第33回関東大学女子リーグ戦
早大2-0
0-2
筑波大
【得点】
(早大)20’蔵田あかり、26’小林菜々子
(筑波大)75’辻野友実子、80’保田真帆

 開幕から6戦無敗、5連勝中と好調を維持し関東大学女子リーグ戦(関カレ)首位を走るア式蹴球部女子(ア女)。この日は筑波大と対戦した。前半からボールを保持し主導権を握ると、20分にはMF蔵田あかり(スポ2=東京・十文字)がFW高橋雛(社1=兵庫・日ノ本学園)との連携で右サイドを突破。そのまま自分で持ち込みニアサイドを抜く強烈なシュートで先制点を奪う。26分にはCKをDF小林菜々子(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)が右足ボレーで沈め2点を先行するが、後半途中から流れは一変。ミスから失点し1点差に詰め寄られると、MF保田真帆(4年)にシュートを叩き込まれ同点とされる。試合はそのまま終了し、連勝は5でストップ。後半途中までは圧倒していただけに、ア女は勝ち点2を落とすかたちとなった。

 FW山田仁衣奈(スポ4=大阪・大商学園)、FW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)、DF船木和夏(スポ1=日テレ・メニーナ)の主力3選手を欠いたア女。今節は船木に代わって小林が、廣澤、山田に代わってFW土居明日香(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)、高橋が起用された。
 試合は序盤からア女のペースで進む。引いて守る相手に対してボールを握ると、7分にMF松本茉奈加(スポ3=東京・十文字)がミドルシュートを放つなどゴールに迫る。11分にはMF村上真帆(スポ3=東京・十文字)のパスを受けたMF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が遠目からゴールを狙うもこれはGKの正面に飛んでしまう。その後も攻勢を強めるア女に先制点が生まれたのは20分。右サイドのスローインを受けた高橋が頭で蔵田にスルーパスを出す。抜け出した蔵田がそのままドリブルで一気にゴール前へ駆け上がると、右サイドの角度のないところから右足を振り抜く。相手GKの左上を抜く豪快なシュートが決まり、先制に成功した。「前半はゲームプラン通りの攻撃ができた」と高瀬が語る通り、引いて守る相手に対しワンタッチパスを多用し、陣形を崩したところで空いたサイドに展開する攻撃を続け、チャンスをつくる。24分には松本のカットインからの落としを村上が直接ミドルシュートを狙うも、これは枠の上に外れる。そして追加点が生まれたのは26分。サイドを突破した蔵田のクロスはDFに防がれたものの、右CKを得る。キッカー高瀬が右足でファーサイドに送ると、小林が反応。「ミートするだけだった」の言葉の通り、右足ボレーがゴール左に決まりリードを広げた。その後も高瀬を中心にワンタッチでパスをつなぎ幾度となくチャンスをつくる。前半終了間際には高橋がペナルティアーク付近からシュートを放つが、これは相手GKのファインセーブに阻まれてしまう。相手のカウンターを受ける場面も散見されたがセンターバックを中心に落ち着いて対処し、2-0とリードして試合を折り返す。


ゴールを決め笑顔を見せる小林(写真中央)

 後半に入っても主導権を放さず、果敢にゴールを目指すア女。開始早々の47分にはDF源関清花(スポ4=ちふれASエルフィン埼玉)のクロスを松本が胸でトラップし、難しい体勢からボレーシュートを放つ。力強いシュートだったものの、クロスバーに阻まれた。後半に入ってシステムを変更した筑波大に対してさらに畳みかけるア女だったが、カウンターを受ける場面が目立ち始める。ボールを奪うと前線の裏をめがけてロングボールを供給する攻撃を徹底する筑波大に対して対応が遅れ始めると、54分にはカウンターからミドルシュートを浴びるがこれはGK川端涼朱(スポ3=東京・十文字)がセーブ。追加点を奪いたいア女は、クロスから土居、村上がシュートを打つもネットを揺らすことができない。もどかしい展開が続いた中、試合の流れは再び筑波大に。75分、DF中條結衣(スポ4=JFAアカデミー福島)のクリアミスを小林がカバーするも、川端へのバックパスが浮いてしまう。途中出場のMF辻野友実子(4年)にうまく川端と入れ替わられ、シュートを許し失点を喫する。1点差に詰め寄られたア女はその後も筑波大の攻撃に手を焼き、ボールを奪ってもなかなかパスをつなげることができない。すると失点からわずか5分後の80分に試合は再び動いた。クロスのこぼれ球を拾った保田がディフェンダーをかわし左足を振り抜く。シュートはゴール右端に突き刺さり、土壇場で追いつかれてしまう。何とか勝ち越したいア女であったが、引き分け狙いの相手に対して思うような攻撃ができないまま試合は終了した。


