先日「ATP1000 上海」準々決勝でロジャー・フェデラー(スイス)がアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に敗れた。その試合中、フェデラーがスポーツマンらしからぬ行為をしたとして、コードバイオレ…

先日「ATP1000 上海」準々決勝でロジャー・フェデラー(スイス)がアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に敗れた。その試合中、フェデラーがスポーツマンらしからぬ行為をしたとして、コードバイオレーションならびにポイントペナルティを科せられるという、同選手にとってはかなり珍しいことが起こった。

試合後の記者会見で、この審判の判断に対し不服であった理由を尋ねられたフェデラーは、その質問をした記者に対して苛立ちを隠さず、返答することを拒否した。これにニック・キリオス(オーストラリア)がSNSで反応し、フェデラーに称賛を送ったと、英ウェブメディアのEssentially Sportsが報じた。

フェデラーは、前述の質問に対し「君がTwitterに投稿するために説明しろって?断るよ。いいことを書こうとする方がいいんじゃないかな?試合について書くのもいいことだよ。で、次の質問は?」と発言。これについてキリオスは、Twitterで「キングがお話しになられたぞ!(記者たちは)常にネガティブな面を見つけようとする。ネタが大きければ大きいほど、金になるってことだろう。ロジャー、あんたは間違いなくレジェンドだよ!(笑)」と記者会見の映像とともに投稿した。

フェデラーは試合中、第2セットで苛立った際に観客席に向かってボールを打ち上げ、コードバイオレーションを科せられた。その後、第3セットでも0-3とリードを許した際に、苛立ったフェデラーはまたもボールを観客席に放って、2度目のコードバイオレーションを言い渡され、ポイントも失うことになった。

「ポイントペナルティは今日起こったことの1つに過ぎないし、それによって勝敗が変わったわけではない。負けてはいたけれど、そのゲーム自体は取ったのだから。僕はズベレフに負けたのであって、審判に負けたのではない」と、フェデラーは記者会見で語った。

世界28位のキリオスは「ATP250 珠海」1回戦で敗退して以降、鎖骨の怪我により残りのアジアシーズンをすべて欠場し、現在もツアーから離脱している。アジアシーズンの欠場を発表した直後には、ATPから6カ月の執行猶予が付いた出場停止と罰金を科せられている。その原因となった試合中のスポーツマンらしからぬ行動と、ATPを「腐敗している」と批判した発言は、ATPの規約内にある「Player Major Offense=選手による重大な違反」の条項により“悪質な行為”とみなされ、処分が下った。

(テニスデイリー編集部)

※写真はフェデラー(左)とキリオス(右)

(Getty Images)