東京六大学野球秋季リーグ戦 第4週 明大2回戦
2019年10月6日(日)
神宮球場

 
 昨季王者から先勝し、開幕5連勝の中迎えた今日の一戦。先発のマウンドは今季未だ防御率0.00の高田孝一(法3)に託された。その高田孝は今日も安定した投球を見せ序盤を無失点で抑えると、3回、昨日の試合から先発出場している中村迅(営3)の適時打で先制に成功する。高田孝は5回に今季初失点を許すも、先発の役割を十分に果たし、その後は鈴木昭汰(キャ3)、内沢航大(キャ4)、三浦銀二(キャ2)とリレー。この投手リレーが今日も功を奏し、2点を守り切った法大。2—1で勝利し、無傷の開幕6連勝となった。

 

戦評

 現在開幕から5連勝と絶好調の法大。昨日は大学生屈指の右腕と呼び声高い森下暢仁擁する明大に2-0と見事勝利。今日も勝利し、明大から勝ち点1を奪取したい。秋連覇のためには負けられない戦いが続く。

 先発を任されたのは試合開始前時点で防御率0.00と圧倒的な安定感を誇る高田孝一(法3)。今日も何としてでも明大打線を抑えて欲しい。立ち上がりから140㌔後半の直球を武器に凡打の山を築いていく。対する法大の1回の攻撃。初回から常総学院コンビが存在感を発揮する。試合前まで打率が.095と好調とはいえなかった宇草孔基(営4)が2球目の直球を見事中前に運び出塁。その後すかさず盗塁を決める。その後中村迅(営3)が堅実に犠打を決め、先制の好機を迎える。しかし、明大先発の伊勢大夢を前に3番、4番が凡退。無得点で初回を終える。

 2回表も一塁手・中村迅の好守などで無失点に抑える。両投手の見事な投球の前にこのままこう着状態が続いていくように思えた。しかし、3回裏、2死から9番・高田孝が右前へ見事に運び、自らのバットで塁に出る。1番・宇草もこの日2安打目となる右前安打を放ち好機を広げる。そして迎える打者は2回表に好守を見せた2番・中村迅。ワンボールツーストライクで迎えた4球目、右中間を破る渾身の一打で走者一掃となる2点適時二塁打を放った。現在の法大の好調ぶりを象徴するかのような見事な一打であった。

先制の適時打を放ち、先発起用に応えた中村迅

 だが昨季覇者・明大も黙ってはいない。5回表に二死から昨日2安打の添田真海が二塁打で出塁すると、暴投で走者を三塁に進めてしまい、続く2番・陶山勇軌が一塁への適時内野安打で1点差に。しかし、3番・北本一樹を中飛に打ち取ると、高田孝はマウンドで吠えた。その裏に代打・清水俊作(文4)の左線へ抜ける二塁打で突破口を開くも後続が続かず0に終わる。

 6回表からは昨日に引き続き、鈴木昭汰(キャ3)がマウンドへ。走者こそ出すものの動じず、落ち着いた投球を披露。6回裏にはまたも好機を演出するが、6番・相馬優人(営4)のスクイズが失敗し、得点には至らない。回またぎの登板となった鈴木は三振を2つ奪い、7回表も無失点で切り抜ける。8回表には内沢航大(キャ4)が登板。角度ある直球で相手打線を封じ、クローザー・三浦銀二(キャ2)へとバトンを渡した。9回表、満を持しての登板となった三浦は抜群の安定感を見せ、明大に仕事をさせない。この回もスコアボードに0を刻み、2—1で僅差の試合をものにした。

昨日に続き好投を見せた鈴木

 明大との今日の一戦、相手に流れが行ってしまえばずるずると行ってしまいそうな場面が何度かあった。しかし、そこでしっかりと踏ん張れたのは試合後、青木久典監督が「『誰かが』というわけではなく、『みんなが』ひとつになっている」とコメントした通り、チームが一丸となって戦っているからであろう。次戦の相手は宿敵・慶大。昨秋に涙をのんだ相手だ。『結束優勝』に向けて、絶対に落とせないカード、彼らならきっとやってくれる。