試合後悔しさを見せる選手たち

 同じ日に試合のあった帝京平成大は勝利を収め、暫定ながら首位から陥落した(残り試合数は早大2試合に対して帝京平成大は1試合)。「2-0は危ないという話をハーフタイムにしていましたが、そこで2点取られてしまったのは自分たちの弱さというか課題だなと思います」と話したのは村上。関カレ制覇を目指す上で痛い引き分けとなったのは明白である。帝京平成大との直接対決を残し、今週土曜日には皇后杯も始まるなど負けられない戦いが続く。「自信をもって進んでいくだけ」という高瀬の言葉の通り、自分たちのサッカーを貫き、勝利を目指す。

(記事 山崎航平、写真 稲葉侑也、永池隼人、森迫雄介、末次拓斗)


スターティングイレブン






早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK16川端 涼朱スポ3東京・十文字
DF源関 清花スポ4ちふれASエルフェン埼玉
DF小林 菜々子スポ4ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF中條 結衣スポ4JFAアカデミー福島
DF中田 有紀スポ4兵庫・日ノ本学園
MF13蔵田 あかりスポ2東京・十文字
MF10村上 真帆スポ3東京・十文字
MF◎8高瀬 はなスポ4ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
MF11松本 茉奈加スポ3東京・十文字
FW30土居 明日香スポ4ちふれASエルフェン埼玉
FW32高橋 雛社1兵庫・日ノ本学園
リザーブ:GK33近澤澪菜(スポ1)、DF27黒柳美裕(スポ2)、DF31井上萌(スポ1)、DF36ブラフシャーン(スポ1)、MF17阪本未周(スポ3)、MF19桝田花蓮(スポ2)、MF20秋山由奈(スポ4)、MF29關陽南子(文構2)、MF37吉野真央(スポ1)
◎=ゲームキャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)

コメント

MF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

――きょうの試合を振り返って

気持ち的にも、体力的にもきつい部分が多かったですが、これでも勝ち点1を取れたことをプラスに考えて次に行くしかないと思うので、反省はしっかりして次につなげたいと思う試合でした。

――きょうのゲームプランは

かなり引いて守ってくる相手ということを聞いていました。あとボールサイドにけっこう寄ってくるという分析があったので、一個飛ばしで速い展開をしながら攻撃していこうという話はしていました。前半それがうまくいったシーンが多かったのですが、後半相手が戦い方を変えてきた中で、それにうまく順応できなかったことが今回の反省点かなと思います。

――きょうはダイレクト目なプレーが多かった印象です

そうですね、そこも意識してやっていて、球離れを早く展開することが狙いでした。前半だけで見ればよかったと思うのですが、それを続けられなかったのが反省点です。

――前半から相手が引いてくる中で攻め疲れはありましたか

攻め疲れももちろんあったのですが、後半に入って2点リードしているにも関わらず前に急いでしまう場面があって、自分たちで苦しい場面をつくってしまったかなと思います。試合の全体の流れをうまく読んでプレーしなきゃいけないなと思いました。

――前半攻撃がうまくいったことで、より前がかりになってしまったのでしょうか

それもありますね。ボールを持てる時間が1人ひとり長かったのですが、それが相手の狙い目でした。もっと2点のリードをうまく生かせるんじゃないかなと思ったのですが、それが逆に裏目に出てしまいました。

――後半相手がシステムを変えて選手も代えてくる中で、うまく対応できなかった原因はどう考えていますか

一個飛ばし(のプレー)を狙おうと全体的に意識があったので、両サイドバック、サイドハーフがかなり張った状態が続いていて、横にも縦にと間延びしてしまっていて。後半相手の戦い方が変わったのに、そのまま相手にスペースを与えてしまいました。きょうだったら特にボランチ、ディフェンス間のスペースを自由に与えてしまったかなと思うので、もう少し相手の状況によってコンパクトにする判断をしたかったなと思います。

――相手に押し込まれる中、1失点目はミスからの失点でした。ここから相手に勢いを与えてしまった印象です

失点の仕方も良くなかったですし、そこでしっかり切り替えられればよかったのですが、全体的に慌ててしまって。段々体力的にも足が止まってくる場面が多かったり、2失点目は特に誰も足を出せない状態だったので、そういう時にもう少しはっきりとしたプレーを心がけていかないといけないと思います。

――同点後、得点が欲しいあまり攻撃が中央に集中してしまっていた印象です

焦りが一番大きかったですし、相手が人に強いディフェンスラインだったので、もう少し裏を見たり、サイドのスペースを使ったりというところができたらよかったのですが、そもそも2失点することが今回良くなかったので、失点しないことを今後徹底してやっていくしかないなと思います。

――試合後は長めにミーティングをされていました

失点の原因だったり、悪い流れをどう断ち切るのかといったところを確認しました。

――皇后杯も始まります。リード戦も過密日程となってきますが、今後チームにはどのようなことが必要になってくると思いますか

きょうの試合だけを見れば良くなかった部分がたくさんあったのですが、これまでのシーズンを通して自分たちは上に行っているというか成長している部分はみんなが実感しているところなので、皇后杯はいつもと違う舞台になりますが、そういうところでもいつも通り自分たちの積み重ねてきたものを出すだけだと思っています。3年生は体力的にもきついですが、チームの総力戦というところで力はついてきていると思うので、これから自信を持って進んでいくだけだと思います。

