最終回を飾るのは福岡県は柳川高出身トリオによる対談。ダブルスの絶対的主力としてチームの勝利に貢献してきた安上昂志(スポ4=福岡・柳川)、団体戦ではサポートとしてチームを支える堀凌輔副将(社3=福岡・柳川)、樋口廣太郎(スポ3=福岡・柳川)…

 最終回を飾るのは福岡県は柳川高出身トリオによる対談。ダブルスの絶対的主力としてチームの勝利に貢献してきた安上昂志(スポ4=福岡・柳川)、団体戦ではサポートとしてチームを支える堀凌輔副将(社3=福岡・柳川)、樋口廣太郎(スポ3=福岡・柳川)の3人に柳川高時代の裏話や、『家族』という柳川高出身の絆、そして3人で臨む最後の王座に向けたお話を伺った

※この取材は10月6日に行われたものです。

一言でいえば『家族」


柳川高出身の3人。左から堀、安上、樋口

――遂にきました。柳川高トリオでの対談です

安上 待ってました!

――柳川高とは、一言で言うとどんな高校なのでしょうか

安上 言っていいですか?一言で。

樋口・堀 お?お?お?

安上 『家族』です。

樋口・堀 お〜。

 ファミリーです。

樋口 ファミリーなんですよ。

――『家族』というのは

安上 愛がマジであるんですよ。部内もそうですし、学校全体で。校長先生がそういう感じの人で、テニスをやっていた人で。校長先生からも伝わっていますよね。

 ほぼ一緒にいますよね。寮なので。

安上 24時間一緒にいますね。

樋口 4人部屋なんですよ、寮。同学年でまとまるんじゃなくて、学年がばらけているので、仲良くなるんですよね。でも安上さんは自宅生でした。

安上 はい。僕は地元が福岡なので。

樋口 大体が県外からなので。僕が岡山で、樋口が広島。

安上 でもみんな寮入るよね。地元の人もいるんですけど、みんな寮入るんですよ。近い方が楽だからですかね。

――高校時代から仲がよかったのでしょうか

安上 でも今ほど仲良くはなかったですね。やっぱり上下関係が厳しいので。

 上下関係がある分ち横のつながりはすごく厚いんですけど。

安上 問題児だったのでね。

一同 (笑)。

 ご迷惑をおかけしました(笑)。

安上 大人しく見えるじゃないですか。でもなんかね。反抗期でしたね(笑)。

 大人しかったですか?

安上 最初はおとなしいキャラだと思ってた。ただふたを開けてみると・・・(笑)。ここは別に仲は悪くなかったんですけど。

 でもしっかりぶつかり合っていたっていうことですね。 良く言うと(笑)。本音でぶつかり合っていたって言うことですね。その分早大に入って良くしてもらっているので。

――堀選手は高校時代主将だったとお聞きしました

 意外にも。笑っちゃいますよね(笑)。

樋口 立派でしたよ。名キャプテンです。

 照れる〜。

一同 (笑)。

――高校時代からを通じてのお互いの印象というのは

樋口 僕らは小学生の頃から一緒なんですよ。広島と岡山で地方が一緒で、中国大会とかもあるので。ずっと一緒に試合も合宿もやってきた仲です。

 ずっと一緒だったね。でも変わったでしょ?

樋口 そう。最初はめっちゃ気取っていて。

 いや、そんな悪い言い方すんなよ!(笑)

樋口 喋らないんですよ。本当に無口で、挨拶しても会釈程度で。

 僕慣れないと喋れないんですよ。人見知りって言っていいのかはわからないんですけど。高校に入ったら親元を離れて仲間といるのでそれに慣れてからは大丈夫になったんですけど、小中の頃はたまに会うテニスの友達とは最初から「ウェーイ」ってなるのは無理だった感じですね。それがなくなって。

安上 殻を破ったわけね?

樋口 変わりましたね〜。豹変しました。

安上 でもいい方に変わったんじゃない?間違いなく。

樋口 喋るし、騒ぐし。それまでと真逆なんですよ。クールでカッコいい堀さんが「あれ?」みたいな(笑)。でも打ち解けやすくなりましたね。すごく喋りやすかったです。

――堀選手から見た樋口選手は

  僕から見た廣太郎はずっと変わらないですよ。赤ちゃん。

樋口 赤ちゃん・・・?

