東京六大学野球秋季リーグ戦 第7週 東大1回戦
2019年10月26日(土)
神宮球場

 負ければその時点で慶大の優勝が決まる大事な東大とのカード。打線の奮起が期待された法大は2回、8番・舩曳海(キャ4)の適時打で幸先よく先制に成功する。投げては先発・朝山広憲(法4)が今日も落ち着いた投球を見せ試合を作り、さらなる追加点を待ったが、初勝利を狙う東大先発・小林大雅も負けじと力投を見せ、試合はこう着状態に。すると、試合は2回以降最後まで動くことなく、法大が2—0で完封勝利。東大に先勝し、優勝の可能性を残したまま明日の第2戦へとつなげた。

 

戦評

 慶大戦から2週間。優勝への望みを絶えさせないためにも1試合も落とせない東大戦。打線は東大先発・小林大雅を打ち崩せず苦戦を強いられたものの、序盤に演出した好機をものにし、投手戦を制した。

 東大打線を迎え撃つはここまで防御率0点台の朝山広憲(法4)。走者を背負いながらも落ち着いて後続を断ち、副将の意地の投球を見せていく。5回、大音周平に三塁打を許しピンチを背負う場面も見られたが、大きく崩れることなく零封。6奪三振の好投で主導権を法大に手繰り寄せた。

今日も落ち着いた投球で試合を作った朝山

 一方、打線は2回裏の好機をものにする。伊藤寛士(文4)がチーム初安打で出塁すると、続く毛利元哉(法4)の打球は併殺かと思われた。しかし、決死の走りで毛利は一塁に残ると、その後盗塁を成功させ好機を演出。その後、相馬優人(営4)が申告敬遠となり場面は、2死一、二塁に。ここで打席に立ったのは今季ここまで打率1割台と苦しんでいた舩曳海(キャ4)。しかし、不調を感じさせないフルスイングが4球目を捉え、打球は右前へ。これが2点適時打となり、先制点を獲得した。

 

 2回の得点以降は小林大の前に走者を出せない状況が続くも、投手陣は先発の朝山と、朝山に代わって7回表から登板した鈴木昭汰(キャ3)が安定した投球で東大打線を寄せ付けなかった。鈴木は3イニングを全て三者凡退に抑えてこの試合を締め、2—0で勝利。投手陣の奮闘で今季4度目の完封勝利となった。

 

 なかなか安打が出ず、貧打に悩んだ今日の試合。捕手の伊藤は「投手陣はしっかり試合を作れているので明日は打撃で活躍したい」とコメント。2連勝での勝ち点獲得に意気込んだ。自力優勝が消えた今、優勝への望みを絶やさないためにも法大は東大戦2連勝が最低条件。明日も勝利し、早慶戦の結果を待つのみとしたい。

(須藤大樹)

クローズアップ:舩曳海

 先週17日に行われたプロ野球ドラフト会議。同期が喜びの声を上げるなか、『舩曳海』の名前が呼ばれることは最後まで無かった。しかし、「終わってしまったことは仕方がない」と気持ちを切り替え、自分の課題点を把握し、万全の状態で今日の東大戦を迎えた。

 2回裏、2死二塁の場面で、前を打つ相馬優人(営4)が申告敬遠。「絶対に打たなあかんな」と舩曳海(キャ4)の闘志に火が付いた。けん制間の失策で走者を二、三塁とし、東大左腕・小林大雅の投じた4球目だった。低めの変化球に反応し、放った打球は一、二塁間を抜け、右翼手の前へと転がる2点適時打に。舩曳は一塁ベース上で高々と拳を上げ、ベンチに笑顔を向けた。「打ち損じだったけれど、しっかり振り抜いた結果」と舩曳はこの一打を振り返る。その2点を投手陣が守り抜き、自身2年ぶりとなる打点はチームを勝利に導く決勝点となった。

