10月20 日(日)、ラグビーワールドカップ準々決勝3戦目、直近の世界ランキング2位のウェールズが、同8位のフランスと大分スポーツ公園総合競技場で対戦。欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」のライバル対決が行われた。

ウェールズはプール戦を4戦全勝で勝ち上がった。前日練習では持ち味の防御の役割を確認。プールDの4試合で5トライを挙げているWTBジョシュ・アダムズら切れ味鋭い攻撃陣にも期待がかかる。

フランスはプール戦では苦戦。アルゼンチン、トンガ戦では2点差での勝利となったが、接戦をものにする勝負強さがある。イングランドとのプール最終戦が台風の影響で中止となり、準備期間は十分だ。No.8ルイ・ピカモールの「練ってきた戦略を見せたい」との言葉が現実となる。

互いのプライドがぶつかり合った伝統国同士の一戦は、序盤から一つひとつのプレーに魂がみなぎる。赤い竜のウェールズとレ・ブルーのフランス、赤と青のユニフォームのコントラストが明確だった。

開始5分、フランスは敵陣5mラインでラインアウトからモールで押し込み、トライ。ウェールズの十八番を奪うような攻撃で0-5と先制する。この得点で勢いづいたフランスは自分たちのスタイルを展開する。

フランスは前半8分、タックルを受けても次から次に現われてボールは動き続ける。CTBビリミ・バカタワが巧みなステップで中央を突破し、オフロードパスからSOロマン・ヌタマック、SHアントワーヌ・デュポンがパスをつなぎ、最後はFLシャルル・オリボンがトライ。ゴールも決まり0-12と最高の立ち上がりとなる。

しかし、今年のシックス・ネーションズで全勝優勝したウェールズに焦りはなかった。組織的な防御でプレッシャーをかけ続け相手ミスを誘う。前半12分、密集からこぼれ球を拾ったFLアーロン・ウェインライトがそのまま独走しトライ。SOダン・ビガーがゴールを決めて7-12とする。慌てずに自分たちのラグビーに徹すると、前半19分にはSOビガーがPGを決め、10-12と2点差まで追い上げる。

ただ、この日のフランスはこれまでと違った躍動感があった。前半30分、22mラインの内側に入ってからテンポよく攻める。空いたスペースに次々と入り込み、WTBダミアン・ピノーがタックルを受けならがもパスをつなぎ、CTBビリミ・バカタワが中央にトライ。ゴールも決まり10-19とリードを広げた。

後半に入ってからもフランスの勢いは続いたが、9分に一気に形勢が逆転する。LOセバスチャン・ヴァアマイナが密集の中で相手選手に肘が入り、一発退場。残り時間30分以上、数的不利の状況での戦いを強いられた。

追いかけるウェールズは1人少ない相手にセットプレーで圧力をかけミスを誘うと、後半14分にSOビガーPGでの13-19と点差を詰め、1トライ1ゴールで逆転できる状況を作り、さらにプレッシャーをかける。

後半34分、ウェールズはラインアウトからドライビングモールでゴールラインに迫る。痛恨のノックオンでチャンスを潰したかに思われたが、スクラムで相手ボールを奪い返し、そのままトライ。キックも決まり20-19で逆転する。

追い込まれたフランスを尻目に、ウェールズはモールで時間を使い、最後はSOビガーが外に蹴り出し試合終了。一進一退の攻防を制し、ウェールズは2大会ぶりの3度目のベスト4進出を決めた。10月27日(日)に横浜国際総合競技場で日本と南アフリカの勝者と対戦する。

試合後にウェールズのウォーレン・ガットランドHCは、「今日はうちよりも良いチームが負けた。レッドカードはかなり響いた」と敗者を賞賛し、自軍の選手に対しては「最後まで諦めず、しっかりハードワークも積み上げてきた結果の勝利」と胸を張った。

キャプテンのLO アラン・ウィン・ジョーンズは「フィジー戦と同じようにスローな入りになったのが残念だ。それでも後半は我々の持ち味を出せたかなと思う。セットピースでは上回れた。セットプレーは自分たちに分があることを知っていた。陣地のアドバンテージを取りにかかり、それができた。コンタクトエリアでもしっかり戦えた。これから取り組むことはまだ多くあるが、とにかくこの結果がうれしい」と振り返った。

◇フランスが持ち味を発揮するもレッドカードが響き逆転負け

かつてはシャンパンラグビー、現在はフレンチ・フレアと称されるフランスの華麗な攻撃が、この試合でようやく弾けた。試合開始早々から空いたスペースに次々と入り込み、タックルを受けても次から次に選手が現われてボールを動かす。

前半8分に魅せた攻撃は圧巻だった。巧みなステップで中央を突破し、タックルを受けならがもパスをつなぎトライ。同30分にもオフロードパスから複数のパスが華麗につなぎ観客を魅了した。選手が湧き出る様子はシャンパンの泡のようだったが、最後までレッドカードが響き無念の敗戦となった。