 可愛いじゃないですか。顔もなんですけど、中身も。良く言うとなんだろう、人懐っこい? それこそシャイじゃないよな、マジで。

樋口 全然。

 第一印象と変わらないよな。

樋口 変わってないと思いますよ、多分僕は。

安上 いいことやん?いい人生を歩んできたってことじゃない?

樋口 周りに良くしてもらっているので、のびのびとやらせてもらっているので(笑)。その結果ですね。

――安上選手の印象はいかがですか

 昂志さんはめっちゃ強くて。

樋口 キングだったんですよ。僕らからすれば。一番強いわけですから。

 ジュニアの頃から知っていて、強くて。最初はあまりコミュニケーションは取っていなかったですね、正直。

安上 多分僕気取っていたんですよ、高校の時(笑)。高校の時は結構ストイックで、めっちゃ練習も集中してやるタイプだったと思います。

樋口 真面目でした、練習。大学でも同じなんですけど、高校こそ自主性を求められていたので。自分次第なので、強いからこそ一番練習をやっていたと思います。

安上 雰囲気が怖かったかなとは思います。正直話しかけるなオーラも出ていたと思いますし。

 今じゃ想像できなくないですか?

――できないですね

樋口 怖かったですよ。

安上 多分怖かったと思います。

 ちゃんと柳川のエースをやっていましたよね。

安上 でも情けないエースだったかもしれない。

樋口 いやいや、強かったですよ。

安上 そうなんですよ。

――今とはキャラクターが全然違ったんですね

安上 違がったと思います。違うよな?

 ぶっちゃけ。想像付かないですよね。

樋口 あの頃はなんだったんだろうなって(笑)。

安上 そうね。なんやろうね。

樋口 でもあれだけ上下関係がしっかりしていれば仕方がなくないですか。

 同期で実力があるのが昂志さんだから引っ張らないといけないっていうのもあったんじゃないですか。

安上 僕らの代があまり強い代じゃなかったんですよ。でもそれは関係ないか。

 でも(関係)あるんじゃないですか。一個下の僕らの代の人数が多くて、テニスもそこそこで。ぶっちゃけ絶対ありましたよね?

安上 僕らが人数が少なかったので。

 どうしても下に舐められちゃいけないっていうのがあるじゃないですか。

安上 変に真面目すぎたから自分を追い込んでいた部分はあったと思います。でもそれがきっかけで今みたいに楽観的になれたっていうのはあると絶対に思います。

――安上選手から見た後輩二人はいかがですか

安上 凌輔はジュニア時代から試合もしたことがあったし、物静かな印象で高校に入ってきて。黙々と練習はするし、良い子でした。ただその、反抗期もあった(笑)。でもまあその時はお互いに高校生で、僕もガキだったので、「なんやこいつ」って思っていた時もあったけど、全然悪い子じゃないし。一生懸命キャプテンもやって、今も副将をやっていますし。大学のとき腐った時期もあったんですけど、それすらも可愛らしかったです(笑)。「頑張れよ」って言って、また頑張って。今年はインカレ予選も出ましたし、すごいと思います。後輩だけど一生懸命やっているし、後輩も引っ張っていますし。ここまで見てきて、僕にはできないなって思いました。

 泣けますね。

樋口 エモエモ。

安上 廣太郎は廣太郎で良い子で。二人とも良い子なんですけど、人懐っこいタイプでうまく甘えつつ。一番印象深いのは、高一の時に試合をした時に選抜の予選の時にめっちゃ強かったんですよ。フォアハンドも凄くて、「こんなに強かったかな」って思うぐらい強かったんですよ。リーグ戦だったんですけど僕と1位決定戦をしていて、本当に強くて。そこからずっとフォアがいいし、試合中はエグいフォアを打つんですけど、私生活になると「うぇ〜うぇ〜うぇ〜」みたいな(笑)。

一同 (笑)。

安上 それは今も間違いなく変わってない(笑)。でもマジで可愛らしいです、二人とも。直属の後輩というのもあるし、キャラもあるし、良いですね、やっぱり。本当に好きです。

樋口・堀 あざっす!

