WRC第12戦ラリーGBはすべてのSSを終えて、トヨタのオィット・タナックが優勝、2位にはヒュンダイのティエリー・ヌービル、3位にはシトロエンのセバスチャン・オジエが入った。 競技最終日はSS18〜SS22の計5SS、38.42kmという…

WRC第12戦ラリーGBはすべてのSSを終えて、トヨタのオィット・タナックが優勝、2位にはヒュンダイのティエリー・ヌービル、3位にはシトロエンのセバスチャン・オジエが入った。

競技最終日はSS18〜SS22の計5SS、38.42kmという短い設定。タイムを詰めづらい反面、ロスを挽回するチャンスも少なくなるため、気の抜けない戦いが続く。注目のオープニングステージ、SS18はタナックがベストタイム。渾身の走りを見せたヌービルを0.1秒上まわってみせた。続くSS19ではMスポーツ・フォードのエルフィン・エバンスが力走を披露し一番時計。総合順位でもヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンを逆転して5番手に浮上した。このSSでヌービルは2番手タイムをマークするが、タナックも0.2秒遅れのSS3番手タイムを刻み、その差を詰めさせない。



残されたSSはこれで3つ。しかし海沿いの断崖を走るSS20グレート・オームは安全上の理由でキャンセルに。4.74kmの短いSSではあるが、ヌービルにとっては厳しさの増す展開となってしまった。SS21は、エバンスが今大会7度目となるベストタイム。ヌービルはSS2番手タイムをマークしたものの、タナックとの総合タイム差は9.5秒あり、実質的な首位争いはここで決着したと言えるだろう。焦点は最終パワーステージでのボーナスポイントへと移された。

迎えた最終SS、トップ3最初の走者はオジエ。渾身の走りでそれまでチームメイトのエサペッカ・ラッピが記録していたタイムを0.4秒上まわり、暫定ベストタイムを更新してみせた。続いてコースインしたヌービルは暫定4番手タイム。そして最後にコースインしたタナックはところどころバンクにヒットするシーンも見せながらも攻めの走りを見せてオジエのタイムをさらに0.4秒上まわる文句ナシのベストタイム。フルポイントを獲得してシーズン6勝目、自身通算12勝目をモノにしてみせた。



首位タナック、2位ヌービル、3位オジエに続く4位はトヨタのクリス・ミーク。マニュファクチャラーズ選手権ポイント獲得のため、後続を押さえてきっちりと完走してみせた。5位はベストタイムを連発する走りを見せたエバンス。6位はミケルセン、7位にはMスポーツ・フォードのポンタス・ティデマンド、8位はヒュンダイのクレイグ・ブリーンが入っている。



これでドライバーズ選手権ではタナック240点、オジエ212点、ヌービル199点。ここでフルポイントを重ねたタナックが一歩抜きんでた印象だが、選手権の決着は最後の最後まで目の話せない展開となりそうだ。マニュファクチャラーズ選手権ではヒュンダイ340点、トヨタ332点。1-4位フィニッシュを達成したトヨタがヒュンダイとの差を一気に詰めている。

また、WRC2Proではシュコダ・ファビアR5 Evoのカッレ・ロバンペラが勝利を飾り、WRC2Proの初代チャンピオンを獲得してみせた。WRC2ではフォルクスワーゲン・ポロGTI R5のペター・ソルベルグ/フィル・ミルズが堂々の勝利。2002年にWRC初勝利、2003年にドライバーズチャンピオンを獲得した英国の地で有終の美を飾った。勝田貴元は総合14位/RC2の6位で完走を果たしている。



次戦は10月24日〜27日に開催されるWRC第13戦スペイン。チャンピオンシップも残すところあと2戦となり、その行方に注目が集まる。初日にグラベル、2日目以降にターマックを走るミックスサーフェイスラリーには、勝田貴元が再びヤリスWRCで参戦する。

WRCラリーGB 暫定結果
1. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) 3:00:58.0
2. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +10.9
3. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) +23.8
4. K.ミーク(トヨタ・ヤリスWRC) +35.6
5. E.エバンス(フォード・フィエスタWRC) +48.6
6. A.ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) +58.2
7. P.ティデマンド(フォード・フィエスタWRC) +5:23.8
8. C.ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC) +9:25.0
9. K.ロバンペラ(シュコダ・ファビアR5 Evo) +10:51.1
10. P.ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +11:36.1
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14. 勝田貴元(フォード・フィエスタR5 MkII) +14:12.6