(海津航)

クローズアップ:中村迅

 「自分も何とかつなごうという思いで打席に立ちました」と静かに話すのは、今季の明大戦から念願の先発出場を果たしたばかりの中村迅(営3)だ。

 春季リーグで度々代打で出場したが、無安打が続きなかなか起用に応えることができなかった。明大1回戦目で本塁打を放つものの、7打数1安打打率.143と中村にとって悔しい春であった。そんな中村迅に転機が訪れる。先々週に行われた立大2回戦に、代打で途中出場。そして、あわや本塁打かと思われた二塁打を放つと、今週の明大戦で待望のスタメン出場を果たす。4年生が多く先発出場する中、2番という上位打順に新たな起爆剤が顔を覗かせた。

 今日の試合では、3回裏に高田孝一(法3)が右前打で出塁すると、常総学院高校の先輩でもある宇草孔基(営4)も右前安打を放ち、好機を作り出す。長打が出れば先制というチャンスで、打席には中村迅。初球から果敢にバットを振り、甘い球を見逃さず右中間を破る二塁打を放った。この一打で高田孝と宇草がホームに生還。貴重な先制点をチームにもたらし、昨季王者明大から勝ち点奪取に大きく貢献した。

 春から目指していたスタメン出場を果たし、打撃面でも守備面でもチームを引っ張る中村迅。次週迎えるは同じく無敗である慶大だ。「山場になってくると思う」。今季一番の正念場に向けて、中村迅は静かに闘志を燃やす。

(山岡菜月)

監督インタビュー
青木久典 監督

—明大戦を振り返って

まず、昨日今日と勝つことができて、勝ち点を取れて良かったです。ほっとしています。

—2試合とも安本選手を代えて、中村迅選手を起用しました

春も明治戦に代打でホームランを打っていたりしますし、相性がいいというところですね。状態も今いいので。明治さんは右ピッチャーが多いですし、思い切って、安本の調子も上がってこないので若い彼に託しました。

—初戦、西山選手には代打でスクイズを命じました

やっぱり最後に1点欲しくて、追加点が欲しかったので、思い切って彼にやってもらいました。

—また、三浦投手を8回に繰り上げて登板させましたが、どのような気持ちで送り出しましたか

三浦にはもう状態が良くなってきているから2イニング行くよ、とは話していましたので、8回から投げさせるのは想定内かなと思います。ただ、ああいうピンチのところで行かせるのはなとは思ったんですけれど、でもああいう状況下では彼しか託せないかなと思って思い切っていきました。

—朝山投手、高田孝投手と両先発がいい状態をキープしています

本当ですね。彼らがゲームをしっかり作ってくれるおかげで野手陣もそこまで点は取ってませんけど、少ないチャンスをものにできる、集中して打席に立てるのではないかなと思います。本当にあの2人が調子のいい悪い関係なくゲームを作ってくれるというのは本当に大きいなと、すごい成長したなと思います。

—今日2イニングを投げた鈴木投手もブルペン陣にとっては欠かせない投手だと思います

おっしゃる通りで、彼が出てきてくれたのは大きいですね。石川(達也、キャ3)の状態があんまりだったので、代替じゃないですけれど、本当鈴木はいいピッチングをしているなと、ボールに力も出てきましたし。彼は本来、先発で行けるピッチャーなので、ロングリリーフができるから彼がいると大きいですね。

—投手陣が好調な中で、何回に誰が行くという決まった形のようなものは決めている

シュミレーションは色々と考えるんですけれど、いいパターンでしたね今日のような感じは。いずれにしても、先発がゲームを作ってくれるかどうかという部分がひとつの分岐点になってくるんですけれどね。シュミレーションは何パターンか組んであります。

—野手は守備でも好プレーがいくつか飛び出しています

守備は今も、バッテリーがいいテンポで、またいいリズムでああやって0点で抑えてくれるわけだから、そういうのが野手にもそのようなリズムがファインプレーが出るような要素が出てきてるのではないかなと思います。相乗効果のようなものですね。