安上 あんまり褒めると調子に乗るんで(笑)。このくらいにしておきます(笑)。

――松本妃那(スポ2=福岡・柳川)選手も柳川高出身ですが、印象としては

安上 僕は1年しか被っていないんですけど、あれこそ本当の甘え上手か(笑)。

 言ったらマジでもうね。

樋口 天才でしょ。

安上 妹みたいな感じです。

 そんな感じですね。

安上 高校はインターハイが終わったら引退なんですけど、そこから「試合してください!」ってめっちゃ言ってきて。可愛げがあるって言ったら上からなんですけど(笑)。ずっと同じ福岡で知っていましたけど、被っていたのは1年だけなので、そんな感じですね。

「(堀の勝利は)自分のこと以上に嬉しい」(安上・樋口


夏関で奇跡の逆転劇を演じた安上・樋口組

――夏の個人戦を振り返って。安上選手はインカレでダブルス2位に入賞しましたが、改めて振り返っていかがですか

安上 インカレは今まで全然勝てていなくて、2年、3年とベスト16で負けてしまっていたので。やっぱりそこまで勝てたっていうのは嬉しかったけど、「また準優勝か」っていう悔しい思いもありましたね。

 3度目っすか?

安上 そうだね。インカレインドアで決勝に行って準優勝で、夏関で決勝に行って準優勝で、インカレで決勝に行って準優勝で。今回は三度目の正直でいけると思っていました。けど相手が強かったです。覚醒していました。

 夏関の時もバカ強かったですよね(笑)。

安上 全部優之介にやられてんだよ(笑)。ただでさえ強いのにそれに上積みされて(笑)。おかしかったよあれは。でも準優勝は嬉しいです。最後の年に勝つっていうのは。

 すごいですよ。3回負けたとはいえ全国準優勝ですよ。

安上 まあパートナーが強かったです。

――シングルスは予選決勝で楠原悠介(法大)に勝利を収めました

安上 ファイナルセットはタフな展開になって。ああいう中で楠原という強い相手に勝てたのは嬉しかったですね。シングルスも勝ちたい思いはあったんですけど、まあこんなもんかと。1回戦で負けたことよりも、楠原に勝てたっていうのが正直嬉しいです(笑)。満足しているわけではないんですけど。

 今の時点ではそれが一番ですからね。

安上 そう。楠原に勝ったよっていうことが

樋口 ハッピーエンド?

安上 そう、最後のインカレはハッピーエンド。予選優勝して、ダブルスも準優勝して。十分という感じですね。でも自分の勝ち負けよりも凌輔が予選1回戦勝ったりだとか、廣太郎が勝ったりとかっていう方がシングルスに関しては気になっていたというか。インカレ出ていることすら嬉しかったし、強い相手に勝ったことも嬉しかったです。自分の勝ちよりも嬉しかったです。盛ってないですよ?「盛ってるだろ!」って思うかもしれないですけど、それくらい柳川が好きなんですよ。

――堀選手は初めてインカレに臨みましたが、振り返っていかがですか

 予選決勝敗退(笑)。予選準優勝?本戦行きたかったですね。1個目シードの相手に勝って、自分の中ではそれで油断をしていたわけではないんですよ。いつも通り朝食を食べて、アップして挑んだんですよ。そうしたらダメでした(笑)。暑かったです。言い訳になっちゃうんですけど、動かなかったです(笑)。勝たなきゃいけないっていう緊張なのか暑さなのかはわからないんですけど、なんか一人でハアハア言っていて(笑)。相手もすごく粘り強くて、僕もそういうタイプじゃないですか。粘り勝てると思っていたんですけど、ダメでした。

安上 でもちゃんと1回勝ったしね。そこは本当にすごいと思う。

樋口 ね、すごいよ。

安上 1年の時とか全然勝てなくて、「もうテニスはいい、辞める」とか言って、本当に。

 ハハハ(笑)。

安上 学生大会って少ないじゃないですか。なので一般大会を勧めたりもしたんですけど、「いや、もういい」とか言って。それが気づけばこうやってインカレ出て。すごいよ本当に。

樋口 やった!

