スパーズ黄金期を支えた『提督』が現実的問題を説くスパーズで2度の優勝(1999年、2003年)に貢献し、引退後はバスケットボール殿堂入りを果たしたデビッド・ロビンソン。海軍士官だった経歴を持ち、現役時代には『提督』の愛称で人気を誇った彼は、…
スパーズ黄金期を支えた『提督』が現実的問題を説く
スパーズで2度の優勝(1999年、2003年)に貢献し、引退後はバスケットボール殿堂入りを果たしたデビッド・ロビンソン。海軍士官だった経歴を持ち、現役時代には『提督』の愛称で人気を誇った彼は、『スーパーチーム』と化したウォリアーズについて、「短命」と語った。
『Complex』の取材を受けたロビンソンは、スーパーチームを維持する難しさを説いた。
「スーパーチームが機能するには時間が必要だ。レブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュの時だって、1年から2年は必要だった。それでも、彼らが一緒にプレーした時期は短かった。だからウォリアーズのようなチームができたとしても、全員を残留させるのは不可能だから、短命に終わる。それに、チームを機能させるのは皆が思うほど簡単ではない」
またロビンソンは、ウォリアーズがデュラントを獲得するため、ロールプレーヤーを数名放出したことを問題視している。つまり、シーズン序盤はケミストリーの構築に苦労すると見ているのだ。
スーパーチーム結成による批判は止まないが、ロビンソンはただ現実的な意見を述べているだけだ。リーグの収入増加に伴い、NBAのサラリーキャップは年々増加していくだろうが、カリー、デュラント、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンの全員が納得できるだけの年俸を支払うことは不可能だ。
ジェームズ、ウェイド、ボッシュのケースは、3者ともに年俸の減額を受け入れて誕生したチームで、結成1年目から4年連続してファイナルに進出し、2連覇を果たした。当時のヒートに浴びせられた批判もすさまじかったが、新生ウォリアーズにかかる期待と重圧のレベルはその比ではない。
もし本当に短命で終わるのであれば、できるだけ大きくて派手な『打ち上げ花火』を見たいものだが、ロビンソンが指摘するように、その準備段階でつまずく可能性もないわけではない。作り上げた大型船がきちんと航海できるかどうか、ヘッドコーチのスティーブ・カーを含むコーチングスタッフの腕の見せどころである。
デュラントとカリー、またトンプソン、グリーンとの共存が懸念材料のウォリアーズ。ロビンソンが提唱するようにケミストリーの構築に苦労するようでは王座奪還というミッションが危ぶまれるかもしれない。