—リーグ最小失点の法大、その要因のひとつとして守備力の向上が挙げられます

おっしゃる通りですね。守備陣もしっかりやっていますし、そういう意味では、チーム一丸というんでしょうかね、『誰かが』という訳ではなく、『みんなが』ひとつになっている、そういうようなものが非常にいいんじゃないかなと思います。

—小技を使って得点を取りに行く場面が今シーズン多く見られます

場面場面だと思うんですけれど、1点欲しいときは勝負をかけますし、最後にダメ押しが欲しい時は4番だろうがクリーンアップだろうがバントをしなきゃいけない時だってあると思いますし、そういうふうに打順が巡ってきて、そのようにしてるだけですね。

—そのようなプレーで得点を取るとチームがまとまり、実際にベンチの雰囲気も明るいように見えます

そうですね。仕事を全うして、決めた時にチームがすごく、ぐっとこうモチベーションがアップするのでそういうのは非常にいいなと思います。最近無かったような気がしたので、盛り上がっていいなと思います。

—これで開幕から6連勝、優勝も見えてきたのでは

いや、まだまだしっかり気を引き締めなければならないと思います。まだまだゲームの中で課題はありますし、慶応さんには春もやられて、昨年の秋もやられていると思うので、そういう意味では侮れない、まだまだだと思います。

—その侮れない相手・慶大との対戦が来週に控えますが対策は

まだ何も考えていないです。一戦必勝できたので本当に何も考えられない状況なので、ゆっくり今日明日ぐらいで考えたいなと思います。

—次週に向けて

いい流れで来ていますから、勢いで慶応戦に臨みたいと思います。課題をしっかり潰して、準備万端で向かいたいなと思います。

 

選手インタビュー

福田光輝 主将

ー今日の試合を振り返って

勝ち点を取れたので、良かったです。

ー中村迅選手が2打点の活躍でした

いいところでああやって打ってくれたので、チームとしても本当に大きな2点だったと思います。

ーチームの雰囲気は

当然勝ってるので悪くはないですし、次のカードもあるのでしっかり準備してやっていきたいです。

ーチームメートにはどんな言葉を

自分たちばかりが良い流れでやれることは少ないと思うので、難しい流れになってしまった時に気持ちで退かないように、どんな時でも攻めていけるように、という声かけはしています。

ー投手陣の印象は

なんとか最少失点で切り抜けてくれているので、春よりはよくなった感じはあります。

ー慶大戦へ向けて

大事な試合になってくるので、やれることをこの1週間でしっかり準備して、最近(慶大には)やられているので、意地でも勝ち点を取れるように、やっていきたいと思います。

 

宇草孔基 副将

ー今日の試合を振り返って

本当に勝てて良かったです!

ー開幕6連勝です

1試合1試合一戦必勝でやってきた結果がこの6連勝に繋がったなと思いました。6連勝というよりは1試合1試合必勝という感じです。

ー昨日の無安打から今日に向けての調整は

修正ポイントが少しあったのでそれをしっかり取り組んで原点に立ち返って打席に立ちました。

ーその結果、今日はマルチ安打です

自分がやってきた原点というのは大事なことだなと思いましたし、ブレちゃ駄目だなと思いました。

ー中村迅選手がホームに返してくれました

常総学院の後輩で、練習にひたむきに取り組んでたので打ってもらってうれしかったですし、2人の連打で点が取れたいうのは凄くうれしいです。

ーベンチに帰ってからかけてあげた言葉などは

いつもしゃべっているので「ナイスバッティング!」ってひっぱたいてやりました(笑)。

ーコンディションに関しては

良くはなかったです。

ー来週の相手は3季連続で勝ち点を落としている慶大です

いやもう意地でも勝ちます。その気持ちを高めていって勝ちたいなと思います。

ー意気込みをファンの皆様へ

本当にすごい声援を感じていてありがたいですし、とても力になってるので自分たちも全力で戦うので応援よろしくお願いします。

 

