きのう桜美林大をストレートで下した早大はきょう神奈川大と対戦した。第1,2セットともにペースをつかんだのは早大は、このままストレート勝利で終わるかに思われた。しかし第3セットを逆転されて落すと徐々に歯車が狂い始める。セットカウント2-3(…

 きのう桜美林大をストレートで下した早大はきょう神奈川大と対戦した。第1,2セットともにペースをつかんだのは早大は、このままストレート勝利で終わるかに思われた。しかし第3セットを逆転されて落すと徐々に歯車が狂い始める。セットカウント2-3(25-18、25-21、24-26、17-25、10-15)でフルセットの戦いを制したのは神奈川大。早大は狂った歯車を治すことはできなかった。

 富澤結花主将(スポ4=東京・文教学院大女)の相手コートの隙を突くフェイントでこの一戦は幕を上げた。序盤から主導権をにぎったのは早大。井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)のサービスエース、山下日和(社1=千葉・市船橋)のブロードなどで着実に点差を広げていく。中盤、神奈川大にクロススパイクを含む4連続得点を決められ点差は2点に縮まってしまう。流れが変わるかに思われたが早大は強かった。中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)がバックアタックを含む3連続を決めて神奈川大を一気に突き放す。その後もブレークを重ね7点差をつけて早大がセットを先取した。迎えた第2セット。長いラリーの末に先制点はストレートスパイクを決めた神奈川大のものに。その後は点数を取っては取られの一進一退の攻防を繰り広げた。セット中盤、神奈川大に3連続得点を取られ14-15に。負けじと早大も橋本美久(社2=福島・郡山女大附)の華麗なトスからの植松知里(文構3=香川・高松第一)のスパイクを含む4連続得点を上げ一歩前に出た。しかし神奈川大も食らいつく。早大ブロック陣の間を抜けるスパイクなど4連続得点を決めて18-19。ここで早大はタイムアウトを選択。見事功を奏したのか20-21の場面から富澤の強烈なスパイク、山下のブロードを含む圧巻の5連続得点を決めてセットを連取した。


アクシデントで緊急出場した吉内

 ストレートで勝ちを決めたい第3セット。早大は富澤、中澤、山下といったポイントゲッターにトスを集めて順調に点数を重ねていく。17-18から中澤のスパイクを含む4連続得点で早大が3点リード。チームの雰囲気も上々になりこのまま試合は早大の勝利で終わるかに思われた。しかし、今度は神奈川大のブロックやスパイクなど4連続得点が決まり途端に形勢逆転。早大は食らいつこうとするも止められず。最後はツーアタック、ダイレクトを連続して決めた神奈川大。第3セットをもぎ取った。嫌な流れを断ち切りたい第4セットだったが早大は序盤からペースをつかむことができない。9-14と大きくリードを許している場面。アクシデントが早大に降りかかった。一年生ながらチームの勝ちに貢献してきた山下がブロードを決めた直後、着地に失敗し足を負傷してしまったのだ。そこで山下は試合から離脱。代わって普段はオポジットとしてプレーする吉内文(スポ3=山口)が急遽ミドルとして出場した。山下の穴を埋めるべくアタッカー陣はさらにギアを上げていく。しかしトスフェイントなどで隙をどんどん突かれた早大は第4セットも奪うことはできなかった。

 最終セット、第4セット同様に主導権を早大はつかむことができない。富澤の一枚ブロックなどで神奈川大に対抗するも序盤から2-7とかなり点差が開いてしまう。このままでは終われない早大。3-8で富澤のバックアタックを皮切りに6のブロックアウトを誘うスパイクなどを決めて一気に6-8とした。しかし流れが変わることはなかった。このまま神奈川大リードのまま試合は運ばれ最後は早大のスパイクをシャットアウト。ブロックを決めた神奈川大に早大が大逆転負けを喫した。


サービスエースを奪った井上

 一年生エースの一人である山下が離脱することはチームの中で先の見えない不安を生み出すかもしれない。しかしその闇の中で光を見つけてチーム全員が『笑顔』で勝利を勝ち取れる日はきっと来るだろう。まずはリーグが一旦休止するこの1週間の使い方が何よりのカギだ。

(記事 萩原怜那、写真 西山綾乃、名倉由夏)

セットカウント
早大25-18
25-21
24-26
17-25
10-15
神奈川大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
センター 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)
センター 山下日和(社1=千葉・市船橋)
ライト 植松知里(文構3=香川・高松第一)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 梨本未央(社3=東京・駒場)
コメント

