激震が競輪界を襲った。前代未聞だと報じたメデイアもあり、最初は大袈裟な表現だと思っていたが……時間が経つにつれて、それが決して大袈裟な表現ではないことを理解。恐らくではあるが、競輪界の今後を危うくする出来事であった。民放やNHKのニュースでも報じられたのは10月3日に起こった車券発売に関するシステムトラブルのことであった。

報道を見ると、異変が起こったのは3日の午前1時過ぎのこと。JKAのシステムが正常に作動しなくなったという。具体的にはファンに提供するオッズが反映されず、さらにメンバー表(番組編成)なども送ることができなかった。必死の復旧作業を続けたらしいが、午前中にその日のデー開催中止・順延が発表された。だが、そこからの対応が後手、後手に回ってしまい、ファンや選手たちの不評を買ってしまうことに。ナイター、ミッドナイト競輪の開催中止が決定したのは第1レース発走の数時間前。ある競輪場ではシステムが復旧したから開催すると、一度、選手に伝えたらしい。しかしながら1時間もしないうちに再度、中止決定が告げられたのであった。まぁ、それだけ情報も錯綜していたということにもなるのだが。

3日夜には翌4日の全開催中止がアナウンスされた。競輪が2日続けて開催中止になったのは前例がない。システム障害自体は過去に何度か起こっているが、それは一時的なものである。2015年8月には前橋競輪が中止になったが、今回のような酷い状況ではなかった。



千葉記念表彰式、競輪ファンの前でシステム障害の案件をお詫びするJKA幹部

今回、最も影響を受けたのは松戸競輪場で予定されていた千葉記念・滝澤正光杯であろう。本来なら3日から6日までの開催だったが、2日間の水入りで5日に初日、8日に最終日・決勝が実施された。問題となってくるのは……この開催の直後に前橋競輪場でG1寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントが開催されるということだ。G1寛仁親王牌の前検日は10日である。8日が千葉記念の最終日になると、千葉記念にも参加していた選手は休みが1日だけになってしまう。関東圏の選手ならまだしも、近畿、中国、四国、九州の選手にとっては大変な事態だ。
また、うがった見方かも知れないが、5日の初日に家事都合という欠場者が2名。以前から違和感を覚えていた『家事都合』、これは一体、何なのか?ということをJKA、選手会はハッキリ説明すべきであろう。開催に参加していた選手が突然の家事都合で欠場することに、どうしても合点がいかないのである。唐突に身内に不幸があった場合は確かに家事都合であるし、事前に決まっていた結婚式や法事などで欠場するのは家事都合で致し方ない。だが、レース当日、前述した唐突な身内の不幸以外の家事都合は発生するものなのだろうか?この部分をJKAはシッカリ説明責任を果たすべきだと考える。

そして、変更された日程(2日の後ろ倒し)で松戸記念を走り、そのまま寛仁親王牌に突入した場合、プロとして最高のパフォーマンスを演じられるのだろうか?そこに大きな疑問が残る。ファン第一を高らかに謳うのであれば、関係団体は日程を真剣に考えるべきであろう。東日本大震災の時、国中が「想定外」と、口を揃えた。そこから「想定外」という言葉はもはや通用しなくなったと言えるだろう。もしも今回のシステム障害を「想定外」だと思っているのであれば恥ずかしい話しである。
今回はシステム上のトラブルだったが、時期的には台風の可能性もあるので、開催中止・順延は十分に考えられたはず。それならば本来は延期を想定した日程を組まなければならないのではないか。しかし、現状はファンや参加選手の気持ちが後回しにされていると言っても過言ではないだろう。
今こそJKAがリーダーシップをシッカリ取らなければならない。不幸中の幸いとでも言うのか、今回は2日間の開催中止・順延で済んだ。仮に復旧がもっと長引いてしまっていたら……G1寛仁親王牌も中止に追い込まれた可能性は否定できない。そうなれば競輪自体の存続さえも危ぶまれていただろう。