安上 ね、嬉しいよね本当に。

 もう、私生活がクソでしたから(笑)。1年の時は本当に。

安上 グレてたね。

 グレてたわけじゃないんですよ?!個人的には本当に、テニスに力が入っていなかったです。

安上 よくカムバックしたよね。

――カムバックできた要因だったり、何か心境の変化があったりしたのですか

 やっぱり周りの人たちが言ってくれて。昂志さんとか町田さんだったりも声を掛けてくれて。廣太郎も寮が一緒で、なんだかんだずっとね。(樋口は)ずっと頑張ってるんですよ、大学に入ってからずっと。そういうところを見ていると、いつの間にかやっていました。これっていうきっかけはないんですけど、今考えると声を掛けてくれていたのもそうですし、頑張っている姿を見てっていうのがあるのかなと思います。

安上 見えないところで支えてたんだな。

樋口 良かった。何も言っていないなと思いながら聞いてた(笑)。

 やっぱり悔しい部分はあるんですよ。最初入って、廣太郎は勝っていて。ぶっちゃけると、そりゃあ意識するじゃないですか(笑)。高校の同期で。悔しい反面そのまま勝てずに落ち込んで、それでもなんだかんだやっていて。良かったです(笑)。

――樋口選手はインカレは本戦2回戦敗退という結果でした

安上 一番上じゃんねえ、この中じゃ。

一同 (笑)

樋口 やめてくださいよ(笑)。僕は今年のインカレ勝負だなと思って本当に1年間頑張ったつもりだったんですけど。2回戦は自分自身物足りないというか、もうちょっと勝ちたかったなというのが正直な気持ちで。でも初めて本戦に上がったのが3年目なので、それは嬉しかったんですけど、ベスト16とかに入りたかったなというのを今思いますね。

安上 1回戦隣でやってたよね。俺が負けているのを尻目に勝ってましたね。

樋口 6−0、6−1で。

安上 俺苦しんでるのに・・・(笑)。

樋口 「昂志さん頑張って!」って言ったんですよ。試合しながら。でもなんか。

安上 死んでた(笑)。でも嬉しかったです。強くなっていて。負けちゃったけど、相手も関西優勝の強い相手で。その選手にファーストセット取れそうだったし、勝ってもおかしくない試合だったよ思います。

 惜しかったよ。

樋口 惜しかった?勝ちたかったですね。

――その直後に夏関がありましたが、安上選手と樋口選手はダブルスを組んでいましたね

樋口 楽しかったです!

安上 ね!大逆転しちゃったしね。

樋口 あれ勝てて良かったですね(笑)。

安上 でも負ける覚悟で行ったから、逆に良かったかもね。

 負けてても楽しそうにやってましたもんね。

安上 「絶対リターン一発目ロブ!」とか言ってくるんですよ(笑)。

 いつの間にか逆転していたっていう。「あれ、勝ってんじゃん!」って。

安上 いやー、楽しかったね。

樋口 面白いようにポイントが取れましたね。

安上 タイブレもその勢いでね。楽しかったね。

 楠原・柚木も惜しかったよね。

安上 惜しかった惜しかった。ファースト取って、セカンド取られて。

樋口 ファイナルは完全に僕の緊張が。

 ちょっとチキった?(笑)

樋口 ボレーが全部へっぴり腰になって(笑)。

安上 タイブレ2−1で俺サーブの時のボレー、覚えてるわ。

樋口 ミスりました(笑)。もー、すみません!

安上 「ドンマイドンマイ!」って言いながら、心の中では「う〜〜〜」って(笑)。

樋口 申し訳なかったです、あれは。でも相手強かったですね。

安上 強かった。

樋口 柚木のサーブがエグかった。

安上 調子は良かったんですけどね。やっぱり気持ちが充実していたので。柳川の後輩と組んでっていうのがね。

樋口 でも何より堀さんじゃないですか。

――堀選手、夏関で学生大会本戦初勝利を挙げました

安上 本当に嬉しくて。二人でめっちゃ喜んだもんね。

樋口 「よっしゃー!イェーイ!」って。

安上 夏関で一番嬉しかったですね。

 僕はもうヘトヘトでした。(笑)。マジで雑草魂でした。とりあえずポイントを取るっていうことを意識して。

安上 一番嬉しい勝利だったよ。

樋口 誰よりもね。もう自分のことなんてどうでもいいやって(笑)。

安上 あれ、(シングルス)出てたっけ?

