ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)は、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の計画を真似るべきだったかもしれない。ジョコビッチは、来年の東京オリンピック対策で有利な位置に…

ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)は、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の計画を真似るべきだったかもしれない。ジョコビッチは、来年の東京オリンピック対策で有利な位置に立ったようだ、とイギリスのExpress紙が伝えている。

彼の最大のライバルである2人、フェデラーとナダルが休養を取っている間に、ジョコビッチは「楽天ジャパンオープン」(日本・東京/9月30日〜10月6日)で戦って、優勝した。2010年以降このビッグ3プレーヤーの中で同大会のトロフィーを手にした選手はいなかった。しかし、来年のオリンピックでは、彼らを始めとする世界の有力選手たちが金メダルを賭けて「楽天ジャパンオープン」が行われた日本の会場・有明コロシアムで戦うことになる。

現在世界ランキング2位のナダルは、2008年にシングルスで金メダルを獲得しているが、フェデラーとジョコビッチはまだ手にしたことがない。だから2人はその名誉ある世界一のメダルを欲している。しかも、そのチャンスは4年に一度しかないのだ。今38歳のフェデラーに、次はないと言っていい。32歳のジョコビッチにはまだチャンスがあるだろう。16回のグランドスラム優勝を果たした彼は、アンディ・マレー(イギリス)の記録をストップさせたいはず。マレーは2012年、2016年(前回)と連続して金メダルを獲得しているのだ。

だから、彼は東京のハードコートに慣れるために「楽天ジャパンオープン」へ出場した。約1万人を収容できるこのコートが、オリンピックの会場となるからだ。ジョコビッチはこの大会の出場選手の中で、ダントツのトップシードであり、すべての試合を有明コロシアムで行った。

ジョコビッチと彼のチームが今回集めた情報が、来年のオリンピックでライバルを倒す時の戦略上で有利に活きてくることは間違いない。そしてジョコビッチは、コートを試しただけでなく、日本の伝統である相撲に触れるなど、東京の人々の心を掴むための努力もしていた。この大会には、最近10年ほどビッグプレーヤーが参加していなかった。ジョコビッチは来年、より多くのファンに応援してもらえるだろう。

だがフェデラーも、東京のファンの心を掴もうと計画していた。10月14日にエキシビションマッチで、日本のスター選手、錦織圭と試合をする予定を入れていたのだ。ただ、錦織はケガのために出場を見送ることとなり、新しい対戦相手はまだ決まっていない。エキシビションマッチが開催されたとしても、有明コロシアムのハードコートで1試合戦っただけでは、ジョコビッチほどにはコートの感触を掴むのは難しいだろう。

大きなトーナメントでは、そんな小さく見える差が、実は大きな差を生むことが少なくないのだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「楽天ジャパンオープン」でのジョコビッチ

(Photo by Koji Watanabe/Getty Images)