「ATP1000 上海」で優勝したロシアのナンバー1選手ダニール・メドベージェフ(ロシア)は、その翌日に彼の生まれ故郷であるモスクワの空港に降り立ち、待ち構えていたテニスボールや帽子にサインをするファンサービスをしたと、米スポーツウェブメディアのYahoo! Sportsが報じている。

一時は低迷していたロシアのテニスは、自己最高の世界ランキング4位を記録したメドベージェフを筆頭に、次世代の男子選手たちの活躍で再度盛り上がりを見せている。長時間のフライトで疲れていながら「コーヒーを飲んで乗り切った」と言ってファンとの写真撮影に応じたメドベージェフ。フランス通信社の取材に対しても「ロシアからはたくさんの応援をもらって、感謝しているよ。ソーシャルメディアや友人から、多くの声援が届いているんだ。僕の友人の多くはロシア人だからね」と答えた。

ファンも彼の影響力の大きさを称賛しており、「一番大きいのは、メドベージェフのお陰でテニスの人気が上がっていることです」と19歳の学生Daniil Trefilovくんは話す。しかし、地元モスクワで開催された「ATP250 モスクワ」でメドベージェフを観るというTrefilovくんの希望は、メドベージェフが疲労により大会を棄権してしまったため残念ながら叶わなかった。

メドベージェフのロシア人ファングループを率いるDavid Umarkhadzhiyevさんは、「彼の試合に魅了されている」と話し、メドベージェフのプレースタイルを絶賛。「マラト・サフィン(ロシア)やエフゲニー・カフェルニコフ(ロシア)以降、ロシアのテニスは低迷していました。長いこと活躍する男子選手はいなかったのですが、ここ1~2年で突如としてメドベージェフや、カレン・ハチャノフ(ロシア)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)が台頭してきたんです」と続けた。

メドベージェフ、ハチャノフ、ルブレフの3人はロシアのトップ3だ。メドベージェフは「僕たち3人は素晴らしい競争相手なんだ。お互いに切磋琢磨しあっているよ」と、健全なライバル関係を築いていることを語っている。ロシア語に加えて、流暢な英語とフランス語を話すメドベージェフ。日焼けした肌で、リラックスした面持ちの彼だが、時々疲れた表情も見せる。

他のロシア人選手とのライバル関係に加えて、メドベージェフはビッグ3と呼ばれるラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の、男子テニス界を支配しているといっても過言ではないベテラン選手に立ち向かっている。メドベージェフは「彼ら(ビッグ3)は他の惑星から来ているとしか思えないほど、本当に強いんだ。でも、僕たちは最善を尽くして彼らにぶつかっているよ」とコメント。

ビッグ3のようなベテラン選手を倒せるほどのメンタル面の強さを若手選手たちは持ち合わせていないという、ボリス・ベッカー(ドイツ)を始めとした解説者たちの言葉に、メドベージェフが気を取られることはないようだ。「僕はただ頑張って練習を重ねて、毎日上達して常にベストのプレーをすることでトップを目指すだけ。その努力が実を結べば最高に嬉しいし、そうでなくても、最善を尽くしたってことは自分が分かっているよ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP1000 上海」でのメドベージェフ

(Photo by Lintao Zhang/Getty Images)