第4週の東大戦において今季初めて1回戦を先取した早大。そのまま連勝を収め、明大戦に続き2カード連続で勝ち点を獲得した。わずかに残った優勝の可能性を維持するには、今カード立大戦で連勝を挙げることが絶対条件。立大を撃破し、勢いそのままに早慶戦…

 第4週の東大戦において今季初めて1回戦を先取した早大。そのまま連勝を収め、明大戦に続き2カード連続で勝ち点を獲得した。わずかに残った優勝の可能性を維持するには、今カード立大戦で連勝を挙げることが絶対条件。立大を撃破し、勢いそのままに早慶戦へ向かうことができるか。

 開幕から4連敗を喫し優勝戦線から一気に脱落した立大だが、粒ぞろいの投手陣が早大打線の行く手を阻む。第1先発は卓越した制球力を誇る田中誠也副将(4年)が担う。最優秀防御率のタイトルを2度獲得した左腕は今季も好調を維持。第2先発の手塚周(4年)も、力のある直球とキレのあるチェンジアップを武器に防御率1.32と好投を見せている。また救援の中﨑響介(3年)は春秋で10試合に登板し、わずか1失点と抜群の成績を残している。アンダースローの中川颯(3年)も待機する個性派ぞろいの投手陣。特徴を全面に生かした継投策で早大を封じ込めにかかるだろう。

絶対的エース田中誠が稲穂打線を迎え撃つ

 一方の打線は、長打力を備えた選手が目立つ。3番・太田英毅(2年)は打率こそ低いものの東大戦では三塁打、2点適時打を放ち徐々に調子を上げてきた。さらに4番・山田健太(1年)はここまで打率4割1分2厘とリーグトップの打撃成績。山田の前に走者を置かないことが重要となるだろう。山田の後ろを打つ江藤勇治(4年)も昨秋に早川隆久(スポ3=千葉・木更津総合)からサヨナラ本塁打を放っており、警戒を強める必要がある。

ルーキーながら頼もしさあふれる4番・山田

 立大打線を迎え撃つのは、早川と徳山壮磨(スポ2=大阪桐蔭)の二枚看板だ。早川は先日の登板で現役選手3人目となる通算150奪三振を達成。第2先発を務める徳山は、東大2回戦において自身初となる完投完封勝利を挙げた。先発陣からバトンを受け取る今西拓弥(スポ3=広島・広陵)、西垣雅矢(スポ2=兵庫・報徳学園)、柴田迅(社3=東京・早大学院)ら救援陣も安定感が光っている。最少失点で打線の奮起を待つことができるかが勝敗を分ける鍵になりそうだ。

先発の地位を確立した徳山

 一方の打撃陣。明大戦、東大戦では好機を紙一重でものにしてきた。今季好成績を維持している田口喜将(商4=東京・早実)を筆頭に、少しずつではあるが打撃陣全体に火が付いてきている。東大1回戦では『ここぞの一打』に重点を置いてきた福岡高輝(スポ4=埼玉・川越東)が決勝打を放つなど、クラッチヒッターにも待望の一打が出た。加藤雅樹主将(社4=東京・早実)や檜村篤史副将(スポ4=千葉・木更津総合)も含めたクリーンアップの奮起が待たれる。

 第4週を終えた時点で優勝争いをリードするのは勝ち点3を確保している慶大、法大の2校。勝ち点2の早大はこの背中を追う位置にあるが、状況はかなり厳しい。もはや1敗も許されない中であるが、ロースコアの展開でもじっくり焦らず好機を待ち、確実に得点へと結び付けたい。東京六大学秋季リーグ戦もいよいよ大詰めを迎える。最終週の早慶戦へ良い流れをつなげられるよう、今カードを乗り越える。

(記事 柴田侑佳、写真 石﨑開、山田流之介、今山和々子)