樋口 いや、覚えていないです。

 ポイント反映で来年のインカレに生かされますね。

安上 経験も経験も。しっかりと接戦をものにして。素晴らしかった。

――柳川の先輩後輩でダブルスを組むというのはやはり特別な思いがあるのでしょうか

樋口 ありましたね。

安上 間違いないです。インカレインドアも組もうって言って。そのためには夏関でべスト8かベスト4ぐらいなければ厳しかったんですよ。なので、勝ちたかったね。

樋口 あと一つ、二つ。

安上 あそこ勝ってれば優勝狙えたよね。

樋口 勝ちたかったですけど、でもいい思い出ですね。3年間で一番楽しかったです。

安上 おお〜、良かった。1回戦勝てたからね。

――リーグの方の振り返りにいきたいと思います。安上選手は古賀選手と組んで全勝でしたが、改めて振り返っていかがですか

安上 ダブルス3は必ず取らないといけないところで、そこでしっかりと5戦出て勝てたということは良かったですね。団体戦なので何が起きるか分からないし、そういう中でしっかり勝てたということは自信になりました。

――樋口選手は古賀・安上組のベンチコーチに入っていましたが、意識していたことはありましたか

樋口 二人はチームの中でも一番盛り上がるというか、このダブルスが勝ってこそチームに勢いが付くので、やっぱりとても大事なダブルスだなと、ベンチも毎試合大事に行こうと思って。常に励ますというか、どっちかがミスをすると落ち込みそうになったり、試合だからこそシビアになっている部分もあると思うので、そこですぐに声を掛けたりだとか、気持ちの面で支えることは常に意識していました。それが結果につながったので、ベンチとしても誇りに思います。

 ベンチ全勝?

樋口 全勝。

 おお〜。何戦?

樋口 9戦かな?昇平が4戦だから。

安上 一番勝ったんじゃね?

 すごいなそれは

――安上選手としては樋口選手のベンチコーチはどう映っていましたか

安上 何度も繰り返しになるんですけど、柳川の後輩なので心強いし安心感があるし、なんか困った時でも助けてくれるだろうなっていう信頼があるので、大丈夫だなと。実際ミスをした時にもすごい励ましてくれたので。早慶戦の時もそう思って二人に入ってもらったし。

 意外とちゃんと分析してましたよ。

安上 そういうところもありがたいですし、全面的に信頼を置いています。

樋口 あざっす!

 二度目のあざっす(笑)

――堀選手もサポートとしてベンチコーチに入る機会もありましたが、リーグでの取り組みを振り返っていかがですか

 僕は小久保と木元のベンチコーチに入っていたんですけど。蓮にしても後輩なんですけど仲が良くて、練習試合とかでも対戦していて。あまり良すぎるとダメな感じはあるので、風哉にしても。それこそ技術的というよりかは逆にリラックスさせるようにくだらないことを言ってみたり。そういうことに務めていましたね。いつも通りやってくれれば絶対に勝てると思っていたので、和ませられるようなことをしゃべっていました。

――堀選手に育成層副将としてお聞きしたいのですが、畠山・増田組がインカレで大躍進を果たしましたが、その点についてはいかがですか

 あー、やりましたね!すごかった。でもずっと強かったんですよね。その前の亜大の対抗戦も畠山・増田を出させてもらって、ストレートで勝って。やっぱり実力はあると思うので。ボレーとかも上手くて、二人もかみ合っているので。ただまさか川橋・加藤に勝てるとは。マジですごいと思います。次で負けちゃったのは逆に悔しかったレベルなんじゃないかと思います。

安上 きのう古賀・安上組と試合をしたんですけど、上手かったです。将来は団体戦にも起用されていくんじゃないかって思うので、期待ですね。

――安上選手は古賀選手とずっとダブルスを組んでいますが、古賀選手というのは自身にとってどういう存在ですか

安上 やっぱり、1年生の終わりからダブルスを組んでいて。9歳、10歳ぐらいから同じ九州のライバルとして地区の決勝で対戦してきて。そんな人とまさか同じ大学になるとは思っていなかったですし、一緒にいる時間は長かったし、授業も一緒に取っていた時間も長かったので。でも大貴がいたからこそ自分自身も頑張れたし、強くなれたし、勝てたということは思いますね。優しいんですよ。周りには厳しいんですけど、僕はあまり怒られなくて(笑)。結構優しくしてくれるから、僕が逃げそうな時も、いい具合にちゃんとやらせつつ、逃げないように。

