現地15日、「ATP500 ウィーン」(オーストリア・ウィーン/10月21~27日/室内ハードコート)の大会公式サイトが、昨年の準優勝者である錦織圭(日本/日清食品)が欠場することを発表した。…

現地15日、「ATP500 ウィーン」(オーストリア・ウィーン/10月21~27日/室内ハードコート)の大会公式サイトが、昨年の準優勝者である錦織圭(日本/日清食品)が欠場することを発表した。錦織は「全仏オープン」から抱えていた肘の痛みの完治を目指すため、アジアシーズンを欠場することを9月21日に発表しており、当初は「ATP500 ウィーン」で復帰予定だったが、間に合わず、肘の状態を優先する形となった。

大会公式サイトによると、錦織は「ウィーンに参加できず残念です」「練習コートを予約していましたが、予想よりも回復に時間がかかっています」とコメントしている。

錦織は14日に東京・有明コロシアムで行われたチャリティーマッチ「UNIQLO LifeWear Day Tokyo」でも「ちょっとまだテニスは始めていなくて。まだあんまり肘の調子が良くないので、もうちょっと時間がかかるかもしれないです」「スケジュールは全く分かっていなくて、ギリギリの厳しいラインなので。一応ウィーンとパリはありますけど、様子を見ながらですね。日に日に治りを見ながらという感じなので。今年はデビスカップも最後にあるので、そこも出たい気持ちはあるんですけど、怪我次第という感じですね」とコメント。

練習をまだ再開しておらず、この「ATP500 ウィーン」と28日開幕の「ATP1000 パリ」、そして11月18日からのテニス男子国別対抗戦「デビスカップ」決勝ラウンドについても「怪我次第」と語っており、来年に備えてシーズン残り全てを欠場する可能性があることも示唆していた。

またこの欠場により、シーズン最後に年間の上位8選手で競う「Nitto ATPファイナルズ」への2年連続出場は絶望的なものになった。

出場権を争う最終戦ランキングで錦織は、現在2,180ポイントで12位。出場圏内となる8位のマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)は2,525ポイントと、345ポイントの差がある。

ATPツアーの通常スケジュールは残り3週。今週は最大250ポイント獲得のATP250レベルの大会が3大会、来週は最大500ポイント獲得の「ATP500 ウィーン」と「ATP500 バーゼル」、そして最後は最大1000ポイント獲得の「ATP1000 パリ」となっている。

錦織は「ATP1000 パリ」で優勝すれば逆転で出場権を獲得する可能性が出てくるが、現時点で練習を再開できておらず、また「ATP1000 パリ」への出場自体が不透明であり、2年連続でのツアー最終戦出場は厳しいものとなった。

同じく15日には、「新しい声を取り入れる」ために、これまで約9年間共に歩んできたダンテ・ボッティーニとのコーチ関係を解消することを発表した錦織。来年は東京オリンピックもあり、来シーズンを万全にスタートさせるためにも、まずは肘の完治が願われる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「UNIQLO LifeWear Day Tokyo」での錦織圭

(Photo by Jun Sato/WireImage)