10月6日(日)、熊本でのラグビーワールドカップ初戦となるプールCのフランス(10月6日現在世界ランキング7位)対トンガ(同16位)の試合が行われた。会場となった熊本県民総合運動公園陸上競技場には、大会を待ちわびたラグビーファン28,477名が駆けつけ、熱い声援を送った。

フランスは2勝目を挙げた10月2日のアメリカ戦から中3日での試合。現在勝ち点9、決勝トーナメント進出に向けてプールCでイングランドに次いで2位につけている。連戦での疲労を考慮し、ジャック・ブリュネルHCはアメリカ戦から11人の選手を入れ替えた。

一方、初戦でイングランドに3-35、2戦目はアルゼンチンに12-28で敗れて2戦2敗と後がないトンガは、熊本で巻き返しを図った。次回のワールドカップ出場権、プール戦3位の獲得がかかった、勝ち点が求められる試合となった。

試合はフランスのキックオフでスタート。キックを多用して相手陣内でのプレーを試みるフランスが先制する。前半3分、SOロマン・ヌタマックのPGで3-0とすると、5分にはトンガのラインアウトが乱れたところを、自陣から大きく右に展開。タッチライン際でパスを受けたWTBアリヴェレティ・ラカが鋭いステップで中央に走り込み、CTBヴィリミ・ヴァカタワのトライにつなげて8-0、SOヌタマックのキックも決まり10ー0とリードする。

トンガは自慢のフィジカルを生かしたFW戦に持ち込み、主導権を握りながらもスコアを動かすことができない時間が続く。均衡を破ったのはフランスだった。前半32分、SHバティスト・セランの素早いリスタートからWTBラカが左サイドを突破し、自らのキックをキャッチしてインゴールに飛び込む。ゴールも決まり17-0とする。

前半終了間際の40分、トンガが意地を見せる。泥臭く肉弾戦に持ち込み、SHソネタネ・タクルアがトライ。自らコンバージョンゴールを決め17-7で折り返すと、後半は息を吹き返した。トンガは勢いそのままに後半7分、自陣からキャプテンのCTBシアレ・ピウタウのロングキックをCTBマリエトア・ヒンガノが猛然と追いかけトライ。SHタクルアのゴールも決まり17-14と3点差に迫る。

苦しい時間帯が続くフランスは11分、19分にSOヌタマックの連続PGで確実に得点を重ねて23-14とする。フレッシュな選手を入れ替え、ゴールラインまで詰め寄るが反則やミスが重なり得点できない(ただし失点もせず)。残り10分あたりからキックでエリアを挽回して手堅く試合を進める。

時間がなくなってきたトンガは接点で力勝負に持ち込む。最後まで攻めの姿勢を見せ、後半39分にキックパスからFLザネ・カペリがトライ、途中出場のSOラティウメ・フォシタのゴールが決まり2点差に追い詰めたが、時間が足りず23-21。スコアをひっくり返すには及ばずプール3連敗となった。

試合を終えて、フランスのブリュネルHCは、

「今日の目標はもちろんトーナメント進出でした。なかなか簡単ではありませんでしたね。非常に難しいプールでしたので、一歩ずつ階段を上って行きました。困難なこともありましたが、何はともあれ通過しました。満足しています。ただ、試合は心配していませんでしたが、満足のいくものではありませんでした」

と、結果自体は評価したものの内容面では満足しなかった。

トンガのトウタイ・ケフHCは、「かなりフラストレーションが溜まった。また最初にいいスタートが切れなかったが、最後は違ったように見えたのではないか。選手たちは非常によくやった。試合を追うごとに良くなってきていることは明らかだ」と振り返った。

勝利したフランスは総勝ち点を13に積み上げ、イングランドに次ぐ早さで決勝トーナメント進出を決めた。10月12日(土)の最終戦は横浜国際総合競技場でプール首位のイングランドと対戦する。

プール敗退が決まったトンガは10月13日(日)東大阪市花園ラグビー場でアメリカと戦う。

◇したたかに勝ったフランスが決勝トーナメント進出

勝てば決勝トーナメント進出が決まるフランスは、トンガ戦は結果こそすべてであった。序盤からキックを多用して、敵陣で試合を進めることを常として。作戦通り、常にリードする展開で試合が進む。後半は3点差に追い詰められる場面はあったが、SOヌタマックの連続PGで確実に1トライ1ゴールでは追いつけない点差をキープした。

ただ、ブリュネルHCが「今日の目標はもちろんトーナメント進出でした。なかなか簡単ではなかった」と話したように、トンガのフィジカルを全面に出した力技に苦戦した。それでも「困難なこともあったが何はともあれ通過した。満足している」(ブリュネルHC)と語り、ひとまずミッション成功へと導いた。