 ちゃんと分かっているんですよ、昂志さんのこと。扱い方?(笑)

安上 上手く扱ってくれるので、やりやすかったり、過ごしやすかったということは多かったので、めちゃくちゃ感謝しています。

――リーグを通じて印象に残った試合はありますか

安上 島袋対今村かなあ。そこですね。

 すごかったですね、めっちゃ応援しました。めっちゃ声出すっていうことになって。精神論(笑)。

安上 そうそう。なんか原点に戻った。5−7、0−3になっちゃって。これはもう気持ちで行くしかないと。

樋口 何を言えばいいんだってまずなったんですよね。

安上 将のプレーは悪くない、相手がいいだけだから、ここは気持ちしかないだろうと。

 将さんにも精神論は通じるみたいですね。あんなに上手くても。

安上 やっぱり一番大事なコアの部分は気持ちなんよ(笑)。っていうのを証明した試合でしたね。ただ間違いなくあれは応援のおかげ!間違いないです。

樋口 面白かったーあれは。今村がめっちゃ強くなってて。

 将さん、試合すると相手が強くなってるんですよ(笑)。相手がチャレンジャーでくるから。

安上 強い奴がチャレンジしてくるからさらに強くなってる(笑)。

 それでもちゃんと勝っちゃうわけですから、すごいですよね。

――改めて、最後のリーグは5戦全勝でしたが、安上選手にとってどんな大会でしたか

安上 リーグはホッとしたの一言ですね。嬉しかったよりもホッとした、よかったの方が強かったですね。自分が5戦でて勝ったというのもあるんですけど一番はチームが全勝したことにホッとしましたね。

「どんなかたちでもいいから優勝したい」(安上)


育成層副将としてチームを支える堀

――リーグ後のオフの期間は何をしていましたか

安上 僕は野球をしたり、ラウンドワンに行ったり、めっちゃアクティブオフでしたね。楽しかったです。

 僕はゼミ合宿に行っていましたね。

樋口 僕は広島に帰省して。飲んだくれていました。父が酒豪なので、兄弟4人と一緒に。2キロぐらい太りました。マジで腹が出たんですよ。

 めっちゃかまちょなのが、インスタのストーリーに「あした太ったって言わないでね?」って。

一同 (笑)。

安上 絶対言って欲しい。親しい友達にしてさあ。

 こんな感じっす(笑)。

安上 なのでその投稿にコメントで「太った?」って送ってあげたもん(笑)。

――兄弟4人いて、何番目なんですか

樋口 末っ子ですよ(笑)。

安上 だからこうなっちゃった。

樋口 甘々ですよ、もう。しかも離れているので。

――王座に向けてのお話に移させていただきます。。安上選手は4年間のフィナーレを迎えるわけですが、やはり寂しさはありますか

安上 むしろ寂しさしかないです。1年生の時は早く終わらないかなと思っていたんですけど、正直。辞めたくないですもん、部活。練習とかトレーニングとかきつかったですけど、やっぱりみんなと一緒にいたいし。寂しさはめちゃくちゃありますよ。

 王座終わったらバイトして麻雀してそう(笑)。

安上 高校の時は引退しても練習をしていたので。本当にテニスをやらなくなる生活っていうのは初めてに近いので、想像できないですね。

 自動車教習所行かなきゃじゃないですか?

安上 そうだ、社会人として。入社までに取らないといけないので。

――樋口選手、堀選手はまもなく最上級生になりますが、実感はありますか

樋口 マジで早かったですよ。

安上 一瞬でした。もうちょっと4年生に4年生をしていて欲しいです。

 俺らできるのかなっていう。

安上 なんだかんだでできるもんだよ。

 想像つかなくね?

樋口 俺らが一番上なんて、実感が湧かないですね。なのでまずは王座ですね。4年生をいいかたちで送り出したいですね。

安上 嬉し涙で!