 また、外野手責任者である舩曳は守備面での貢献も大きい。外野を守る選手やアナライザーと意見を交換し、選手によってはリーグ戦での打球傾向から割り出した『シフト』を敷くなどの徹底ぶりで、今季失策ゼロの外野陣を支えている。

 「明日は10点取って勝ちます!」。舩曳はダグアウト裏で2回戦への意気込みを熱のこもった声で語ってくれた。明日も背番号『29』が神宮のグラウンドで輝く。

(加瀬航大)

選手インタビュー

朝山広憲 副将

—試合を振り返って

今日も上手く投手をはじめとした守備で乗り切った試合でした。

—試合前の意気込みは

1敗でもしたら優勝の可能性がなくなってしまうという中、僕が第1戦の先発ということで、自分たちが先制するまでは相手に得点を与えないということ、そして、まずは試合を作らないといけないと思っているので、先頭打者を打ち取ることは心がけました。

—コンディションは

身体のコンディションは問題ないのですが、いまいちピッチングの調子が本調子の時に比べたらあまり良くなくて、試合作れたという意味ではいいのですが、まだまだ本調子ではないので、試合カードは少ないですが、この短期間でできることはやっていきたいと思います。

—本調子ではない中、今日も好投しました

特に今日はランナーがいないときから、クイックモーションを使って上手く打者のタイミングを外したり、今日打たれたヒットは全部ストレートで、東京大学さんはストレートに振り負けないというような徹底感があったので、いつもよりは多く変化球を使い、いつもとは違う配球で攻めました。

—チームの雰囲気は

悪くはないのですが、いまいちあと1本が出ていないので、少し重苦しいというかピリピリした雰囲気はあります。そういう中でも守備がエラーなく、しっかりやれているので、明日の一戦、チーム全員で戦えるように頑張っていきます。

—優勝決定戦の可能性もあります

ラストシーズンでこれが最後なので、慶応大学ともう1度プレーオフで1試合やって、そして優勝するということを僕含めて全員が思っています。明日勝たないことにはプレーオフもないので、全員で勝利をもぎ取りに行きたいと思います。

—ファンに向けて一言お願いします

優勝の可能性を信じて、最後まで温かい声援をくださりありがとうございます。おかげで、今日まで全員が頑張れています。全員優勝を諦めていないので、引き続き明日も温かい声援をお願いします。

 

鈴木昭汰 投手

—今日の試合を振り返って

今日は結構接戦だったんですけど、朝山さんがいい形でいってくれて、それをいい形でつなぐことができました。

—7、8、9回を無安打投球でした

無安打はあまり関係ないと思っていて、最後のフォアボールはもったいなかったです。まだ課題が残った試合ではあったので、それをまた明日にはしっかり完璧にできるようにやっていきたいなと思いました。

—7回には三者連続三振もあった

本当に油断できる点差ではなかったので、もう一回チームに勢いをつけるために三振とか、勢いがつけるようなピッチングを心がけた結果がそうなりました。

—今季は終盤を継投でつないでいくことが多いが監督からは

「このまま行くぞ」というふうに言っていただいたので、僕もそのつもりでいました。継投するとは自分の中で思っていなかったので普段通りいけました。

—明日の試合に向けて

プレーオフに持ち込むために明日絶対勝たなければいけないので、一戦必勝で頑張りたいと思います。

 

伊藤寛士 捕手

—今日の試合を振り返って

ピッチャー陣がしっかり抑えてくれたので良かったと思います。

—今日の投手陣の印象は

あんまり調子自体は良くなかったと思うんですけど、その中で良い球を使いながらうまく組み立てていけたかなと思います。

—今日はチーム初安打を打ちました

これまで打ててなかったので吹っ切れて、あまり考えずにいこうと思って打席に立ちました。

—東大戦に向けての調整は

いつもと変わらず、いつも通りの準備をしました。

—明日に向けて

抑えることはできているので、打線の方で活躍できればなと思っています。

 

