけて落球を誘い、攻めに転じた近鉄はNO8ジーン・クックの力走で前進、速いリサイクルで展開して敵陣22メートルライン内に入り、最後はSO重光泰昌が抜けて勝ち越しトライを挙げた(コンバージョン成功)。

 しかし、攻めあぐねていたサントリーだが、64分にPGを決めて4点差に詰める。そして72分、ラインアウトスチールからアタックチャンスとなり、SO小野晃征からのキックパスを右外にいたFL西川征克が2人のプレッシャーを受けながらもキャッチしてゴールに持ち込み、逆転トライ。これが決勝点となり、サントリーが1点差ゲームを制して白星発進となった。

 第1節の残り6試合は27日におこなわれる。