26、27日に行われたリードW杯2019第6戦印西大会。女子はキム・ジャイン(韓国)が1年ぶりの頂点に立ち、男子は清水裕登がW杯初優勝。開催国選手が最終戦を制し、今シーズンのW杯は終幕した。以下、決勝を戦い終えた選手たちのコメント一覧。


女子優勝:キム・ジャイン(韓国)
「前回優勝からかなり遠ざかっていたので、今はただただ嬉しい。7月に指のケガをして、その後の全てのW杯に出場できないと思っていた。ケガをしている期間は私にとってタフな時間だった。でも今はここにいることができてすごく嬉しい。(決勝課題について)予選、準決勝、決勝とすべてのルートが面白かった。テクニカルかつダイナミックな部分もあって楽しめた。ダイナミックムーブが必要な下部に懸念があったが、それを成功させることができたので、落ち着いて集中して登りきれた。最後のパートは少しトリッキーだったが、うまく足をおいて対処できたと思う。日本の観客の応援については毎回驚かされる。会場の雰囲気も良く、声援が力になる」


女子2位:ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)
「ファイナルはセミファイナルより簡単で、完登しないといけないプレッシャーもありその部分では難しかったが、登り自体を楽しめたのはよかった。(3年連続で獲得していた年間タイトルを逃したが)リードに対してそれほどのモチベーションを見いだせなかった部分はある。リードで勝つための情熱というか…。今年のメインフォーカスはボルダリングであり、オリンピックの出場権をかけた世界選手権だったので、リードに関してそこまでケアができていなかった。年間2位という結果について落胆している訳ではない。来年また頑張りたいと思う」


女子3位:ソ・チェヒョン(韓国)
「ファイナルはセミファイナルより簡単だったので、登りを楽しめた。ジャインと一緒に表彰台に立つことができて嬉しい。(決勝ルートで難しかったポイントは?)自分はコーディネーション系のムーブを苦手
としているので、その部分が難しかった。(年間チャンピオンになったが)初めて参戦したW杯シリーズで年間1位が取れて驚いているがすごく嬉しい。来年に向けては、岩場にも行きたいし、タイトルもまた獲得したい。自分は(五輪予選の)トゥールーズに出場できないので、東京五輪出場は難しいと思っている」


女子4位:野口啓代
「落ちる前と、その前のクリップのところでミスをしてしまい、落ちる前は下のクリップが入っていない状態でクリップポイントでミスしたことでパンプしてしまった。オブザベーションの段階ではクリップポイントまで見れなかったので、登りながらクリップの場所で迷ってしまい、焦ってしまった。(第5戦の)厦門で2位だったので、今回も表彰台に上がりたかった。残念な気持ちはあるが、今シーズンの最後に決勝を戦えて、来年に向けた良い経験ができたと思う。予選は両完登できたが準決勝で4位、決勝でも4位だった。今回は実力通りだったと思う」


女子5位:野中生萌
「準決勝の課題がじっくりジワジワいく課題だったのに対して、決勝は中間部にダイナミックなパートがあったりして比較的得意なタイプだった。ただ後半はやはり持久力勝負で、まだまだ力が足りなかった。これまでリードには苦手意識があったが、戦えるようになったらもっと楽しくなってくる感覚もある。(来シーズンに向けて)引き続きリードの強化と、スピードでミスをなくしていくこと。ケガの再発にも気を付けながら、3種目バランスよく伸ばしていきたい」


女子6位:谷井菜月
「予選、準決勝と、これまでのW杯より難しく感じていたので、決勝はどんな課題かなと思っていたが、準決勝の方が難しく感じた。力は出しきれたと思う。(今シーズンは出場全戦で決勝に進出したが)今年が初めてのW杯だったので、最初は決勝に残れるなんて想像もしていなかったのに、全部残れてとてもびっくりしている。(年間ランキング3位になったが知っていたか)…いや、まだ。びっくりです。(来年に向けては)難度の高いムーブが出ると迷ってしまい、すぐに決めきれないところがあるので、ボルダーを練習して改善していきたい」


女子8位:田嶋あいか
「もう少し上にいければ自分の得意なパートだったので悔しい。落ちたところは自分の想像と違って左手がうまくはまらず、思ったより右側にあったので上体が入りきらなかった。昔のコンペでこういった課題はなかったが、最近出てきているコーディネーション系に対応しきれなかったという感じ。私は『持って引いて』が得意なので、普段やらない動きがあって、オブザベーションのときから警戒していた」


男子優勝:清水裕登
「(今季第3戦)ブリアンソンのときに2位で悔しい思いをしたので、今回は自国開催ということで気合も入っていたし、優勝を目指して練習してきたので、結果が出て本当に嬉しい。精神的に成長した部分もあって、ルートに対して焦らず自分の力を出し切るというトレーニングや、悪い体勢のまま手を出してしまうとミスに繋がってくるので良いポジションで(ムーブを)出すというトレーニングを積んできた。その成果をうまく出せたと思う」

「国内大会よりも先にW杯で優勝するというのは、目標にしてはいたが本当にできると思ってもいなかった。でもブリアンソンで優勝まであと一手だったので、そこで自分にも優勝できる力はあるなと思えた。楢崎智亜選手など、同世代で活躍する選手たちを見て『いつか自分も』と思っていた。それでもなかなかうまくいかない時期が続いて、やっぱりダメなのかなと思うことも正直あった。そんな中で周りの方々が支えてくれて、もっと登っている姿が見たいと言ってくれたことでもう一度頑張ろうと思えた。自国開催で優勝できたことは本当に大きくて、嬉しい」


男子4位:波田悠貴
「最終課題は下の方から足が悪くてリスキーだった。中間部のジャンプするパートやクリップのミスなどもあり、力を使ってしまった。今シーズンは初戦で決勝に残れたが、そのあとが続かなかった。最終戦でファイナルに食い込めて安心できた。(清水選手の初優勝について)裕登君とはユースの頃から一緒に登ってきた仲間。同年代の活躍は刺激になるしとても嬉しい。もともと高いポテンシャルを持っていると思うし、試合に向けた調整や落ち着いた登りは参考にしている」


男子9位:楢崎明智
「(落ちたシーンについて)今までああいう場面で悪いと感じたことがなかった。すごく安易に手を出してしまった。イメージしていた強度と違った瞬間にパニックになっていた。オブザベーションの段階ではスタティックに取りに行くと思っていて、そう取りに行った瞬間にやばいと思って飛びついたら手が伸び切ってしまい、右手が押せなくて落ちてしまった。(出場が濃厚な五輪予選大会について)明日は休んで、またトレーニングを再開したい。リードの大会が続いており、スピードの練習があまりできていなかったのでそこはやっておきたい」

CREDITS

取材・文

篠幸彦、編集部 /

写真

窪田亮