中村迅 内野手

—今日の試合を振り返って

チームが勝てたので、とりあえずは良かったです。

—空き週はどんな調整をしたか

(東大に)2連勝しないと早慶戦の結果の意味が無いと思うので、2連勝することだけを考えて練習してきました。

—今季最終カードとなりますが、チームの雰囲気は

良い状態なので、このままキープしていきたいです。

—今日の試合ではチーム全体で3安打でしたが、どうお考えか

まずは勝つことが1番大事なので、打てなくても守りでしっかり粘っていきたいです。

—明日の意気込みをお願いします

4年生と一緒に戦う最後の試合になるかもしれないので、勝ちにこだわって頑張りたいです。

 

齊藤大輝 内野手

—今日の試合を振り返って

(リーグ戦)2打席目なんですけど、いろいろ情報を聞いて、先輩達の情報をもとに初球からいこうと思いで打席に入って、良い結果を残せたのが良かったなと思います。

—打席に入るときの心境は

1年生らしくフレッシュな気持ちで三振してもいいやという感じで、初球からどんどん振っていこうと思ってました。

—ベンチに戻った際、安本選手から声をかけられてました

ナイスバッティングと言われました。

—一塁の守備は

ファーストは何回かやったことはあるんですけど神宮の舞台に立つとちょっと緊張するなと思いました。

—全体的に緊張は

打席に入るとちょっと違った感じがして、ナイターも初経験だったので違う雰囲気だったなと思います。

—明日の試合に向けて意気込みをお願いします

明日自分ができることをやっていけたら良いなと思います。

 

舩曳海 外野手 

—今日の試合を振り返って

投手陣がしっかり抑えてくれたので、それが勝利につながったかなと思うので、野手陣はもっと頑張って明日臨めたらいいなと思います。

—空き週に取り組んだこと

バッティングがちょっと振れていなかったので、原点に戻るというかとりあえずしっかり強いスイングをするということを意識して練習に取り組みました。

—先週のドラフト会議では指名漏れ、悔しい結果となってしまいました

終わってしまったことは仕方ないので、社会人野球でできるということで、その社会人で活躍して2年後、また違った自分を見てもらえたらいいなと思います。

—試合前に選手間での共通意識などは

それまで投手陣が頑張っていたので、野手陣が奮起していこうという話はしていたんですけれど、今日ヒット3本で抑えられてしまったというのがあるので、しっかり明日打ちたいなと思います。

—2回裏、好機で打席が回ってきました

申告敬遠をその前にされたので、僕の中では「絶対打たなあかんな」と思って打った結果がヒットになってくれたので良かったなと思います。

—適時打を放った時の感触は

ちょっと打ち損じた感じだったんですけれど、しっかり振った結果が(一二塁)間に抜けてくれたので良かったなと思います。

—この適時打での打点は、実に2年ぶりとなる打点となりました

そうなんですか(笑)。確かにチャンスで全然打っていなかったので、久しぶりのチャンスで打てたなという感じですね。

—秋季リーグ開幕時と比べて、現在の調子

調子は自分の中ではあんまり分からないですけれど、ボールは見えているかなと思うので、しっかりストライク、ボール見極められているかなと思います。

—外野手が固定されて、守備の連係も取りやすくなっていると思います

リーグ戦の試合前に、ミーティングで打球方向とかをアナライザーの人が教えてくれて統一意識をしています。それが結構いい結果、シフトを敷いたところにボールが行ったりしているのでそれは良いかなと思います。

—明日に向けて

さっき(BIG6TVの)ヒーローインタビューでも言ったんですけれど、明日10点取って勝ちます!

 

フォトギャラリー

6回無失点の好投で勝ち投手となった朝山
チーム初安打を放った伊藤
盗塁を成功させ、好機を演出した毛利
決勝打を放った舩曳
小林大の前に三振に倒れ、苦笑いを浮かべる相馬
3イニングを完璧に抑えた鈴木
今季初のベンチ入りを果たした齊藤大は代打で二塁打を放ち、結果を残した
朝山(右)と鈴木の好投で今季4度目の完封勝利。優勝の可能性を残し、明日につなげた