高田孝一 投手

ー今日の試合を振り返って

全体的にフォームの調子はあまり良くなかったんですけど、悪いなりに試合を作ることができたので良かったと思います。

ー試合前まで防御率0・00だった中、5回に今季失点を喫しました

いつか取られるだろうとは思っていました。なるべくチームのために最小失点で切り抜けられたのは良かったんですけど、あの点数の取られ方は僕のミスでもあったのでそこは反省しています。

ー3回に先制の得点につながる安打を放ちました

まっすぐだけ狙って思いっきり振ったら当たったのでよかったと思います。

ー打撃好調の秘訣は

野手の方々より、良い意味で考えすぎず打席に立てているかなと思うので、そこが秘訣だと思います。

ー前回登板から準備していたことは

1週空き週を挟んだので、身体のリカバリーを中心に行ったんですけど、空き週を挟むとなると僕自身難しいものがあったので、ちょっと不安があったのですが、なんとかまとめられてよかったと思います。

ー次の慶応戦は秋連覇に向けた負けられない戦いになると思います

チームで勝ち点がなかなか取れてないですし、自分自身も慶応戦でいいピッチングで貢献できていないので、チームに貢献できるよう準備していきたいと思います。

 

鈴木昭汰 投手

—今日の投球を振り返って

自分の自信のあるストレートで押せたのが良かったと思います。

—昨日も良い投球を見せましたが、明大対策はどのようにしてきた

良いバッターや足の速いバッターがたくさんいるので、そこに要注意していました。自分の自信のあるボールが真っ直ぐなので、それでファウルを取って、次に自信のあるスライダーで空振りを取ったり打たせようとしました。今日それができたことが良かったと思います。

—7回には代打で打席に立った森下暢仁選手との対戦がありました

びっくりしました。接戦の終盤の場面で森下さんが出てきて、もし一本打たれたとしたら流れが明治にいってしまうので、そこだけは絶対に抑えないといけないなと思って投げました。バッターとしても素晴らしいバッターなので、1人のバッターとして僕は見ています。

—チームは開幕から6連勝です

本当にとても良い状態で、次の慶応戦は一番山場の試合になるので、勝って優勝に近づけたいと思います。

—投手陣の力が大きいと思います

春は投手陣としてすごく悔しい思いをしたので、どうしても借りを返したくて練習してきました。次が本当に大事になってくるので、ピッチャー陣全員で勝てるようにやっていきたいと思います。

—次回登板に向けて

また次の出番が来たらしっかり自分の役割を全うできるように、しっかり準備して頑張りたいと思います。

 

中村迅 内野手

ー今日の試合を振り返って

勝ち点が取れたので良かったです。

ー3回裏に2塁打を放ち、それが先制点になりました

何とか抜けてくれって言う思いで、走っていました。

ー2打点という結果について

チームが勝ったので良かったです。

ー守備も光りました

自分のところに来たボールは裁こうという強い気持ちでいました。

ー同じく常総学院出身の宇草選手と並ぶ1、2番という打順について

(3回裏に)宇草さんが出塁してくれたので、自分も何とかつなごうという思いで打席に立ちました。

ー立大2回戦で、あわや本塁打という打球を放ちましたが、打撃は好調か

はい、まあまあいいですね(笑)。

ーこれで6連勝となりましたが、チームの雰囲気は

本当に今良い状態です。来週の慶応戦が山場になってくると思うので、そこに向けて1週間しっかり調整していきたいです。

 

(フォトギャラリー)

先発した高田孝は今日も安定した投球を見せた
2安打を放ち、調子を上げてきた宇草
鈴木は昨日に続き、見事なリリーフを見せた
5回に代打で出場し、二塁打を放った清水は塁上で笑顔を見せた
プロ志望届を提出している内沢も好調を維持
ベンチのサポートが6連勝に結びついている
今カードでは青木監督の采配が光った
開幕から無傷の6連勝となり、笑顔を見せる法大ナイン