樋口 早いなあ〜。もういなくなっちゃうんですか?

安上 ね。どうしたらいい?

樋口 こればっかりはどうしようもできないですね。僕らも一瞬ですもんね。去年の王座から早かったですもん。

安上  多分もっと早く感じるよ。

樋口 想像つかないですもん。

 就活とかも始まるし。

安上 就活だるいよ〜。遊びに逃げてたもん。

 でもなんだかんだやってたじゃないですか。

樋口 昂志さん要領いいですもんね。

 もともと賢いんですよ、昂志さん。知ってました?もともと勉強はできる方で。

安上 やればできる。でも要領がいいとは思う、自分でも。周りの人を見ていて、自分だったらもっとこうやるのになみたいな。

 遊びつつも就活もちゃんとやって、テニスもちゃんとやるから、全方向凌駕できる。

樋口 なんでもできる。俺無理だな〜。

安上 頑張ろう。

――チームの雰囲気はいかがですか

 いいですよね。

安上 なんの問題もないと思います。

 去年から思うのが、風通しが良くなったと思っていて。特定の期間だからといって、特別雰囲気が変わることもあまりないので。

安上 確かに、ずっといつもの雰囲気でやるっていうのができていると思います。ピリピリしすぎても、ゆるすぎてもダメなので。そのバランスもいいと思います。

――やはり、最後の王座にかける思いはこれまでとは比べものにならないのでしょうか

安上 もう全然。正直全然違いますよ、やっぱり。今までは4年生のためにと思ってサポートをしたり、選手として出る準備をしていましたけど、最後となるとどんなかたちでもいいから優勝したいという思いですね。もうでなくてもいいから優勝したいです。みんなで最後に笑って終われるように。それだけですね。

――古賀・安上組は王座ではD2起用になるのでしょうか

安上 そうですね。リーグ通りでいけば。

 早稲田のナンバー2ですよ。

安上 恐れ多い(笑)。

 何を。全国準優勝じゃないですか。

安上 いや、たまたまだよ

 3回なってるじゃないですか!いつの間にかダブルスペアになっちゃって。あんなにボレーとかしてなかったんですよ。ずっと後ろでガンガンストローク打ちまくってハードヒットして。気付けばボレーをヒュッてして。

安上 気づけばね(笑)。優之介ぐらい打っていたんじゃない?

 想像できないですよね。

樋口 いつの間にかフォア苦手になっちゃうから(笑)。

――王座での自身が果たすべき役割は

安上 チームに1勝をもたらす。絶対に。プラス、周りで試合をしている人にいい影響を与えて、自分たちの試合をエネルギーとして周りを勝たせる。僕らの役割はそれですね。

 僕は精神論ですかね。楽しかったんですよ。ここまで出すかというぐらいの声を出して応援するのは。なのでもう一回あの応援をして。ベンチコーチに入るときは精神論だけでなく技術面でもサポートできるようにしたいですね。

樋口 自分らしく、明るく元気に周りをサポートして、古賀安上をなんとしても勝たせる。千頭も勝たせて。チームが勝ったのはサポートの力があったこそと言われるようなサポートをしたいと思います。

――最後に、王座に向けての意気込みをお願いします

安上 全員で王座優勝に向けて頑張ってきたので、全員が今までやってきたことを出し切って。みんなで王座優勝を勝ち取りたいなと思います。

 応援はバカでかい声で楽しんで。去年優勝してみんなで写真を撮ったことが印象的だったので、もう一回みんなで写真を撮って、笑って帰れるようにしたいですね。

樋口 1年間王座のためにやってきたので、昂志さんが言うように出し切りたいと思います!

――ありがとうございました!

(取材・編集 林大貴)


3人で『柳川魂』と力強く認めていただきました!

◆安上昂志(やすがみ・たかし)(※写真中央)

1998(平10)年3月9日生まれ。171センチ。福岡・柳川高出身。スポーツ科学部4年

◆樋口廣太郎(ひぐち・こうたろう)(※写真右)

167センチ。福岡・柳川高出身。スポーツ科学部3年

◆堀凌輔(ほり・りょうすけ)(※写真左)

171センチ。福岡・柳川高出身。社会科学部3年