DF小林菜々子(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

――きょうの試合を振り返って

前半は落ち着いて、ボールを回し、自分たちがやりたいことをいつでもできる状態で、あとはフィニッシュの質を上げることとチャンスを増やすことが必要でした。ですが、後半は相手の前からのプレスに圧倒され、何も改善できずに終わりました。誰も、チーム全体を客観的に見れず、情けない試合でした。

――得意なセットプレーからの得点がありました

いつもは頭で合わせることが多いのですが、はな(高瀬)がいいところに蹴ってくれたので足にボールをミートするだけでした。決められてうれしいです。

――前半と変わって後半途中からは流れが相手にいってしまいました

前半が良いかたちで終われたので、そのまま後半に入ってしまい、相手の変化に対応できませんでした。相手のフォーメーションやベクトルはどこに向いているのかを全員が把握して、一人ひとりがプレーを考えて選択すべきでした。

――1失点目のシーンを振り返って

負の連鎖が重なって、情けない失点になりました。

――2失点目のシーンを振り返って

みんなの守備の足が止まってきている時にやられてしまいました。もっとプレスの強度を上げたかったです。

――相手のロングボールで裏を狙ってくる攻撃の対処について、どう評価していますか

相手のディフェンダーにボールを蹴らせるのか蹴らせないのかの意図が合ってなかった点はしっかりとコミュニケーションをとって合わせるべきでした。ハイボールの競り合いは勝ててたと思うので、セカンドボールの処理ができるポジショニングが必要だなと思います。あとはディフェンスラインでチャレンジアンドカバーできるよう連携をとっていければと思います。

――帝京平成大との勝ち点差が2と負けられない試合が続きます。また皇后杯もありますが、今後の意気込みをお願いします

相手がどこだろうとやることは変わらないので、個人個人の質を高めることと、きょうの結果を引きずらずに次を見ていきたいです。

MF村上真帆(スポ3=東京・十文字)

――きょうの試合を振り返って

前半に2点取って後半に2点取られたのですが、東洋大戦の時も同じ展開だったので2-0は危ないという話をハーフタイムにしていました。ですがそこで2点取られてしまったのは自分たちの弱さというか、課題だなと思いました。

――前半は理想的な試合展開でした

前半は相手が前から来ずに引いた守備だったので、自分らも結構自由にやれていて、その時間に2点取れたのはよかったと思います。

――逆に後半の中盤以降は相手ペースになってしまいましたが、その原因は何だと考えていますか

相手が一気に守備の時にスイッチを入れて前からキーパーまでプレッシャーを掛けてきて、本来なら落ち着いて回せばいなせるのですが、勢いに圧倒されて蹴る時間が増えてしまって、蹴った後のセカンドボールも拾えずにバタバタしちゃっていたのが原因かなと思います。

――試合中にうまく修正ができませんでした

相手のカウンターが多かったのもあって、守備の時に走らされてしまって体力を消耗していたというのと、あんまりきょうのようなベタ引きからのカウンターというチームと戦ったことがなくて、思考錯誤しながらやっていたのですが、うまく改善はできなかったです。

――攻撃時にはダイレクトプレーが多く見られましたが、何か狙いがあったのですか

相手は後ろで引いて守るのですが、スライドが遅いので、ダイレクトを使って速く回すことで相手の陣形を崩して、崩したことでサイドのスピードが生かせるっていうのを作戦として話していたので、そこは狙い通りにいったかなと思います。

――きょうの引き分けで、関カレ優勝に向けてさらに負けられなくなりました

相手も自分たちの対策をしてきているし、自分たちも相手の対策をしていて、「相手がこうだから自分たちはこうする」だけではなくて、相手がやり方を変えてきたときの対応を各自で考えて、試合中に改善していかなきゃいけないなと思います。

――来週からは皇后杯も始まりますが、意気込みをお願いします

皇后杯は普段戦うことのない相手が多いので、いい意味でいろんなチームとやるチャンスだし、上に行けば行くほど強い相手と試合ができるので、トーナメントで負けたら終わりですが毎試合戦って勝ちたいと思います。

MF蔵田あかり(スポ2=東京・十文字)

――きょうの試合を振り返って

前半は狙い通りにいきましたが、後半は相手に付き合わされて良いプレーができなかったかなと思います。

――前半の得点シーンを振り返って

前の試合で「もっと思い切ってプレーしていい」と言われたので、自分で打とうと思ってシュートしました。

相手のロングボールに付き合わされて、形勢が逆転してしまいました

ピッチの上に立っている人たちで、守備をどうするかを意識統一できていなかったのが失点につながったかなと思います。

今後は皇后杯も始まり、過密日程となります

結構試合が連続してくると思うので、コンディションを整えながら残りを考えつつ頑張っていきたいと思います。