ラグビーワールドカップもいよいよ今週末でベスト8が出揃う。 10月11日(金)は、静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアムで、プールDのオーストラリア対ウェールズの一戦が行われた。   オーストラリアは、ウェールズには負けたが3試…

ラグビーワールドカップもいよいよ今週末でベスト8が出揃う。

10月11日(金)は、静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアムで、プールDのオーストラリア対ウェールズの一戦が行われた。

 

オーストラリアは、ウェールズには負けたが3試合終わったところで2勝1敗、勝ち点11としており、すでに決勝トーナメント進出は決めているが、今日の結果と13日(日)のウェールズ対ウルグアイの結果次第で順位が決まる。

一方のジョージアは、1勝2敗で勝ち点5。すでに敗退は決まっているものの、勝利すればフィジーを抜いて3位となり、2023年大会の出場権を得るため、なんとか勝利をもぎ取りたいところだった。

 

静岡最終戦となるこの試合は、降りしきる雨の中キックオフされた試合は、雨のせいもあり互いにミスが目立つが、やはり総合力で上回るオーストラリアが激しくアタックを見せる。しかしジョージアも10分間で50本のタックルとディフェンスで食い止める。

前半13分、オーストラリアはFBカートリー・ビールが脳震盪で退き、デイン・ハイレット=ペティと交替する。

激しいタックルでしのいでいたジョージアだったが、ようやく22分、オーストラリアが連続攻撃で最後はFWが敵陣ゴール前までドライブし、SHニック・ホワイトが飛び込んでトライ。SOマット・トゥームアのゴールも決まり、7-0と先制する。

ジョージアは27分にオーストラリアHOトル・ラトゥのハイタックルでペナルティを獲得、FBソソ・マティアシヴィリがPGを決め7-3とする。

34分、オーストラリアはNo.8イシ・ナイサラニが危険なプレーでシンビンとなってしまう。しかし、オーストラリアは36分、SOトゥームアの45mのPGで3点を追加し10-3とする。

前半、ジョージアはわずか15%のテリトリー、21%のポゼッションだったが、128本のタックルでオーストラリアと1トライ1ゴール差で折り返した。

後半に入り、オーストラリアのFLデービッド・ポーコックのジャッカルなどもあったが、風と雨もあり、前半と同じように互いにミスが目立ちやや雑な展開が続いていていく。

それでも19分、オーストラリアWTBマリカ・コロインベテがセンターライン付近からルースボールを拾い一気に駆け抜け中央にトライ。SOトゥームアのゴールも決まり17-3とリードを広げる。

ジョージアも29分、SOラシュカ・クムラゼのブレイクからWTBアレクサンデル・トドゥアが左サイドを独走しトライ。FBマティアシヴィリのゴールは外れたが17-8と点差を詰める。

だが、34分、オーストラリアはラインアウトからモールで押し込み最後はFLジャック・デンプシーのトライで22-8。さらにノーサイド間際の39分にはLOロブ・シモンズ、PRタニエラ・トゥポウのオフロードからSHウィル・ゲニアがトライし、結局4トライのボーナスポイントも獲得したオーストラリアが27-8でジョージアを下した。

プレイヤー・オブ・ザ・マッチには80分間フル出場したLOアイザック・ロッダが選出された。

今大会全ての戦いを終えたジョージアのミルトン・ヘイグHCは、「ジョージアのラグビー魂を見せてくれた」と201本のタックルをした選手たちをたたえた。

キャプテンのCTBメラブ・シャリカゼも「得点しない限り勝つことはできないが、一時は接戦に持ち込めたので、よく戦ったと思う。ジョージアのラグビーはまだまだ成長が必要だ。今大会、ミスが多く思ったような結果が得られなかったが、きっと次の大会は若い選手たちがもっと良い成績を残してくれるだろう」と残念な結果に悔しそうな表情を見せつつも前を向いた。

オーストラリアのマイケル・チェイカHCは、「FWで戦いたかった。今日の選手たちの多くは先週の試合に出ていない。来週はものすごいコンテストゲームが予想されるから。いくつかアタックでミスがあったので、もっと精度を上げていかないといけない」と早くも準々決勝へと目を向けた。

ゲームキャプテンのFLポーコックは「初めてのジョージアとの対戦だったので、フィジカルな戦いになることはわかっていたが、私たちのセットピースはパーフェクトだった。それでボールをワイドに展開しようとしました。しかしジョージアのディフェンスは最後まで素晴らしかったです」と振り返り、「今日はLOロブ・シモンズが100キャップ達成したので、それを祝い、次の準々決勝に備えたいですね」と笑顔を見せた。

ジョージアはこれで4位以下が確定し、2023年の大会は予選から参加しなければならなくなった。また長くレロスを牽引してきたFLマムカ・ゴルゴゼにとってもこれがワールドカップ最後の試合となった。一方、オーストラリアは総勝ち点を16まで伸ばし、ウェールズ対ウルグアイの結果次第で、準々決勝の対戦相手がイングランドかフランスに決まる。

◇PRケプが110キャップ

オーストラリアのPRセコペ・ケプがこの試合で110キャップとなり、ワラビーズ史上6人目の110キャップ超えとなった。

最多キャップは元オーストラリア代表SHで日本のサントリーでもプレーしたジョージ・グレーガンの139キャップ。またPRとしてはオーストラリア代表として最多キャップで、世界でもPRとしては6位で、現役選手では南アフリカ代表のテンダイ・ムタワリラの114キャップに続く。