リーグ戦も中盤に差し掛かっているこの日、早大は神奈川大と対戦した。両者とも10戦中わずか2勝と崖っぷちにいるため、負ければ降格の2文字も見えてきてしまうこの試合。序盤から両校の意地と意地がぶつかり合う展開となる。立ち上がりはどちらも順調…

  リーグ戦も中盤に差し掛かっているこの日、早大は神奈川大と対戦した。両者とも10戦中わずか2勝と崖っぷちにいるため、負ければ降格の2文字も見えてきてしまうこの試合。序盤から両校の意地と意地がぶつかり合う展開となる。立ち上がりはどちらも順調で、得点を奪い合った。しかし、途中で早大の攻撃の歯車が狂い始める。それまで良いリズムだった攻撃がうまくいかず、ミスが続くと、あっという間に10点差。第2Q(クォーター)でなんとか持ち直すものの、依然追いかける展開で後半を迎える。第3Q開始2分、F宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)のフリースローを合図に、3ポイントシュートが決まり始め、流れは一気に早大へ。先ほどとは反対に、神奈川大に10点差をつける。良い流れのまま第4Qに入ると、焦る神奈川大に点差を縮めさせず、77−68で大きな3勝目を手にした。

  早大の試合の入りは悪くなかった。G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)とG土家大輝(スポ1=福岡・福大大濠)を中心に得点を重ね、攻撃のリズムを作る。しかし、神奈川大も負けてはいない。第1Q残り4分で早大のミスが目立ち始めると、神奈川がわずか3分ほどで、一挙9得点の猛攻。さらに、残り10秒のところで神奈川大に3ポイントシュートを2本決められ、10点差つけられてしまう。悪い流れのまま第2Qを迎えた早大であったが、F津田誠人(スポ2=京都・洛南)を中心にインサイドで確実に点をとり、失点を一桁に抑えるなど、徐々に自分たちのペースに戻していく。ところが、第1Qと同様にブザービートを決められ、なかなか追いつくことができない。


チームハイの21得点で勝利に大きく貢献した宮本

  30−34と4点ビハインドの早大。しかし、第2Qの様子から、すでに逆転の兆しは見えていた。宮本のフロースローで同点に追いつくと、F高阪俊介(社4=東京・早実)のスリーポイントシュート、津田のバスケットカウントなど早大の攻撃力が爆発する。止まらないのは宮本。スリーポイントシュート、バスケットカウントなど、第3Qだけで13得点をマークする。終わってみれば、第3Q終了時点で56−46と逆転に成功。運命の第4Qを迎える。勢いに乗った早大は、時間がなくなる中で焦り始めた神奈川大に点差を詰めさせない。そのまま相手を寄せつけず、77−66で勝利を収めた。


安定したプレーを見せた土屋

 ここまで10戦2勝と苦しい状況であった早大は、同じく苦しい状況にあった神奈川大を突き放すことができた。この1勝は大きい。中と外のバランスの良い攻撃と粘り強いディフェンス、そして10点ものビハインドをもひっくり返す力が今の彼らにはある。また、逆転で勝利を手にできたことも彼らにとって自信につながるだろう。しかし、未だ崖っぷちにいることにも変わりはない。この試合を経て、またもう一回り成長できた彼らの、これからの逆襲に大きな期待がかかる。

(記事 内海日和、写真 工藤竜輔)

第56回関東大学リーグ戦
  1Q2Q3Q4Q合計
早大1515262177
神奈川大25122268
F#7 宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ2=京都・洛南)
G#12 土屋大輝(スポ1=福岡大大濠)
G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
C#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
コメント

F髙阪俊輔(社4=東京・早実)

――どのような対策をして臨まれましたか

相手は以前戦ってきた他のチームよりもわかりやすく、1人ずば抜けた選手がいて、その選手をどう止めるかというのと、正直その人をゼロ点に抑えるのは無理なので、点を取られてもいい形と点を取られてはいけない形を徹底して、他の選手にもやられないように1週間練習してきました。

――神奈川大の小酒部選手とのマッチアップはどうでしたか

相手の方が自分よりも上手いですし、身体能力も高いのですが、やはり気持ちの部分では負けちゃいけないなと思っていたのと、あとチームのルールを徹底するというところは意識していたんですけど、やはり最初そこを徹底できなくて何本かやられてしまったのでそこの部分は反省したいなと思います。

――オヘェンスリバウンドなど体を張ったプレーも見られましたが、個人のプレーを振り返っていかがですか

オフェンスリバウンドや体を張ったプレーなどは4年生として一番率先してやっていかなければならないので、今日はそこの部分ができたのかなと思いますが、明日はそれ以上に努力していきたいなと思います。

――4年生として最後のリーグ戦、どのように望まれていますか

僕自身試合に出るようになったのはこのリーグ戦が初めてなので緊張しちゃうなど結構なれない部分があるんですけど、やはりまあ4年生としてチームを引っ張って勝利に貢献できたらなあと思います。

F宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)

――どのように試合に臨まれましたか

1週目やっぱり厳しい状態で法政大学にも負けてしまって、下位で戦っているので、絶対今日は負けられないという気持ちで戦っていました。

――今日はオフェンスでも調子が良かったと思うのですが、個人として振り返ってどうでしたか

前半はゴール下も落としてしまってなかなかうまくいかなかったのですが、後半は切り替えて3ピリの最初のドライブから始まってスリポイント2本とゴール下の合わせだったり結構気持ちよくシュートが打てたので、その辺は個人としてもチームとしても良かったと思います。

――好調のスリーポイントの秘訣は

日頃練習の前と後にチーム練習とは別にシュート練習をしているのですが、学生コーチの無着くん(航平、商2=東京・早大学院)にリバウンドをいつも取ってもらっているので、そこでシュート力が上がってきているのでそれが秘訣です。

――明日の試合に向けて意気込みをお願いします

東海大は1週目も当たって、けが人もいる中でうまく戦いきることができなかったので今回はけが人も徐々に戻ってきてうまく戦っていけると思うので明日は総力戦でチームで戦っていきたいと思います。