2020年東京大会を見据えた目標は『過去最高の6位』小さな女子日本代表が大きな相手に立ち向かいながら、勇気と感動を与えてくれたオリンピックは閉幕。アメリカとの準々決勝は、民放テレビオリンピック公式動画サイトgorin.jpにて今なお何度も見…

2020年東京大会を見据えた目標は『過去最高の6位』

小さな女子日本代表が大きな相手に立ち向かいながら、勇気と感動を与えてくれたオリンピックは閉幕。アメリカとの準々決勝は、民放テレビオリンピック公式動画サイトgorin.jpにて今なお何度も見返しており、その度に涙してしまう。

オリンピックは終わったが、スポーツの祭典はまだまだ続く。次はパラリンピックが日本時間9月8日に開幕する。

パラリンピックには車椅子バスケットボール男子日本代表が出場を決めており、8月24日(水)から国内最終合宿を千葉ポートアリーナでスタートさせた。コートに入ってきた選手たちの表情は明るく、リラックスした印象を受ける。ロスター12人中5人がロンドンパラリンピックを経験しており、そのうちキャプテンの藤本怜央、藤井新悟、宮島徹也は北京大会から3度目となる「常連」だ。

及川晋平ヘッドコーチは「過去最高位となる6位以上」をリオ大会での目標に据えた。メダルへの挑戦を掲げた女子日本代表みたいに景気の良いことを言ってほしいという声もあるだろう。だが、1976年トロント大会以来11回連続出場中の車椅子バスケットボール男子日本代表の場合は事情が違う。

これまでの最高位は1988年ソウル大会と、2008年北京大会の7位である。飛躍したかったロンドン大会には9位へ転落。「世界の中から取り残されているという現実を受け止めて、そして足元を見据えてちゃんと着地すること」を及川ヘッドコーチは考え、これまで為し得ていない6位に上がることを先決としている。

世界一を決めるパラの舞台で、どう勝ち上がっていくか

及川ヘッドコーチはこれまでの戦績を分析しながらシミュレーションした結果、「緻密さ」と「和」を日本の武器とすべく強化してきた。緻密な戦略を立て、技術面の精度や巧みさをコートで表現し、日本人の得意とする自己犠牲を突き詰めたチームワークこそが海外に優る力となる。それを女子日本代表がオリンピックですでに示し、結果として表れているのは心強く、自信になるはずだ。

6位を目標にしながらパラリンピックを勝ち上がるプランも、及川ヘッドコーチらしく緻密な戦略と言える。上位8チームが進出できる予選ラウンドを勝ち抜かなければ、その時点で目標は絶たれてしまう。また、オリンピック同様に予選ラウンドの勝率等で5位から8位が振り分けられる。オリンピックの場合は、準々決勝で敗れた瞬間に大会を退くこととなった。だが、車椅子バスケの場合はそこで決められた順位で5位決定戦と7位決定戦だけを行う。つまり、5位か6位になれるだけの勝率や得失点差をキープしておかねばならない。

なるべく上位ポジションでの準々決勝進出に照準を合わせる。そこで勝ってメダルマッチに進むことを全員が目指しているところであり、そのためにも少しでも順位を上げておく必要がある。もし準々決勝で敗れても、あと1勝を手にするために士気が下がることなく、最低限の目標である6位に向かって突き進むことが可能だ。及川ヘッドコーチのリオでの計画は、東京パラリンピックでさらに上を目指すための布石となる。

予選ラウンドのスケジュールは決まっており、初戦の相手は2015年世界選手権の銅メダリストであるトルコ戦からスタート。続くスペインも同大会4位の強豪であり、最後に控えるオーストラリアは現世界チャンピオン。7月に行われた海外遠征時、日本はオーストラリアを相手に41-51と敗れはしたが勝負することはできた。パラリンピックでも対戦するオランダ(○58-38)とカナダ(○57-41)には勝利しており、期待が高まる。

女子日本代表に続き、地球の裏側から熱狂が届くのを心待ちにしながら、車椅子バスケットボール男子日本代表を応援し、パラリンピックを楽しもう!

パラリンピック 試合スケジュール

グループAスペイン・オーストラリア・カナダ・トルコ・オランダ・日本グループBブラジル・イラン・アメリカ・イギリス・ドイツ・アルジェリア

9月 8日(木)AM3:45~ vsトルコ9月 9日(金)AM3:45~ vsスペイン9月10日(土)AM9:00~ vsオランダ9月11日(日)AM9:00~ vsカナダ9月12日(月)AM1:30~ vsオーストラリア9月14日(水)準々決勝9月15日(木)準決勝9月16日(金)決勝・順位決定戦※試合時間は日本時間

背番号名 前Pos.所属チーム持ち点
パラリンピック リオ大会車椅子バスケットボール男子日本代表メンバー
0鳥海連志G佐世保WBC2.0
2豊島英G宮城MAX2.0
3土子大輔C千葉ホークス4.0
4藤本怜央C宮城MAX4.5
10宮島徹也PF富山県WBC4.0
11藤澤潔SG埼玉ライオンズ2.0
13千脇貢PF千葉ホークス2.5
15藤井新悟G宮城MAX1.5
18永田裕幸SG埼玉ライオンズ2.0
24村上直広C/F伊丹スーパーフェニックス4.0
31石川竹則Gパラ神奈川SC1.5
55香西宏昭GNO EXCUSE3.5