馬場泰光(平8人卒=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

本当は3セットで勝つべき試合でしたが、そこを取り切れなかったことが大きな敗因だったなと思います。

――今週から導入されたリベロを2枚使うシステムはうまく機能していたように見えましたが、監督としてはいかがですか

後から合流したメンバーがうまくチームに馴染んでいい効果を出してくれたと思います。

――第1セット、第2セットは良かった反面、第3セット後半以降は相手に流れを持っていかれてしまったと思います。その要因は何だと考えていますか

ほとんどうちからのミスだったと思いますね。アタックミスが増えてしまって取るべきところで取れていなくて、自分たちでリズムがうまく作り出せなかったです。そこを相手に隙をつかれて逆転されたという感じだったと思います。

――山下選手がケガをされた後、どのように立て直そうと考えていましたか

やるべきことは変えないですし、得点を取れる富澤と中澤を中心にやっていくということです。山下も前3枚だけで後ろに下がった時はいつも通りのチームですから、特にやり方は変えずに山下の分まで頑張ろうという声がけをしました。

――次戦への意気込みをお願いします

けが人も出てしまったのでチームの組み方とか戦い方とかを変えなくてはいけないですが、1週間の時間があるということは我々にとっては不幸中の幸いであると思うので、上位リーグの中でいい結果が残せるように頑張りたいと思います。

吉内文(スポ3=山口)

――きょうの試合全体を振り返って、チームとしていかがでしたか

私が言えることではないのですが、とにかく3セット目を取り切れなかったことが敗因のすべてというか、一番大きかったのかなと思います。

――選手の怪我があり、予想していない形での交代出場となったと思うのですがどのような心境でコートに入られましたか

今まで入ったことのないポジションだったので混乱はしていました。自分にできることは限られていたので、とりあえず心配を顔に出さないようにということぐらいしか考えられなかったです。

――3セット目が終わってから相手を追いかける局面が多くなったと思うのですが、コート内の雰囲気はいかがでしたか

焦りですね。ずっと焦っていたなというのは、コートの外でも中でも感じていました。

――きょうで総当たりが終わり再来週から上位と下位分かれての戦いとなりますが、これからに向けて一言お願いします

おそらく上位に入ることができたとは思います。まだどうなるか分からないですが後半は入替戦にも繋がる大事な試合もあると思いますし、春リーグでは後半の上位リーグで負けが続いてしまったので、ベストな状態で臨めるように一週間空く中でしっかり調整していきたいです。

中澤恵(スポ1=大坂・金襴会)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは普段だったら勝てる相手だったと思うし、最後はけが人も出てしまって、普段レギュラーで出ているメンバーで勝ちきれませんでした。振り返ってみると、3セット目を勝ちきれなかったり、普段通りのメンバーだったのにストレートで勝てなかったりというのが一番の反省かなと思います。

――相手の印象はいかがでしたか

1セット目ではあまり攻めてこないなと思いましたが、2セット目からはサーブなどで攻めてきたのでそこで自分たちが守りに入って攻めきれなかったので、そこが敗因かなと思います。

――3セット目から流れが相手に傾いてしまいましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか

1,2セット目に決まっていたスパイクが決まらなかったり、上がっていたボールが上がらなかったりと、おかしいなという感覚が自分たちにはありました。そこを立て直せない気持ちがあったので攻めきれませんでした。3セット目も1,2セット目の感覚でできたらよかったと思います。

――相手の無回転のサーブに苦しめられているなという印象を受けました

レセプションを返せないと自分たちみたいに打つ人が決まっているチームは苦しくなってしまうので、レセプションをしっかり返せるように来週一週間空くので、そういうところを練習して新しく上位リーグで頑張りたいと思います。

――相手からのコーナーを突いたスパイクに苦戦していました

落ち着いて相手を見られる点は自分たちも見習うべきだなと思いますし、きょう感じた奥を突いてくるプレーはお互い嫌なことだと思うので、もっと相手にそうしたプレーをやっていけるように、自分たちもスパイク練習で意識していきたいと思います。

――ご自身のスパイクがアウトになることが多くありましたが、それは狙いすぎた結果だったのでしょうか

自分が打ち切らないと得点にならないことが多いローテーションがたくさんあるので、そこは攻めました。しっかり入れて点数に繋げないとチーム的にも苦しいし、勝ちには繋がらないと思うので、そこで決められる選手になりたいです。

――山下(日和、社1=千葉・市立船橋)選手がけがのため途中で抜けましたが、チームの状況はいかがでしたか

正直元々ミドルをやったことのない人が最終的にミドルを任されることになったし、焦りや不安は大きかったですが、切り替えや諦めないでやろうという声はチームでかかっていたので、5セット目負けてしまいましたが最後まで戦い抜けたかなと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

総当たりが全部終わって上位リーグに行けると思うので、入れ替え戦で勝って目標の1部に昇格することが絶対条件になるので、そこで1位2位に絶対入って1部に昇格できるように頑張りたいと思います。