テニス界の生きる伝説、ロジャー・フェデラー(スイス)。通算102タイトルを獲得し、38歳になった今シーズンも3度優勝、世界ランキングは3位と、いまだトップレベルを維持し、世界中のテニスファンを…

テニス界の生きる伝説、ロジャー・フェデラー(スイス)。通算102タイトルを獲得し、38歳になった今シーズンも3度優勝、世界ランキングは3位と、いまだトップレベルを維持し、世界中のテニスファンを魅了し続けている。20年以上プロを続け、何度も栄冠に輝きながらも意欲を持ってテニスに取り組めている理由について、「良いチームや家族や友人に囲まれていること」「プレーし過ぎて燃え尽きないこと」を挙げているとTennis World USAが報じている。

フェデラーは1998年にプロに転向し、2004年2月に初めて世界1位の座についた。2004年からの3年間だけで、34個のタイトルを獲得し、2009年には「全仏オープン」を制して生涯グランドスラムを達成している。さらに2018年5月には最年長で世界1位の座に舞い戻った。

そのフェデラーはどうやって意欲を保っているのかという質問に対し、こう答えている。

「いつもそうだという気もするし、そうでないかもしれない。でももちろんテニスを楽しいものにしたいとは思っています。落ち込んでいる時には自分を励ましてくれるような良いチームに囲まれていることが大事だと思います。適切な人たちと練習し、一緒にいて楽しい人たちと生活を共にすることですね。それから多分僕の場合は、プレーはするけれど、しすぎて燃え尽きないようにもしているかな。テニスをするのがとにかく大好きで、テニスと共に生きてきました」

テニスが大好きであることはもちろんとして、「良いチームや家族や友人に囲まれていること」、「プレーし過ぎて燃え尽きないこと」を挙げている。

フェデラーは他の選手と比べると、出場大会数を絞っている。体力の回復を優先していることや、それでもランキングを維持できる強さがあることも一因としてあるが、家族や友人と過ごすプライベートの時間を取るためということも大きな理由として挙げられるだろう。

プロテニス選手はスケジュールがハードで、1年のうち、選手によっては約11ヵ月がオンシーズン。さらに世界中を転戦するため、移動もハードだ。一年間フルで出場し続けると、練習や移動なども含めるとほとんど休みがない。

怪我などで長期休養を余儀なくされることもあるが、それについてもフェデラーは以前別のインタビューで「何年もフルシーズンで戦っている選手が長期休暇を取る場合、身体を修復できるし、精神的にも落ち着くことができる」「プレッシャーに対しても冷静に扱えるし、見えなかったものが突然鮮明になることがあるんだ」とポジティブに捉えたコメントをしている。

プレーし過ぎず、休暇を適度に取って、良い仲間たちとプライベートを充実させることで、長く意欲を保てるのかもしれない。

また、今年の「ウィンブルドン」以前のインタビューでも、フェデラーは「達成すべきことはまだたくさんある」「"ウィンブルドン"でまた勝つためのポイントは何か?まさにそれこそがポイントだ。あそこでトロフィーを掲げたいし、マッチポイント前の鳥肌を通り抜けて、自分のチーム、国、自分自身に、僕がまだどれだけ良いかを示そうとしてるんだ」と意欲あるコメントをしていた。

その今年の「ウィンブルドン」ではチャンピオンシップポイントを握りながらも準優勝に終わったが、それだけに来年に対しても強い意欲を持っているだろう。

来年は東京オリンピックにも出場予定であることを発表したフェデラー。その華麗なプレーで長くテニスファンを魅了してくれることを期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「UNIQLO LifeWear Day Tokyo」でのフェデラー

(Photo by Jun Sato/WireImage)