2連勝であっという間に3勝0敗「巨人が阪神をガッチリ受け止めて跳ね返している」

 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは10日、第2戦が行われ、巨人が阪神に6-0で完勝。アドバンテージを含めて3勝0敗と早くも日本シリーズ進出に王手をかけた。ペナントレース3位の阪神は、激戦となったCSファーストステージで2位DeNAとの激戦を制してファイナルステージに駒を進めてきたが、このまま勝負は決まってしまうのだろうか。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、昨季まで2年間ヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は「巨人がガッチリ受け止めて跳ね返している。巨人が強い」と、王者の戦いに改めて脱帽。なかでも、1番に座る亀井善行外野手の存在が大きいと絶賛した。

 初戦に続いて、阪神を圧倒した巨人。その戦いぶりについて、野口氏は「巨人が阪神をガッチリ受け止めて跳ね返している。巨人が強い。先発ピッチャーも危なげないし、この2試合はスキがない」と舌を巻く。亀井と坂本勇がダブルスチールを決めた5回の場面を例に挙げ、巨人が今年のセ・リーグをどのようにして制覇したのかが、この2試合で再確認できたと話す。

「巨人は今年1年間、きちっとした野球をやって勝ち上がってきたのだなというのが、この2試合で改めて分かりました。くだらないミスもそんなにないですし、相手のスキを突いて『いつでも行ってやるぞ』という姿勢は伺えます。例えば、5回に亀井と坂本勇がダブルスチールを決めて、そのあとに犠飛で点を取れたら、普通はその後に坂本勇は動けません。スチールなんて、できないと思います。

 でも、坂本勇はあの場面で『スキあらば』と狙っていました。フェイクかもしれませんが『スキを見せたら行きますよ』という感じでタイミングを取っているように見えました。そういう、ちょっとしたところが非常に大きな差になっています。『また来るぞ』となったら、相手バッテリーは窮屈なピッチングをしなければいけないことにもなりますし、またいつ何をやられるか分からないとなると、窮屈な野球をやっていくしかなくなってしまう。原監督がしっかりとそういう教育を選手にしているのだろうなと感じますね」

 選手1人1人が意識を高く持ち、試合に臨んでいる巨人。それを浸透させているのが今季から復帰した原監督だという。このCSでも、短期決戦を戦いながら戦力を整えていくしたたかさも見せている。

「選手もそうですが、特に原監督がスキを見せてくれません。この試合では投手陣も整備してしまいました。第1戦ではデラロサが危なくて9回途中に代わりましたが、今日は変化球が引っかかって曲がりすぎて福留に死球を与えてしまったものの、あとは危なげありませんでした。デラロサもしっかり立ち直らせてしまった。クローザーが1枚いなくなるのはチームとして非常に大きいことですが、そういうチャンスを得てしっかり立ち直らせてしまったわけなので。さすが原監督だなと感じました」

追いつめられた阪神、ムードを変えるために「鳥谷の1番起用があってもいい」

 そして、その原監督の用兵術で光るのが、亀井の1番起用だ。シーズン途中からリードオフマンに座り、打線を牽引してきたベテランは、このCSでも躍動。この試合も大暴れだった。野口氏は、その働きぶりを絶賛する。

「亀井が本当に機能していますね。あれだけのベテランが初回に二塁打をヘッドスライディングで決めた。それはチームに火がつきますよ。(坂本勇との)ダブルスチールを決めたのも亀井ですし、1番打者として十二分に機能しています。さすがですね。今、12球団で一番イヤな1番バッターかもしれません。しかも、亀井がこうやって塁上でプレッシャーをかけている時に打席に立っているのが坂本勇、丸、岡本となれば、相手バッテリーはたまりません。原監督の用兵のうまさもありますし、試合の雰囲気作りというか、そういうところも含めてトータルでさすが原監督だなと感じますね」

 では、阪神がここから奇跡の逆転突破を果たすことはできないのか。この1敗でかなり状況は厳しくなり、野口氏も「相手の嫌がることを探してやろうとしているのでしょうが、どうしたら嫌がってくれるか。巨人がスキを見せてくれませんから」と難しさを感じているという。そして、「とにかく1回表にビッグイニングを作るとか、そういうことがないと阪神の流れにならない」と指摘。ムードを変えるために提案したのが、今季限りで退団する鳥谷の1番起用だ。

「とにかく初回にビッグイニング。そのくらいのことがないと、完全に傾いている流れはそう簡単には戻ってこないと思います。思い切って鳥谷をスタメンで使ってみてもいいのではないでしょうか。巨人は阿部をスタメンで使っていますから。『1番・ショート』で鳥谷を使ってみたら、ムードが若干変わるかもしれない。このまま何もしないで指をくわえて待っているわけにはいきません。そのくらい動くことはあってもいいと思います。かといって、6、7番での起用ではあまり意味がない。1番というところにポイントがあります」

 鳥谷が1番として打席に立ち、きっちり出塁して、初回にビッグイニングのきっかけを作る。そんな展開に持ち込みたいのであれば、考える価値のある起用法かもしれない。

 圧倒的な強さを見せつける巨人に阪神はどう対抗するのか。巨人がこのまま日本シリーズ進出を決めるのか。最後まで熱い戦いに期待したいところだ。(Full-Count編集部)