写真:左から朱雨玲(中国)、劉詩雯(中国)、馮天薇(シンガポール)/提供:ニッタクニュース<2019女子ワールドカップ(成都) 2019年10月18日~20日>18日から中国の成都で行われている女子ワールドカップは20日で最終日を迎えた。大…

写真:左から朱雨玲(中国)、劉詩雯(中国)、馮天薇(シンガポール)/提供:ニッタクニュース

<2019女子ワールドカップ(成都) 2019年10月18日~20日>

18日から中国の成都で行われている女子ワールドカップは20日で最終日を迎えた。大会最終日には準決勝と3位決定戦、決勝が行われた。

朱雨玲(ジュユリン・中国)と劉詩雯(リュウスーウェン・中国)の同士討ちとなった決勝は劉詩雯が4-2で勝利し、女子ワールドカップを制した。劉詩雯は世界選手権との2冠を達成、世界選手権・ワールドカップ・五輪を制することで手に入れられる称号・大満貫に王手となった。

決勝の前に行われた3位決定戦では馮天薇(フォンティエンウェイ・シンガポール)がチャン・リリー(アメリカ)に勝利し、銅メダルを獲得した。

女子ワールドカップ 準決勝結果




写真:チャン・リリー(アメリカ)/提供:ニッタクニュース

準決勝の1試合目は、今年T2ダイヤモンド・マレーシアを制し好調をキープする朱雨玲と準々決勝で石川佳純(全農)に勝利した馮天薇。石川にフルゲームで勝利した勢いをそのままに馮天薇が朱雨玲に対し、競った場面でもフォアで攻めて点数を重ね、2-1とリードした。しかしながら朱雨玲がバック対バックの展開からミスのない両ハンドで攻め3ゲーム連取し、逆転。ゲームカウント4-2で朱雨玲が馮天薇を下した。

準決勝の2試合目は、世界卓球女王のと平野美宇(日本生命)、ソフィア・ポルカノバ(オーストリア)を連破したチャン・リリー。チャン・リリーは平野にも有効だったフラット系のボールで点数を取る場面もあったものの、劉詩雯のボールに対しミスが目立ち0-4のストレート負けを喫した。劉詩雯は淡々と点数を重ね、女王の貫禄を見せつけた結果となった。

女子ワールドカップ 3位決定戦結果




写真:馮天薇(シンガポール)/提供:ニッタクニュース

準決勝で敗れた馮天薇とチャン・リリーの対戦となった3位決定戦は馮天薇が4-1で勝利し、銅メダルを獲得した。

試合は前陣からフラット系打法でカウンターを狙うチャン・リリーに対して、馮天薇は中陣からドライブでの粘りや相手の待ちを外すコース取りなどベテランらしいプレーを見せ3ゲームを連取。

後のなくなったチャン・リリーはバックを合わせるだけでなく積極的にドライブで攻めていき、馮天薇のミスもあり1ゲーム取り返す。5ゲーム目もチャン・リリーが攻めの姿勢を見せ5-1とリード、10-7とゲームポイントを握る。しかしながら馮天薇もしのぎ切りデュースに突入。お互い持ち味を出したものの最後はミスのなかった馮天薇が逆転し、ゲームカウント4-1で勝利した。

女子ワールドカップ 決勝結果




写真:朱雨玲(中国)/提供:ニッタクニュース

決勝は朱雨玲と劉詩雯の中国勢対決となった。朱雨玲がレシーブからフリックで劉詩雯のフォア側を攻め、ラリー戦も制し大差で1ゲーム目を先取する。

2ゲーム目は劉詩雯もレシーブでのフリックからの速攻などで点数を重ね、最後はフォア側へのロングサーブで取り返す。3、4ゲーム目も接戦となるものの劉詩雯が朱雨玲のバック半面にボールを散らしミスを誘う戦術が功を奏し連取、優勝まであと1ゲームとする。

5ゲーム目は朱雨玲がバックのミスを修正し、劉詩雯のコースが単調となるやフォアで攻めて点数を重ね、1ゲーム取り返す。6ゲーム目はお互いがバック対バックから相手のフォアを攻める展開を狙う。バック対バックでも甘くなると回り込み、ストレートが甘くてもカウンターを食らうというラリーの中、最後は劉詩雯がバック対バックから朱雨玲のフォアを抜き、ゲームカウント4-2で勝利、女子ワールドカップを制した。

劉詩雯が大満貫を達成するには中国国内の熾烈な代表争いを突破し、五輪シングルスの枠を獲得する必要がある。今後行われるT2ダイヤモンドやITTFワールドツアー・グランドファイナルの結果が五輪レースに大きな影響を与えるのは間違いない。日本女子の争いにも注目だが、日本女子がメダルを獲得するためにも中国女子の争いからも目が離せない。

文:ラリーズ編集部