10月26日の土曜日に順延となった日本初開催のアメリカPGAツアー、ZOZO CHAMPIONSHIP(10月24日~27日/千葉県・習志野CC)の2日目は、大混乱の一日となった。 上空は真っ青の晴天ながら、前日に降った豪雨により、コース…

 10月26日の土曜日に順延となった日本初開催のアメリカPGAツアー、ZOZO CHAMPIONSHIP(10月24日~27日/千葉県・習志野CC)の2日目は、大混乱の一日となった。

 上空は真っ青の晴天ながら、前日に降った豪雨により、コース上のくぼみに雨水が溜まり、コース内にある池の水かさも増していた。およそ2万人にのぼるギャラリーの来場が予想されたが、安全を第一に考慮し、無観客試合に。スタート時刻も二転三転した。

 初日、首位に立ったタイガー・ウッズと1打差の5アンダー、単独3位で終え、中止となった金曜日は「ホテルでゆっくり過ごした」という松山英樹も、コースに到着するなり、目の前に広がる光景に言葉を失った。

「昨日、いろんな情報で10番(ホール)がすごいことになっていると聞いていたんですが、朝来て、さすがにびっくりしました。あれを見たら、(無観客試合も)仕方ないと思います」

 松山にとって、スタートホールとなったその10番パー4は、左サイドにある池が大雨であふれ、フェアウェーの一部が水没。スタート時刻となっても水は引かず、ティーグラウンドは大きく前方へ。約140ヤードのパー4(本来は376ヤード)というPGAツアー史上、前例のないほど短いミドルホールとなった。

 このセッティングであれば、プロゴルファーにとってはチャンスホールだ。松山は、それを見事にものにする。一打目をピン奥につけると4mのスライスラインをねじ込み、イーグルを奪取。単独トップに躍り出た。

「(140ヤードのパー4と言えば)小学生以来じゃないですか(笑)。普通のパー3、パー4のセカンドと思って打てば、何も変わらない。スタートホールでいいパットが入って、そのあとは楽にプレーできたと思います」

 14番パー5でもバーディーを奪い、通算8アンダーに伸ばして折り返す。



観客がいないなかでも、きっちりスコアを伸ばした松山英樹

 初開催の今大会は、松山やタイガー、ロリー・マキロイらトップ選手が集結したこともあって、平日の初日から約1万8000人を超える大ギャラリーが詰めかけた。これにはタイガーも、「日本は久々だし、この応援は待ち遠しかった。日本のファンは常にすばらしい形で日本のゴルフを支えている」と称賛したほどだ。

 そして松山も、初日の好発進に「ギャラリーの方々の力じゃないですかね」と語った。

 初日とは対照的な、殺風景な無観客で行なわれた2日目は、松山自身の力でチャンスをものにした1日と言えた。ドライバーが大きく左右にぶれたシーンもあったが、最終的に1イーグル、2バーディー、1ボギーの「67」、トータル8アンダーでホールアウトした。

「プライベートのラウンドみたいな感じでした。(違うのは)一緒に回る人がすごいレベル(の高いゴルファー)というだけ(笑)。

 後半は伸ばせなかったけど、悪いプレーではなかった。パターに関しては、よくも悪くもない。ギャラリーがいなくて、寂しい気持ちはありましたけど、明日、せっかく応援に来てくれたのに、(そこで自分が)微妙な位置からスタートするよりはよかった」

 首位を走るタイガーとは4打差の3位タイ。36ホールを終えただけだが、初代王者の称号はホスト国出身のゴルファーとして手に入れたいだろう。

「いいプレーをすることが、日本のみなさんの元気につながる。がんばりたい」

 2017年8月のWGCブリヂストン招待以来となる米ツアー6勝目が、松山の視界には入っている。