10月11日(金)、日本中が、そして世界が注目している大一番、13日(日)のスコットランド代表のメンバーが発表された。いつもどおりジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が名前を読み上げる形でメンバーが紹介された。 メンバー発表と併せてコメ…

10月11日(金)、日本中が、そして世界が注目している大一番、13日(日)のスコットランド代表のメンバーが発表された。いつもどおりジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が名前を読み上げる形でメンバーが紹介された。

メンバー発表と併せてコメントしたジョセフHCは「プール戦で3勝しているので非常にいい立場にある。ハードワークの成果を見せる時。月曜(14日)にはトップ8(決勝トーナメントに進出する8強)にふさわしいか結果が出ている」と、仕上がりに自信をのぞかせた。

まず、メンバーの変化として挙げられるのは、アイルランド戦でリザーブとなり、サモア戦では先発復帰しながらもゲームキャプテンを外れたFLリーチ マイケルが、キャプテンに復帰したことだ。

ジョセフHCはその理由について、「リーチに負担がかかっていたので、まずはプレーに専念してほしいとゲームキャプテンから外した。次の試合(スコットランド戦)は最もリーダーにふさわしいから選んだ」と説明した。

当のFLリーチ本人もその直後の会見で、「自分のパフォーマンスが上がってきた。調子が戻ってきてチームの先頭に立てるようになった」ことを本来の居場所であるスキッパーに戻った理由として挙げた。サモア戦後の「個人的にはスコットランドをボコりたい」という発言についても、「ティア1に勝つために優しい言葉は使いたくない」と補足した。

そして、WTB福岡堅樹も「本来の居場所」である11番に戻ってきた一人だ。ワールドカップでは今大会初先発となり、くしくも前回大会のスコットランド戦以来のワールドカップ先発となる。しかしアイルランド戦、サモア戦とリザーブで途中出場し、いずれも値千金のトライを決めている。

その先発起用について、ジョセフHCは「ベストな選手だから起用している。(9月6日の)南アフリカ戦でケガをしてしまい、早期復帰を目指していた。(アイルランド戦、サモア戦で)勝利につながるトライで自信を取り戻した。今は絶好調だ」と起用した理由を説明した。

WTB福岡自身は、「もちろん最初から全試合先発したかったが、リザーブからの出場2試合(アイルランド戦、サモア戦)でいいインパクトを与えることができた。先発としてより良い仕事ができるという気持ちで臨んでいる。勝ちにこだわる試合をして最高の形でベスト8を迎えられるようにしたい」と充実の表情で語った。

台風の影響が残ることが予想され、強風の中での試合となることも考えられる。バックスリーの一員としてハイボール勝利に関する対策を問われると、WTB福岡はこう答えた」

「太田(所属するパナソニックが本拠地とする群馬県太田市)は冬場、とても風が強いので慣れている」

と普段の経験に基づく自信を見せると、続けて、

「相手が蹴ってくる時の立ち位置も追い風かどうかなどで変わるし、自分自身がキックを蹴るシチュエーションになった時にどういうキックを蹴らなければいけないのか、といったことも少し考えながら対応したい」

と状況に応じた対応をすることも強調した。

また、スコットランドというチームに対しては、

「バックスリーにいいランナーが多い。アンストラクチャーからの攻撃を好んでやってくるので、(同じ)バックスリーとしてはしっかり切り返したい」

と、やはり同じポジションの選手やプレーを警戒していることを明かした。

FLリーチ、WTB福岡のみならず、LOには2試合ぶりの先発となるトンプソン ルーク、FBにはロシア戦以来の復帰となるウィリアム・トゥポウも戻り、現状のベストメンバーが揃ったと言えよう。

10月9日現在、プールA1位は日本(勝ち点14)、2位アイルランド(同11)、3位スコットランド(同10)となっている。11日のアイルランド対サモアの結果次第で決まる可能性もあるが、アイルランドが順当に勝つことを想定すれば、やはり10月13日(日)の日本代表対スコットランドでプールAの上位2チームが決まることになるだろう。

13日(日)の日本代表対スコットランドで日本代表が勝てば総勝ち点18または19でプールA首位通過、引き分けでも総勝ち点16で、仮にアイルランドがサモア戦で勝ち点5を獲得して並んでも、直接対決で勝利している日本代表が1位通過となる。

仮に日本代表がスコットランドに敗れても、日本が4トライ以上獲得かつ7点差以内での敗戦でボーナスポイント2を獲得すれば、またはいずれかのボーナスポイント1を獲得したうえでスコットランドを3トライ以下に抑えれば、日本代表の決勝トーナメント進出が決まる。

初の決勝トーナメント進出がかかる13日(日)まで、あとわずかだ。

 

◆日本代表 スコットランド戦予定メンバー

☆=2015年W杯メンバー ◎=リーダーグループ

 

1/稲垣啓太(パナソニック・32キャップ) ☆◎

2/堀江翔太(パナソニック・64キャップ)

3/具智元(Honda・11キャップ)

4/トンプソン ルーク(近鉄・69キャップ) ☆

5/ジェームス・ムーア(宗像サニックス・6キャップ)

6/リーチ マイケル(東芝・66キャップ) ◎ ※キャプテン

7/ピーター・ラブスカフニ(クボタ・6キャップ)◎

8/姫野和樹(トヨタ自動車・15キャップ) ☆

9/流大(サントリー・22キャップ) ◎

10/田村優(キヤノン・61キャップ) ☆◎

11/福岡堅樹(パナソニック・36キャップ)

12/中村亮土(サントリー・22キャップ) ◎

13/ラファエレ ティモシー(神戸製鋼・21キャップ) ◎

14/松島幸太朗(サントリー・37キャップ) ☆◎

15/ウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ・11キャップ)

リザーブ

16/坂手淳史(パナソニック・19キャップ)

17/中島イシレリ(神戸製鋼・6キャップ)

18/ヴァルアサエリ愛(パナソニック・12キャップ)

19/ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機・15キャップ)

20/ツイ ヘンドリック(サントリー・46キャップ)

21/田中史朗(キヤノン・73キャップ) ☆◎

22/松田力也(パナソニック・22キャップ)

23/山中亮平(神戸製鋼・16キャップ)