東北福祉大が4季連続72度目の優勝、津森は最終回を3人斬り「みんなのおかげで勝てた」

 仙台六大学野球秋季リーグ戦は7日、最終節第3日が行われ、東北福祉大が6-1で仙台大を下し、4季連続72度目の優勝を飾った。ドラフト候補の津森宥紀(4年・和歌山東)は前日の2回戦で満塁本塁打を浴びて敗戦投手となったが、この日は最終回を3人で抑え、ドラフト前最後のリーグ戦登板を締めた。

 最後の打者を右飛に打ち取ると、マウンド上の津森を中心に歓喜の輪ができた。「みんなのおかげで勝つことができました」。安堵の表情を浮かべたドラフト候補。前日はタイブレークの延長10回に満塁弾を浴びて敗れたが、もう負けが許されない決戦は147キロの直球で空振り三振を奪うなど、持ち前の気持ちを前面に押し出した投球を披露した。

 東北福祉大と仙台大はともに8戦全勝で最終節を迎え、2勝して勝ち点を取った方が優勝の天王山だった。5日の1回戦は9-9でタイブレークに突入。延長10回、プロ志望届を提出している仙台大の左腕・大関友久(4年・土浦湖北)から東北福祉大の4番・清水聖也(4年・智弁学園)が満塁弾を放って決着をつけ、13-9で東北福祉大が先勝した。

 6日の2回戦は、リーグ戦初先発の仙台大・長久保滉成(1年・弘前学院聖愛)が8回まで5安打1失点と東北福祉大の打線をピシャリ。しかし、4-1の9回に東北福祉大の3番・永濱晃汰(4年・明秀日立)が3ランを放って同点とし、2戦続けてタイブレークになった。そして延長10回、前日のお返しとばかりに仙台大・川村友斗(2年・北海)がグランドスラム。抑えとして10回から登板した津森から値千金の一発を放ち、8-4で勝った仙台大が優勝へ逆王手をかけた。

前日は6球団のスカウトの前で「人生初」の満塁被弾

 1勝1敗で迎えた3回戦。東北福祉大は1回戦で7失点を喫した来秋のドラフト候補左腕・山野太一(3年・高川学園)が先発。敗れた2回戦後に「明日、投げさせてください」と大塚光二監督に志願しての登板は、前回の反省も生かし、7回1失点でまとめた。打線は序盤に4番・清水の2ランなどでリードを広げ、6-1で9回へ。17日のドラフトで指名を待つ津森がマウンドに向かった。

 1年春からリーグ戦を経験してきた津森は昨年、3年生エースとして14年ぶりの大学選手権制覇に貢献した。しかし、ドラフト上位候補としてアピールするはずだった今年は春先から調子が上がらず、打ち込まれることが多くあった。秋になっても納得いくボールは投げられず、6日には6球団のスカウトの前で「人生初」という満塁ホームランを打たれて敗戦。「でも、スッキリしました」。この1年、気負いから結果を出せずにモヤモヤしていた気持ちが晴れ、この日は「最後だから、思いっきり投げよう」と腕を振り、3人で片づけた。リーグ優勝には「嬉しい」と笑顔を見せたが、ドラフトに関しては「今年はふがいなく、あまりいい結果を残せなかったので待つだけです」と口元を引き締めた。

 仙台大からは最速153キロ右腕・稲毛田渉(4年・帝京)、ともに140キロ後半のストレートを持つサウスポーの大関、小林快(4年・佐野日大)、強肩外野手の佐藤優悟(4年・柴田)がプロ志望届を提出している。稲毛田は今季、4勝0敗、防御率2.16でベストナインを獲得したが、東北福祉大との3試合では打者3人と対峙したのみ。「悪いシーズンではありませんでしたが、期待に応えることができませんでした。もっといいところを見せたかったですが、待つことしかできないので」と心を鎮める。

 1位・東北福祉大と2位・仙台大は明治神宮大会の出場をかけ、今月26、27日に開催される東北地区代表決定戦に出場するが、その前に迎える運命の日。劇的な優勝争いの後にどんなドラマが待っているか。(高橋昌江 / Masae Takahashi)